おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2026.07.12column

戦前の映画2作品木村荘十二監督『海軍爆撃隊』と『末っ子大将』

8月1日(土)18時半、京都市左京区大原来迎院町218の“AIR大原”屋外駐車場にて、『海軍爆撃隊』(1940年、木村荘十二監督)が野外上映されます。同所で6月20日から8月9日まで開催されている中井輪さんの展覧会「庶民列伝」の関連イベントのようです。中井さんは、ネットのプロフィールでは「1998年生まれ。石川県出身。画家でフィルムメイカー。社会化される前の身振りに注目し、映画を作るようなプロセスで絵画を制作している。近年は、目がくぎづけになっている時の体について関心を向け、小さな上映会を繰り返し催している。」という方のようです。

その繰り返されている“小さな上映会”の一つが、『海軍爆撃隊』なのでしょう。8月1日が雨天の場合は、2日(日)18時半に順延されるそうです。参加は無料ですが、事前予約が必要です。

最初に立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員大月功雄さんによる映画の背景解説があり、続いて、連れ合いたちが2006年半年かけて復元し、その年10月25日「第5回京都映画祭」で上映した『海軍爆撃隊』を上映します。大月さんは立命館大学国際平和ミュージアムがリニューアルオープンした折に、当館所蔵の戦前のニュース映像を活用して下さいました。同館を訪問された折にぜひご覧ください。

さて、上掲解説文に「おそらは戦後2度目の上映となります」とありますが、私が知る限りは3度目です。その2度目は2016年11月14日当館で上映しました。同じ木村荘十二監督の作品『末っ子大将』を上映するつもりで準備してきたのですが、私のミスで上映できなくなり、急遽『海軍爆撃隊』を無料上映しました。その時のことはこちらで書いています。今思い出しても、「どうしよう」とただおろおろするばかりで、てんぱっていた当時を思い出し、冷や汗が噴き出てきます。

つい先日、国立映画アーカイブのご担当者様から『末っ子大将』について問い合わせがあり、当日のパニック状態を思い出していたところです。秋に木村荘十二監督特集上映が計画されていて、この作品も候補に挙がり、素材を探しておられました。『末っ子大将』について裁定申請をされていた村田忠昭さんに私も連絡をとろうと電話してみましたが、電話は既に使われていませんでした。裁定が認められ、DVDを制作し、希望通り全国各地の図書館に配架されているなら嬉しいのですが。どなたか2016年秋以降のこの作品の情報をお持ちでしたら、ぜひお知らせください。

これは、京都新聞に「フィルムは語る」の題で連載してもらったうちの1本で『海軍爆撃隊』について書いたもの。

映画の復元に関連して、今私どもの周辺で関心を集めているのが、国立映画アーカイブのクラウドファンディング。今年、運営交付金が大幅に減額されたことにより、「存続の危機」だとして9月23日まで挑戦中です。

新聞各紙も書いていましたが、上掲は京都新聞の記事。貴重なフィルムと関連資料を次世代に残そうと頑張っている収蔵機関に対し、他の美術館等と同じように「自己収入をあげろ」と上から脅されても性格が異なるわけで、無理難題な要求にしか思えません。運営交付金が半分になれば、フィルム収集も、先のような上映も、デジタル化作業も困難になるのは目に見えています。

記事の「アーカイブに収益性を求めるのではなく、文化庁が十分な予算を配分し、国が映像文化振興の中枢となる使命を果たすことが求められる」に全く同意見です。村田さんも連れ合いも、貴重な映像を残したいという思いで自分たちに出来ることを精いっぱい努力しているわけで、そういう方たちは他にも大勢おられます。保存されていた映像を見て、勉強されている方も大勢おられます。そういった思いに応えようと下支えしているのが国立映画アーカイブです。

国は新成長戦略として今後15年に370兆円超の官民投資をするそうですが、目先の儲けばかりに血眼にならず、もっと人々のしっかりとした根っこになる文化にも目を向けて欲しい。世界中から当館に来られる人々は、私どもの孤軍奮闘に同情して下さっていますが、彼、彼女らの目には、かっこいいを意味する“クールジャパン”ではなくて文字通り“冷たいジャパン”にうつっているでしょう。

さて、8月1日(雨天時は2日)の首尾上々を願います。野外上映は良いですね。子どもの頃を思い出します。夏の夜の思い出を子どもたちにも残してあげて欲しいところですが、内容が海軍によるプロパガンダ映画なので子どもたちにはあまりお勧めはできませんが…。

最後にもう一つだけ。円谷英二さん最初の特撮繋がりでのお知らせ。7月9日『ゴジラ-0.0』の特報が解禁されました。2026年11月3日(火・祝)日本公開 邦画初[Filmed For IMAX®]作品です。これは「IMAXの厳しい基準をクリアした最高峰のデジタルカメラで撮影され、IMAXの巨大スクリーンで観るために最適化された作品」という意味だそう。VFX(視覚効果)の第一人者山崎 貴監督によるこの作品に当館も少しばかり協力させていただいていることもあって、「最高の没入感」をどのように楽しめるのか、今から公開が待ち遠しいです。劇場公開の折には、ぜひご覧ください‼

 

 

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