おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2024.12.14column

京都新聞で来春上京区で再出発することを紹介して頂きました‼

12月14日京都新聞朝刊で、当館の現状と今後について書いて頂きました。今月28日午後に予定している「さよなら会」で10年にわたって壬生での活動を終えて、来春再出発できるよう取り組みます。今朝も新聞を読まれた近所の方が「随分世話になったねぇ。これからも頑張ってや」と寄付金を手に来て下さいました。

先ほどオーストラリアのブリスベンとコフスハーバーより来館下さったご家族は、通りを歩いていて看板が目に入り、足を運んで下さいましたが、同じように通りがかりに「何だろう」と好奇心に誘われて暖簾をくぐって下さる人が多いです。

写真は2014年冬。物件を見に来た時のものです。斜めに走る「後院通」から東に狭い路地があり、3軒の古民家が並んでいました。その一番奥にあって、通りからわかりにくいことから、2015年5月18日に開館した当時は、大勢の人が迷子になり、迷惑をおかけしました。遠方の人は前もって地図で調べて来て下さるので割と少なかったのですが、京都の人に迷子さんが続出しました。その後、路地手前の家の方が古民家を解体してマンションを建設され、その折仰って下さったのは「通りからも良く見えるようにしてあげるからね」でした。おかげで「後院通」に面していなくても、通りから見えるようになって、先のオーストラリアからのお客さまのように来館頂けるようになりました。この事例だけでなく、壬生馬場町町内会の皆様方にはこれまで本当に親切にして頂きました。厚く御礼を申し上げます。

出合った当初の古民家内部です。既に10年空き家で15㎝ぐらい傾いた築100年を超す家でした。一番下の写真中央に写っているのが、樅の一枚板(厚さ約1.5㎝、幅1尺2寸=約45.6㎝、長さ一丈8尺5寸=約7m)でできた友禅板を乗せる「揚げ馬」です。前の借家人さんが、織屋建てのこの家で友禅板の上に着尺を広げ、型染友禅をされていたと近所の人から聞きました。この家を、大工さんはもとより、映画美術スタッフのベテランさんたちの尊いご協力で今のミュージアムの形に整え、“映画”をキーワードにした交流の場になれたらと願って10年走り続けてきました。

新聞記事にありますように、賃貸契約が来年3月末で満期を迎えます。契約延長はならず、新たな10年契約を取り交わし、家賃も私どもにとっては支払い困難な提案でしたので、ここでの活動をやめる決断をしました。幸いに現状より広い新たな活動拠点が見つかりましたが、そこも築100年以上の古さのため耐震診断士の判断も仰ぎながら床板などの張り替え工事をすることになりました。一方、今のミュージアムの家主さんから契約書を盾に原状回復を言われ、正直戸惑っています。どこまでが原状回復か、床も天井も階段も、トイレも台所も造作したのに、それらはそのままで、補強も兼ねた板壁や梁4本などは撤去するように言われ、専門家に相談もしながらですが、人生終盤になって痛い学習をしています。くれぐれも皆さん、契約書はよく読んだほうが良いです。

というわけで、とにかく数多い収蔵品の移動や改装、原状回復の費用捻出のため、年明けからクラウドファンディングに取り組もうと、現在一生懸命サイトを作っています。審査が通って公開の運びになりましたら、どうぞ応援を宜しくお願いいたします!!!!!

今朝は日本アニメーション協会名誉会長古川タク先生がお見えになり、2017年にフィルムに手描きして下さった『なまくら力 忍者篇』を自ら映写してご覧になりました。

毎日来館者の皆さんに映写体験してもらっている作品なので、傷がいっていますが、それも活用の証と嬉しい様子。いつも『龍角散のコマーシャルに登場するアニメーションを描かれた方ですよ』と説明すると『あぁ』とその作風にガッテンされています」と言いましたら、「自分ではなるべく実際のもの(1917年に公開された現存最古の国産アニメーション『なまくら刀』)に似せて描こうと思っているけど、やっぱり自分の作品になっちゃうね」と笑っておいででした。

この『なまくら力 忍者篇』の複製35㎜フィルムもリターン品にしましたし、先生がデザインして下さったTシャツや、アニメーションの原理が分かる光学玩具の一つ“プラキシノスコープ”にも先生の連続した12枚のイラストを用います。

11月25日にお力添えをお願いしたメールに、古川先生から届いた返事には、

「工芸大(東京工芸大学)の山中先生(日本アニメーション協会事務局長の山中幸生先生)にまとめてもらいました。デザインはほぼ出来上がってます。かわいいと思います。
布地はちゃんとした良質な物にしてくださいね。おもちゃ映画ミュージアムがちゃんと存続してもらいたいので、2人ともボランティアで協力します。」とあり感激しました。

Tシャツは、これまでも作って頂いているスリーマストさんでお願いします。名キャメラマンとして亡くなった後も世界中で称えられている宮川一夫先生(代表作『雨月物語』『羅生門』など)のお孫さんの工房です。宮川さんも、クラウドファンディングに応援すると仰って下さいました。“プラキシノスコープ”制作は12月1日に開催した「マニアックな初期映像装置を体験してみよう!」で、自ら文献を研究して再生された珍しい装置の数々を披露し、体験もさせて下さった橋本典久さんです。彼の目覚ましい活躍ぶりには、古川先生も「凄い人だ‼」と絶賛。他にも当館の所蔵品を優しい色合いでイラストで描いて下さった美木真穂さんの絵はがきセット(12枚入り)、アメリカのアンナ・ウェルトナー監督短編ドキュメンタリー映画『Toy Film Story(仮題)』のエンドロールにお名前を掲載など当館らしい品を揃えました。

何かと出費多端な折ではありますが、無事に再出発できるよう皆様方の応援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。クラウドファンディング開始の運びになりましたら、改めてご案内かたがたお願いをさせて頂きます。何卒宜しくお願いいたします。

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