おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2021.07.25column

京都新聞コラムで、取組みを紹介していただきました‼

今朝の京都新聞1面コラム「凡語」に私どもが今取り組んでいる活動を紹介していただきました。

1930年の子ども用雑誌に載った広告。玩具映写機とフィルムの価格がわかります。モデルは小池兄弟ですが、小池家の女の子がモデルの広告もあったようです。子ども達が夢中になって楽しんでいた映画フィルムの断片には、国策映画やそれを意図したアニメーションもあり、この写真のように家庭で、時には近所の人もまじえて一緒に見ていました。

昨年からのコロナ禍で“STAY HOME”が叫ばれ、来客が少なかった時に、「それならば」とおもちゃ映画も含む所蔵映像を調べ、ニュース映像などを時系列に並べ始めました。

タイトルは『玩具映画で見る昭和史ー日中戦争(1931-1945)』。そうすることで、如何に日本が侵略戦争に巻き込まれていったのかが見えてくるかもしれないと、一つの試みとして編集しました。

太平洋戦争中の映像は、GHQ(アメリカ)が接収し、60年代の末に、劇映画は東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)に、「日本映画新社」などのニュース映像や記録映画は、NHKに返還されました。それ以前の映像は、ほとんど残っていないのですが、昭和初頭の映像は、玩具映画や家庭用小型映画(16㎜やパテベビー9.5㎜映画)に辛うじて残っていました。

一般に、あらかじめ字幕や解説を聞いてから映像を見ると、何気ない映像もそのように見えてしまいます。「映像リテラシー」といって、映像が写実性を持ったメディアだけに、先入観を植え付けることで、内容に影響を与えてしまうのです。今回は特に扱う内容が歴史的な事項なので、可能な限り正確に表現しなければと考え、幾人かの歴史専門の先生に監修をお願いしました。

その成果をこのコラム執筆者にも見て貰いました。この執筆者だけでなく、ご覧頂いたジャーナリストの多くが、この映像にとても強い関心を寄せて下さいました。静止画像(写真)では見ることがあっても、動く映像は初めてという方が多かったです。その反響を踏まえて、しかるべきところで上映できればと考えています。まだ音楽は付いていない段階ですが、完成時には海外版用に英語字幕とピアノ伴奏を付けようと、それぞれの専門家にも依頼しています。

なお、8~9月は戦後76年、戦争パネル展「戦争の真実」を展示します。記事でも触れていますが、10月半ばの京都国際映画祭2021で、予告を兼ねて、『玩具映画で見る昭和史ー日中戦争(1931-1945)』のパイロット版(30分程度)を上映しようと思っています。「満州事変」や「上海事変」など、このチラシに載せた戦争写真の映像も含めた形で編集しています。映画祭の折には、前以てご案内いたしますので、是非ともクリックしてご覧下さい‼

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