3月14日、喜劇映画研究会代表新野敏也さんをお迎えして、お得意のレーザーポインターをくるくる回しながらサイレントコメディ映画の見どころや面白さを解説して下さるレーザーポインター映画教室の7回目を実施しました。テーマは「スピードとヴァイオレンスの起源」。

この日に合わせて、毎年、紀要のような位置付けで発行している小冊子の12冊目『サイレント・コメディ映画研究 知られざる喜劇ヒストリー』を発行しました。

これが、その小冊子です。夕べ新野さんに教えて貰って知ったのですが、昨日の国立国会図書館の新刊案内で、この小冊子を寄贈したことが載っていました。今のところ、国立映画アーカイブと京都府立京都学・歴彩館にもこれまでの小冊子が保存されています。他にもいくつかあるのですが、寄贈が遅れていて追々に。
新野さんの尽力で喜劇映画の歴史、スクリーンで活躍した多くのコメディアンについてわかりやすく書かれて評判で、新野さんから「サインも求められました」と連絡がきたほど。ほどほどの量しか印刷しなかったことでもあり、関心がある方はどうぞお早い目に。ご連絡いただければ、通信販売もできます。当日上映した内容は、こちらとこちらで詳しく書いています。今回のプログラムに1月16日に寄贈して頂いたばかりのパテスコープ(9.5㎜)版『スナブ北へ行く』 (1923 年、監督:チャールズ・パロット、主演:スナブ・ポラード)も上映します。直ぐにスキャンしてデジタル化し、3月14日に船戸博史さんのコントラバスの生演奏でご覧に入れるスピード感を自画自賛しています。
この作品はアメリカで作られたサイレントコメディ『A Tough Winter』ですが、英国の蚤の市で『SNUB GOES NORTH』と改題して販売されていました。アメリカ、イギリスと渡り、100年の時を経て、日本で上映される映画漂流記。映画という文化が世界共通の言語であったことの証です。
小冊子冒頭で新野さんは「映画の歴史はコメディの歴史、コメディなくして映画は発展しなかった!というのが私ども喜劇映画研究会の持論です」と述べておられます。そんな新野さんが、14日の催しに合わせて、とても珍しい映画の解説と船戸博史さんのコントラバス生演奏付きで上映したこの日の内容について、知り合いの大牟田聡さんがfacebookでその夜のうちに書いてくださいました。当日の雰囲気が伝われば良いなぁと思い、大牟田さんの許可を得てコピペします。
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14日は、京都のおもちゃ映画ミュージアムと関わりの深い喜劇映画研究会代表新野敏也さんによるサイレントコメディ映画の見どころ解説教室へ。おもちゃ映画ミュージアムが移転してからは初めてだそうで…。
前半は「スピードとヴァイオレンスの起源」と題して、映画草創期に固定されていたカメラが自ら動き始めて一気にスピーディーなアクションやカーレース、観客が痛みを感じない程度のヴァイオレンスの系譜を新野敏也さんが解説。人間の飽くなき表現欲求の強さに驚きます。
そして第二部は船戸博史さんがコントラバスをメインにオルゴールをはじめとする数々の小道具?を使っての生演奏で知られざるサイレントコメディ映画を上映。
▼『ワンダリング・ウィリーズ(Wanderring Willies)』(1926年デル•ロード監督)
▼『前進!(Giddap)』(1925年デル・ロード監督)
▼『最後の連続活劇(Curses!)』(1925年アル・セント・ジョン主演)
そして最後に上映されたのが、
▼おもちゃ映画ミュージアム所蔵の『スナブ北へ行く(A Tough Winter)』(1923年チャールズ・バロット監督)。
今年1月に福岡大学の名誉教授から寄贈されたパテスコープ(仏・パテ社がイギリスで展開した9.5㎜フィルムのブランド名、とのこと)。
寄贈者がイギリスに10年ほど滞在されていた折に、 蚤の市で購入したそうですが、 その後観る機会がなく、持ってこられたとのこと。それをおもちゃ映画ミュージアムでスキャンし、ついに上映できるところまで持ってきたのです。
米国では1950年代のTV放送開始間もなく、放送できる番組が足りず、かつての無声映画を切り刻んで組み合わせ放送することもあったそうで、いい状態で残っていないことが多いとか。
しかしサイレント映画の時代は出演者が死に物狂いでアクションやヴァイオレンスを演じたから面白いのかも知れないなあ。勉強になりました!
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マイクで話している新野敏也さん。喜劇映画研究会は。1976年に当時中学年生だった小林一三さん(現在の劇作家ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、テクノ系ロックバンド「有頂天」のリーダー兼ヴォーカリストKERAさんとしても活躍)によって発足し、新野さんは1895年から二代目として活躍中。サイレントコメディ映画の歩く辞書です。
演奏をお願いしたのは、船戸博史さん。2024年11月24日に旧ミュージアムで、普段奥様と一緒に活動されている「ふちがみとふなと」として『茶目子の一日』を歌っていただいた折に、木造の天井が高い空間に船戸さんのコントラバスの音色がとてもいい塩梅でうっとりした体験から、無理なリクエストをして初めて無声映画の伴奏に挑戦して頂きました。
新ミュージアム内でも心地良い音色となって映画を盛り立ててくださいました💗コントラバスだけでなく、いろんな小道具を駆使して効果音を演出。中でも面白かったのは広告の紙をくしゃくしゃとする音。身の回りのちょっとしたものも、映画を面白くする演出に役立つのですね。
皆さん、食い入るようにスクリーンを御覧になっています。「ふちがみとふなと」さんのファンだという前列手前に映っている女性から、「また上映して!」とリクエストを頂戴しましたので、この日富山県内での展示から駆け戻ってくださったパーカッション奏者の渡辺亮さん(下掲写真)に早速依頼して、9月12日(土)に登壇して頂き、当館所蔵の「ちびっこギャング」を幾本か上映します。ひょっとしたらその時、渡辺さんが描いた妖怪シリーズの展示もあるかも、です。今からどうぞ、お楽しみになさって下さい‼
きっと、愉快な上映会になるでしょう。
楽しい上映会が終わって、いつもの記念写真。
最近よく顔を見せてくれる小学3年生(上映会当時)の藤田君が、大きな声をたてて笑って楽しんでくれたので、私は「アカデミー賞効果賞」をあげたいと話しました。彼の笑いがきっかけであちこちから笑い声が出て、実に和やかで楽しい上映会になりました。今頃の振り返りになりましたことお詫びしつつ、ご参加いただきました皆さま、新野様、船戸様に心より御礼を申し上げます。ありがとうございました!!!!!