おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.05.27column

幻燈機、3つ

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この写真は、5月18日開館満4年記念イベントの日に撮影したもの。部屋の照明を落とした中、ライオンの幻燈機を用いて、スクリーンに写し出した絵をスマホで夢中になって撮影しておられる右端の女性は、イラストレーターの佳さん。6月2日迄開催中の「覗いて、写して、楽しむモノたち展」の素敵なポスターを描いてくださった方です。それだけでなく、この展覧会の為に新作水彩画と「幻燈スライド風ブックマーカー」の原画も展示協力して貰っています。ちなみに、展覧会中は随時、このライオンの幻燈機を用いて、フィルム幻燈も体験もできます。

さて、18日イベント終了後に佳さんから一つの依頼を受けました。それは、5月7日に出来上がったばかりの「幻燈スライド風ブックマーカー」を幻燈機にかけて投影してみたいということ。展覧会中は同じデザインの「幻燈スライド風ブックマーカー」を販売もしていて、3年前に同じものをプレゼントして貰い、「幻燈機で投影できますか?」と質問を受けていたのです。それはクリアシート製とはいえ、白インクを敷いていたため「幻燈機で透過して写すことは難しいのではないか」と答えていました。

彼女は、そのことを忘れずにいて、3年越しの夢を叶えようと、同じクリアシート製ですが、白インクなしのものを新たに作成されたのです。早速、幻燈機にかけて投影して、写し出されているのをご覧になって、とっても喜んでおられました。

「3年越しの夢を叶えようとされたことが素晴らしいと」とSNSで呟いたところ、ピープショー作品を出展してくださっている絵本作家の吉田稔美さんから、「所蔵されている『万能幻燈機』なら以前のものでも写るのじゃありませんか?」と提案がありました。

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これが、その幻燈機と以前のブックマーカー。3年前はごちゃっと片隅に追いやって仕舞われて、忘れられていたのでしょうが、今度は展示「覗いて、写して、楽しむモノたち展」の仲間入りをしていたことで、「万能幻燈機」が日の目を見ることに。「フィルムでも、生きた虫、自分でかいた絵、美しい花、なんでもうつる」と書いてあります。「そうだ、そうだ!」ということで、早速試して見ることに。

200年ほどの歴史がある神奈川県箱根の伝統工芸品、寄木細工。箱根に昔、こうした玩具を作っている工房があったのでしょうか?どなたかご存知ならお教えください。

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箱に入る大きさの照明器具がないので、はみ出した状態でLED電球を用い、ブックマーカーをセットして、部屋の照明を落とし、幻燈機を点けると、

DSC09951 (2)佳さんの絵がおもちゃの「万能幻燈機」で写して見ることができました‼ でも、連れ合いは「佳さんは、反転ではなくそのまま透過して写して見たかったのだ。だからフィルムの形にこだわったんだろう」と言います。そういう意味で言えば、新しく工夫されたブックマーカーで3年越しの夢を叶えられたことは良かったなぁと思います。

そして、幻燈機繋がりで、新たなコレクションに仲間入りした1台をお披露目。

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おそらく、古い幻燈機を元の持ち主が工夫を凝らして直し、絵も描かれたのでしょう。笠はアルミ製ケーキ型を転用したのではないかと思われます。地の色のままの笠だったので、黒い塗料を塗って統一感を出し、さらに、笠を支える円形支柱も連れ合いが手作りし、バランスを整えました。

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「 WELCOME to a Magic Lantern  Theater」。いったいどのような人が描いたのかしら?きっと大切に愛でておられたでしょうに、どうして手放されたのかしらね。

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レンズ下にあるマーク。ネットで検索しても良くわからず、どなたか、情報があればお教えください。Please let me know if anyone has information about this magic lantern.

【追記】

facebookで、この記事を公開したところ、直ぐに台湾の友人、許岑竹さんがオランダのマジックランタン博物館Heilooの研究者Martin Vliegenthart氏に問い合わせてくれました。ほどなく、マーティンさんから返事が届き、1913年Lancaster J.&Son L.T.Dのマジック・ランタンだとわかりました。ネット検索すると、同社はイギリスのバーミンガムにあった世界的なカメラメーカーで、幻燈機のほか写真引き伸ばし機も作っていたようです。ネットは凄いです。

 

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