2017.09.15column
9月23日『忠治旅日記』(デジタル復元版)上映のご案内
大河内傅次郎主演、伊藤大輔監督『忠治旅日記』(日活太秦撮影所)が、井上陽一さんの活弁と生演奏で、9月23日元・立誠小講堂で上映されます。
この作品について2014年8月に開催した第9回映画の復元と保存に関するワークショップの折り、佐伯知紀さんが講演で触れておられます。以下は私のブログから。【佐伯さんがNFCで活躍されていた時の大きな出来事が、平成4(1992)年の幻の名作伊藤大輔監督「忠次旅日記」(1927年、無声映画)の復元です。広島の映画フィルムコレクターから寄贈されました。京都文化博物館の伊藤大輔監督の資料を参考に、練馬の育映社という町のラボの協力で、NFCがアナログ版を完成し上映したところ、1992年10月10、11日の2日間で3千人もの人が鑑賞。長い列を成す写真を見て、どれほど多くの人がこの映画の上映を楽しみにしていたのか知ることができました。これが復元第1号。世の中に、古い名作は大切だとわかってもらった最初だそうです。1999年には溝口健二監督「滝の白糸」最長版をIMAGICAウェストの協力で復元。そうした経験から「同じ方向を向けば、道はある。モノがあるのは強い。捨てないで」「政策・施策は現場もよくわからないとダメ。映画の復元と保存について、こんなに関心がもたれる分野になるとは思ってもいなかった」と述べて講演を結ばれました】。ちなみに民間で復元をした第1号が連れ合いたちによる『何が彼女をそうさせたか』で、1996年のことです。
無料で名作を鑑賞できる貴重な機会です。当日13時から入場整理券を配布されますが、少々お預かりしている分がありますので、是非にとおっしゃる方はご連絡をください。
個人的に惜しいのは、整理券を預かったのが今日の夕方だということ。昨日の夕方、東京藝術大学の女子学生さんが4度目の来館。大河内傅次郎のファンで、昨日は大河内山荘を見学しての帰りに寄ってくださいました。「映画のことをもっと勉強したい。ロケ地も歩きたい」と目を輝かせて話していました。そんな彼女にこそ、ぜひ観て貰いたい絶好の機会だったのに。今週来て、来週また東京から来るのは学生さんには難しいでしょうね…。