おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2025.10.26column

ガイ・ペリマンさんの英語活弁💖

今日放送NHKの海外向け日本映画に関する情報番組「JーFLICKS」を、アメリカのサンフランシスコから来館のKristinさん、Nicasioさんと一緒に見ました。

今朝10時10分からの放送を見て、番組ナレーターを務めておられるガイ・ペリマンさんの英語活弁がとてもお上手だったので、それを是非見せてあげたいと思ったのです。

Kristin さんは、Prelinger Archivesで視聴メディアとデジタル化の専門家として活動されていて、当館にお越しになったのは2017年10月に来館されたKathy O’Reganさんから「ぜひ訪問するように」と勧められたからなのだそうです。Kristin さん、Kathyさんともサンフランシスコ・ベイエリアにある有名なアーカイブPrelinger Archivesでサイレント映画の修復・保存活動をされています。特にKathyさんはSan Fracisco Film Preserve(SFFP)のエグゼクティブ・ディレクターをされていて、かつてはサンフランシスコ・サイレント・フィルム・フェスティバルのシニア・フィルム・レストアラーとして、多くのサイレント映画の修復プロジェクトを監督されていたようです。

過去のブログを検索していたら、確かにKathyさんとジョージさんが来館されたときのことを書いていました。それが、こちら。写真を一目見て思い出しました。海藻や草木を使って現像をする話に興味津々で聞き入りました。その後、私どもはコーヒーを使っての現像ワークショップをしたことも懐かしい思い出。Kathyさんが8年も前のことをよく覚えていてくださったなぁ、と感激。そして、Kristinさんが実際に訪ねてきてくださったのですから、何とも嬉しい繋がりです💖

 

実は、昨日10月25日も「JーFLICKS」で放送があり、この時は5月に放送した分の再放送でした。やはりガイ・ペリマンさんの英語活弁が上手なので見てもらおうと、来館されていたアメリカのニューメキシコ市からお越しのBethさんとLeonさんに声掛けをしました。番組内容は11月1日までhttps://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/shows/2036087/をクリックして下さればご覧になれます。

Bethさんたちがご覧になっている場面は、番組ナレーターのガイ・ペリマンさんが4月に来館され、連れ合いと一緒に戦前のアニメーションを見ながら話をしているところ。

「公的な映画博物館ができるのを期待して頑張っている」と話した場面で、「わたしたちの願いです」と申しましたら、二人とも大きく頷いてくださいました。実はBethさんもBasement Flimsでアーカイブの仕事をされているそうです。二日続けて映画アーカイブの方が来館いただいたことに。みんな仲間ですね。

25日放送分では、当館所蔵おもちゃ映画『文福茶釜』『火星飛行』『ドングリドン助旅日記』を用いて、ガイさんが英語活弁に挑戦される様子が放送されました。

26日放送分では、当館所蔵だけでなく他の作品も用いて、時にはガイさんだけではなく、語学堪能な活動写真弁士麻生子八咫さんと掛け合いでの活弁披露もありました。二人とも口元だけでなく全身を総動員して、とても表情豊かに演じておられ、面白かったです。

ガイさんの語りは画像に合わせてなのでとても早口に聞こえましたが、すっかり諳んじておられるし、何より語りのプロなので聞きやすかったです。状況に合わせて声を使い分けたり、擬音を取り入れて最後まで飽きさせません。いやはや、見事なパフォーマンスでした‼ 英語での活弁なので内容が分かりやすく、声をあげて笑って鑑賞し楽しんでくださいました。11月20日ガイさんは出身の英国ロンドンで、英語活弁を披露されます。詳しくは、こちらをどうぞご覧ください。https://www.regentstreetcinema.com/movie/katsuben-reimagined-live-benshi-performance/

この公演を機に、イギリスでも日本独特のKATSUBEN文化への関心が広まれば良いですね。26日放送「J-FLICKS」は、https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/shows/2036089/ で3か月見逃し配信があります。

25日の特集では溝口健二監督の『The Life of Oharu』を紹介していました。海外から来られるお客様にはMIZUGUCHIの名前に反応する人が結構おられますが、Bethさんたちはご存じじゃなかったので、溝口健二監督のことを知って貰う丁度いい機会になりました(26日は小津安二郎特集)。

田中絹代が演ずるお春は、本当に気の毒な人生を送りました。タイトルは映画『西鶴一代女』です。1952年に公開され、その年のヴェネチア国際映画祭で国際賞を受賞。翌年には『雨月物語』で同映画祭銀獅子賞、さらに1954年にも『山椒大夫』が同映画祭銀獅子賞を受賞と、3年連続で栄誉に輝きました。今日Bethさんから「アメリカに帰ったら必ず溝口の作品を見てみます」と嬉しいメールが届きました。3作品とも私たちが公私共にお世話になった依田義賢先生のシナリオ(雨月物語は川口松太郎と共同)ということもあり、

11月6日18時半から上映する依田義賢脚本『僕らの弟』のご案内もしました。2組ともその頃はアメリカに戻られるので見ることは叶いませんが、このブログを読んでくださる皆様でご都合がつく方はぜひ観にいらしてください。無料です。この作品は巨匠溝口健二監督とまだ依田先生が出会う前の作品で、シナリオ作家として独り立ちして間もないころの無声映画です。依田先生の作品に通底する社会的弱者へのまなざし、今日の社会のように「金だけ、今だけ、自分だけ」ではなく、貧しくても社会全体で支え合う人の情けが感じられる作品です。

Bethさんたちは、ニューメキシコ州から最初のお客様でした。

今日彼女から届いた写真です。来館の目的は紙フィルムでしたので、デジタル化した作品を見てもらいました。それにしても「紙フィルムは広く知られる存在になったのだなぁ」と改めて思います。紙フィルム上映でいつも演奏を担当しておられるDuo夢乃さんによれば、10月24日17時からアメリカのイエール大学で紙フィルム上映会が行われ(会場は「アリス・シネマ」だったそうです。映画のパイオニア、アリス・ギイ・ブランジェの名前を冠した劇場があることを今頃私、初めて知りました)、来月にはオーストラリアの日本映画祭でも上映されるようです。これからきっと世界各地で紙フィルム上映の機会があるでしょう。その時は、ぜひご覧くださいね。

後先になりますが、10月24日来館アメリカのカルフォルニア大学バークレー校Jonathan Zwicker先生が来館。日本語の先生なのでペラペラだったそう。

「また戻ってきますよ」と仰ってくださったことが、連れ合いには嬉しかったようで、良き人との出会いがその表情からうかがえます。私もお会いしておしゃべりしたいので、ぜひ再訪をお待ちしております。

24日生憎一人留守番の時に、英国ブラックプールからJames Leesさんが来館。ネットで検索すると、1894年に建ったブラックプール・タワーが聳え立ち、街全体がテーマパークのようなところですね。前夜に別の上映会があり、機械操作を変更したままだったらしく、何時もご覧いただいている戦前のアニメーションをお見せ出来なかったのが本当に申し訳なくて。。。これまでアーカイブしてきたおもちゃ映画の数々や紙フィルムの映像を見ていただきました。光学玩具などをご存じでしたので、先ほどネットで検索したら物理学者で、科学コミュニケーター、本も出版されているサイエンス博士でした。子どもたち対象に科学の面白さを体験するワークショップなどを展開されているので、11月16日に講師を務めてもらう橋本典久さんとよく似ておられる方だなぁと思います。

19日に香港から来てくださった写真がお好きなHimさん。Jonathanさん、James さん、Himさんに英語活弁をお見せ出来なかったのが残念ですが、これから海外からのお客様には「J-FLICKS」のガイ・ペリマンさんの熱のこもったパフォーマンス“ENGLISH  KATSUBEN”もお目に掛けるようにしましょう。活弁の面白さが世界に広がればいいですね💗

 

 

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