おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.08.31column

楽しい出会いが続いて

8月31日、家に帰ったら録画予約していたNHKBSプレミアムの『ウィール・オブ・フェイト~映画「無法松の一生」をめぐる数奇な運命~』を観ます。2020年5月26日映画監督の山崎エマさんが、ご主人のCINERIC代表取締役エリック・ニアリさんと一緒に、このドキュメンタリーフィルム取材のために来館されたので、その折のことが少しは記録されているかと思います。その年の東京国際映画祭で、『無法松の一生』(1943年、稲垣浩監督、伊丹万作脚本、宮川一夫撮影、阪東妻三郎主演)4Kデジタル修復版が初披露された時に、このドキュメンタリー映画も披露され、ご招待いただいていたのですが、所用の為行けずじまいでした。ですから、今夜が初見に。

さて、エリックさんエマさんご夫妻との出会いも刺激に満ちていましたが、今日も楽しい出会いが続きましたので、その中から印象深い2組をご紹介。

左のJAKPONGさんは、記念すべきタイから最初の来館者。タイ第二の都市、チェンマイから今は京都大学大学院でエネルギー社会・環境科学を専攻されています。将来はお国の為に活躍されるのでしょう、楽しみですね。

ネットで検索すると、チェンマイは「北方のバラ」とも称される美しい古都。機会があれば是非とも訪れたいまち。

右のMALCOLMさんは、シンガポール共和国から。シンガポール島及び60以上の小規模な島々からなる島国なんだそうです。

彼が着ている鮮やかな青色シャツの下側にカラフルな手作りバッグの一部が見えていますが、タイで買ったお気に入りだそうです。手先が器用なタイの人が一針一針刺繍されたとっても綺麗で可愛いものバッグで、そうしたものを慈しむ優しい人だということが、交わした会話の端々から伝わってきました。

お二人に、チャップリンの短編集(ジム・ドーリング先生演奏バージョン)や戦前のアニメーション集を見て貰っているうちに、「そうだ!」と閃いたことがあったので、ダメもとで協力を依頼しました。78年前の1945年、日本が戦争に負けた後、南太平洋地域でも日本人兵士たちが、捕虜収容所に収容され、強制労働させられていました。その様子をスケッチ画で遺した人がおられて、今年11~12月にその絵をお借りして展示しようと思っています。期間中の12月2日に関連イベントをするのですが、その時上映する映像でふさわしいものがないかと探しています。お二人に依頼したのは、タイやシンガポールにそうした日本人捕虜を記録した映像がないか探してみて欲しいということ。

「戦争は二度としちゃいけない」というメッセージを伝えたいという思いに共感して下さり、「みんな笑顔で生きないとね」とお二人。たまたま通りを歩いていて「何だろう?」と訪ねて下さったおかげで、愉快な時間を共有することができて本当に嬉しかったです。

入れ違いに来館いただいたのは、スロベニア共和国からお越しのマーシャさん(左)とレナートさん。お泊りのホテルがこの近くで、ネットで検索をして、映画好きでもあるので「絶対行こう」と訪ねて来て下さいました。おそらくスロベニアからも初めて。

スロベニアは、1991年にユーゴから独立した小さな国。ご主人はミュージシャンで奥様は写真家。お姉さまのお子さんを撮った可愛い写真などを見せて貰いました。写真家とお聞きして「じゃ、春の京都国際写真祭に応募すれば、また再会できますね」と挑戦するよう勧めました。

「それじゃぁ」ということで、所蔵しているダゲレオタイプ、ティンタイプなどクラシック写真の数々をお見せしたら、二人とも興味津々。その後は、戦前のアニメーション集や時代劇集をお見せしました。ご主人の方は「一秒間に何コマか」「こういった作品を上映する時には昔も活弁をする人は一人だったのか?」「歌舞伎のように男性が女性を演じていたのか?」などと質問が次々出て、それを受けた私も、関心を持って貰えた手ごたえを感じて嬉しく思いました。

19世紀の映画と同じ頃に登場したステレオスコープ、ステレオビューワーに歓声をあげながら覗きこんで下さいました。

こんなに楽しんでくださったことが嬉しかったです。「友達にも訪問するよう勧めます」とも仰って下さって💖民間の小さな国際交流をさせていただいているようで、こうした出会いは私どもにとって、かけがえのない宝物です。

 

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