2016.05.18column
流行語になった「何が彼女を…」
ツイッターで、フォローしている「戦前~戦後のレトロ写真」で先ほど見つけた写真。そこに「酒のエロ」とタイトルして、以下の文言が添えられていました。
「若い女性の飲酒は、よけいな御世話ながら、あまり見よいものではない。只何が彼女に酒をのませるかである。アルコオル性の飲料は、必ず人工的エロを伴ふ。即ち酒のエロである」。
1930年(昭和5)年の雑誌記事に載っていたそうです。5月22日に開館1周年を記念して上映する傾向映画の代表作「何が彼女をそうさせたか」も同じ1930年に作られ、記録的大ヒットとなり、流行語にもなりました。この写真に添えられている文言からも、その影響を窺い知ることができます。
今日「ぐらもぐらふ」から数枚のCDが届きました。この10番目に収録されているのが、「何が彼女をそうさせたか」公開当時の主題歌です。今年初めにこの復刻版を聴いたときには、22曲も収録されているにもかかわらず、「彼女の唄」ばかりに関心がいっていました。歌っているのは谷田信子。22日の上映会では、この主題歌も取り入れた演奏をしてくださいます。
でも改めてこのCDを眺めていると、3月から4月初めに開催した「SPレコードを観て!聴いて‼楽しもう!」がきっかけになって、所蔵する戦前のシュールなアニメ「茶目子の一日」への関心がムクムク湧き起こってきました。今ではこのCDに収められた時代の歌手に対しても興味大に。そうすると「茶目子の一日」の大正8(1919)年版で歌っていた天野喜久代、高井ルビー、そして昭和4(1929)年版の二村定一の名前が突然光を持って輝いてきました。知ることは次への興味を刺激しますね。
いよいよ上映は今度の日曜日。たくさんの人に活弁と生演奏付きで、古くて新しい無声映画の楽しみを味わって欲しいと願っています。できれば、上映された当時の人々の気分になって。