2024.02.11column
所蔵映像「京都府駅伝」は94年前の第3回京都学生駅伝の可能性が‼今朝の京都新聞で大きく報道💗
建国記念の日の2月11日、京都新聞1面と社会面で当館所蔵の駅伝の映像について、写真5枚を使って大きく報道して下さいました。10月27日旧伴家住宅での「無声映画上映会」でこの映像もご覧頂きました。その時参加いただいた方から、現在の京都マラソンコースとも比べながら「あの場所ではないか、この場所ではないか」という意見を聞き、なおさらどういう映像だったのかと興味を持ちました。それで記者さんに連絡をして、「こういう映像があるから」ということで調べて頂きました。
もう少し遡れば、コロナ禍の2021年京都国際映画祭のプログラムでもご覧頂き、当時は感染拡大を防ぐためオンライン無料視聴できたので、それをご覧になった人から、上掲左下写真に写っている選手のユニホームに入っているのが「京大陸上部のマークに似ている」と感想を受け取りました。その頃からいろいろ手がかりを得ようとしていたのですが、何しろ随分前のことで当時の人々は既に泉下の人ばかり。ということで、わからないままに月日が経っていました。
後藤記者さん(写真左手前)の熱意で、京大陸上部OB会「蒼穹会」の方と連絡がついて、11月30日映像を見ながらお話を伺う場を設けて下さいました。右奥が「蒼穹会」の森本正幸さんで、右手前が戦後の第24回大会大会に出場された京大OBの徳廣桂三さん。
記事にも載っている『京都の駅伝史』(1989年5月24日発行、京洛社)と第3回『蒼穹4号』によれば、第3回大会は1930年1月19日午前9時に第1コース=御所建礼門-八瀬村長谷出、第2コース=長谷出-根本中堂、第3コース=根本中堂-上坂本、第4コース=上坂本-浜大津、第5コース=浜大津-山科小野、第6コース=小野-宇治、第7コース=宇治-伏見桃山、第8コース=桃山-七条大宮、第9コース=七条大宮-嵐山渡月橋、第10コース=嵐山-平安神宮(最長コース)。第5コースの古歌にも有名な逢坂山の峠に差し掛かる頃には吹雪が激しかったようですが各選手はものともせず駆け抜け、京大はアンカーの石田選手が2位の三高に19分3秒の大差をつけてゴールし、3連覇を成し遂げました。その様子を16㎜カメラで撮影した映像でした。100年近く前の沿道の景色や、人々の様子が記録されていて、今との違いに気付いたり、逆に変わらない様子に気付いたり。こうした古い映像も貴重ですね。
蒼穹会の皆様にも、ご覧頂けるようにご協力出来たら良いなぁと思っています。ちなみにシネコダック(16㎜)が誕生したのは1923年。映像には、学帽を被った学生さんがシネコダックカメラを構えて、撮影している様子も映っていました。仲間が疾走する様子を記録したものでしょう。新聞で大きく報道されたことで、この撮影者のご家族が気付いて下さったら良いですね。後藤記者さんも「今後も新たな発見があれば補足できればいいなと考えております」と話しておられますので、この学生さんが撮影された他の映像も見つからないかしら。心当たりがございましたら、ぜひご連絡ください‼