おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.01.02column

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます

大好きな箱根駅伝をテレビで見ながら、新年のご挨拶を書いています。皆様には健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。様々なドラマが展開する恒例の箱根駅伝は今年99回目を数えるとのことです。変わりなく、好きな行事を見られることが本当はかけがえのないことなのだと気付かされているのが、昨年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻がもたらした影響です。強めるのは軍事力ではなく、外交力であり、私どもも開館以来賜った国内外の方々とのご縁を育みながら、私たち流の「民際」を深め、進めていきたいと思います。変わらぬ応援を宜しくお願いいたします。

おもちゃ映画ミュージアムの出窓の飾り。四季折々の祭事を描いた袋帯は、「雪兎」と歌舞伎の演目「暫」を描いた凧の場面を選択しました。雪兎の耳はユズリハ、目はナンテンの実で造形されている縁起物。手前の三番叟は奈良大和郡山の赤膚焼窯元“尾西楽斎”の銘入り。五代楽斎の作品でしょうか?昨年12月のガラクタ市で一目ぼれして購入して、“三番叟”コレクションに加えました。

そして元旦の東寺ガラクタ市。初詣に訪れた人々と骨董を楽しむ人々で賑わっていました。国宝五重塔が右手に見えています。雲一つない新春の青空が広がっています。南門をくぐった先に見えている金堂の中央にご本尊の木像薬師如来坐像、右に日光菩薩、左に月光菩薩が並んでいて、薬師如来の台座には十二神将がぐるりと囲っています。薬師三尊像は1486(文明18)年焼失後に、桃山時代の1603(慶長8)年に仏師康正により復興された重要文化財です。心新たに、大きな薬師如来さまに手を合わせて世の中の平安を祈りました。

さて、ガラクタ市で連れ合いはワンサカあったスチール写真やロビーカードの中から選ぶのに集中。店主の方がこうしたものが好きなので、いろんな方から寄せられるのだとか。財布に限りがあるので、今回はご覧の通りの51枚をGET。今後展示などで使用して、皆様にご覧いただく機会もあるでしょう。

私は、“幻燈会”の様子を描いた“シャドーボックス”を見っけ💖 作者はオランダのANTON  PIECK(1895.4.19-1987.11.24)。ネットで調べると、彼は画家、アーティスト、グラフィック・アーティストとして知られていて、同国の有名なテーマパーク“エフテリング”の最初のデザイナーとして知られているそうです。

“シャドーボックス”というハンドクラフトは17世紀中ごろにヨーロッパで流行し、その後アメリカに伝わり、世界各地へ。それぞれのパーツを細密に何層にも切り重ねて立体感を持たせているので、光の当て方や角度を変えれば別の表情が楽しめます。

今、3名の先生方に幻燈機をテーマにした小冊子の原稿執筆を依頼していて、そのお披露目を兼ねた研究発表と幻燈機の体験会を3月19日(日)13時半から開催する予定で進めています。まさにピッタリの作品を入手出来て大変嬉しいです。当日もこの絵と同じ光景が見られることでしょう。イマイアキさんのトイピアノで即興演奏していただきながら幻燈の世界を体験して頂こうという趣向です。どうぞ、お楽しみになさってください。

もう一つ、手のひらサイズよりちょっと小ぶりの小西六から発売された“KONIX  Konitor 50mm F4.5”。

配色と蛇腹が可愛いです。使えるとのことですので、スチール写真を撮ってみたいですね。上手くいけばですが、今年4月15日~5月14日までKG+(KYOTOGRAPHIE)京都国際写真祭の会場として女性作家2人によるクラシックな創作写真(アンブロタイプ〈湿板写真〉ほか)の展示会場になれば良いなぁと思っています。年末の28日に彼女らと打ち合わせをして、珍しいワークショップも計画しています。こちらもどうぞお楽しみになさってください。

年明けは年賀状で書きました通り、1月5日から当団体理事でチャップリン研究者河田隆史さんのコレクション展「チャップリンと喜劇の黄金時代」を開催します。河田さんが48年前の高校生の時から蒐集した貴重なコレクションを2か月にわたってご紹介します。

1950年代から欧米では『ライフ』誌1949年号(今回展示)が契機となって、サイレント喜劇の再評価が始まりました。けれども日本では「ドタバタ喜劇」の言葉が示すように下品な消耗品と見做されて、チャップリン以外は評判になりませんでした。1970年代に三大喜劇王の再公開が企画され、『ビバ!チャップリン』(チラシ展示)シリーズは大ヒットしますが、『ハロー!キートン』『プレイロイド』(チラシ展示)シリーズは途中で打ち切られました。名場面集映画『シネ・ブラボー』(ポスター展示)で分かるように、和田誠氏らはサイレント映画の再評価(『キネマ旬報』1974年12月上旬号シネ・ブラボー座談会)に努力されたのですが、及びませんでした😢

1970年代後半にNHKが「チャップリン小劇場」を放映し、さらに「キートン小劇場」と「ロイド小劇場」を放映。弁士を務めたフランキー堺の熱演が大変に面白く評判になったことで、大進歩に。1980年代にVHSビデオテープが普及して、ようやくチャップリン以外の映像も見ることが出来るようになりました。今やYouTubeなどの普及でサイレント時代に活躍した喜劇役者の映像も様々に見ることが出来るようになり、「チャップリンだけじゃない」という評価ができる時代になりました。

その一端をご覧頂こうと、2月11日(土/祝)13時半から、上映会を計画しました。演奏は天宮遥さんです。河田さんの解説付きでお楽しみください。こちらでもご案内を書いています。

等々今年も出会いを大切にしながら、伝えたいこと、ご覧頂きたいこと、体験して貰いたいことに精一杯取り組んでいきますので、ご都合よければどうぞお越しくださいませ。皆様とお会いできますことを、心より楽しみにしております!!!!!

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