おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2024.01.12column

3名の方からの寄贈品💝

昨日、今日とネットの接続具合が悪くてホントにトホホでした。今日、NTTに「故障しているのでみて欲しい」と電話したところ、昨日の原因はNTT側にあったそう。そうとは知らず、せっかく訪ねて来て下さった国立映画アーカイブ3名様の知恵とスキルをお借りして何とか切り抜けようと四苦八苦。それでもダメで珍しく早く帰宅して家で接続をして何とか対応しました。この調子で毎日アクセスできないと本当に困ってしまう。

写真中央は昨年5月に吉澤商店主河浦謙一について講演して下さった国立映画アーカイブ学芸課長の入江さん、左端が事業推進室長の戸田さん、右端が事業推進室特定研究員の金谷さん(ちなみに私は姉が手作りした、辻が花の着物をリメークした洋服姿)。フィルム以外の映画関係資料の調査にお越しくださいました。

今日はなぜか夕方に回復して、こうして「今のうちに」と書いています。ネットがダメなことで仕事ができずに溜息をついていますが、元旦からの能登半島地震で被災された皆様にとっては、こんなものではなく、水道をはじめとするライフラインがダメになって本当にお気の毒だと心よりお見舞いを申し上げます。

なかなか仕事がはかどらないと愚痴をこぼしているところに、ありがたい贈物が相次ぎました。

最初に届いたのは、東京にお住いの三橋様から映写機とおもちゃ映画27作品。

早速リストを作りました。デジタル化はこれからですが、タイトルで見る限りでは、当館に所蔵していない14作品が含まれています。機械2台はいずれもキングから販売されたもので、おもちゃ映写機と幻燈機。他に劣化がひどくて救えなかったフィルム1本も。

正チャンの太平洋横断▼豪傑太郎 世界漫遊記▼冒険ダン吉 ブラック河の大勝利▼少年ターザン▼ベティの狐騒動▼漫画 猿蟹合戦 全一巻▼冒険ダン吉 敵陣突破▼冒険ダン吉 オリンピック大会▼太郎さんの汽車 全一巻▼暴れカーボーイ KRAZY  KAT▼右門捕物帖 金色の鬼(嵐寛)▼ベティの消防犬▼京へ上った一寸法師▼世界オリンピック東京大会▼自来也(片岡千恵蔵)▼ミッキーのアルプス登山▼水戸黄門廻國記▼海中自動車(フェリックス)▼ミッキー漫画 スピーデー▼バデ—の馬車競争▼鞍馬天狗(嵐寛)▼お伽噺 日本一 桃太郎▼のらくろ軍曹空襲の巻▼のらくろ鬼大尉 大空突撃隊▼冒険ダン吉とポパイ 宝島探検▼ミッキー 空中征服▼モンキー艦隊ネズミ上陸の巻。

これまで大切に保管されていましたが、「年をとったので」と活用を期待して寄贈して下さいました。誠にありがとうございます‼ご厚意に添えるよう努めます。

さて、その次に届いた贈物は、絵本作家吉田稔美さんから。1月28日まで東京の「たばこと塩の博物館」で開催中の「見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵」展の図録です。12月2日から始まった第一部は27日で終了し、今は第二部が4日から始まっています。第一部でアン・へリング先生のコレクションも展示されていましたが、第二部はへリング先生のコレクション展です。図録を繰っているだけでも、凄いコレクションだと唸ってしまいますが、吉田さんによれば「これでもへリング先生の膨大なコレクションのごく一部」なのだそうです。紙で遊ぶおもちゃは身近過ぎて、ほとんどの人にとっては「残しておく」という発想がないものだったのかもしれません。それを児童文学者、印刷文化研究者としての目から見て貴重だと思い、慈しんで保存して来られたへリング先生ならではの偉大な仕事です。図録は大変貴重な資料となります。館内でご覧頂けるようにしましたので、ぜひお手に取ってご覧下さい。一番良いのはコレクションそのものをご覧頂くことです。1月28日までに東京へお出かけになる予定がある方はぜひお運びください‼ 私も20日の講演会に往復はがきで申し込み、幸いにも当選しましたので出かけてきます。図録を繰りながら、直接拝見するのを今からとても楽しみにしています。

続いて届いた贈物は、滋賀県立大学教授京樂真帆子先生の新刊『映画と歴史学-歴史観の共有を求めて-』(塙書房)。12月23日に映画『祇園祭』をテーマに、京樂先生にご講演「祇園会から祇園祭へ-映画『祇園祭』から消えた僧兵-」をして頂きました。本当は12月20日に並ぶ予定でしたので、23日はサイン会も当初計画しましたが、それには間に合わず楽しみの先送りに。年が改まってすぐに、こうして真新しい本を手にして、大変嬉しく思います。京樂先生、出版誠におめでとうございます!!!!!

今、試みにページをさらさらと繰ってみますと、ありがたいことに当館についても触れて下さっています。最初に映画『祇園祭』を取り上げて催しをしたのは、2019年7月24日祇園祭還幸祭の日のこと。その時に初めて京樂先生と出会い、以降毎年7月に『祇園祭』をテーマにした展示や研究発表の形で催しを継続してきました。その都度、京樂先生のご協力を得ました。継続してこの映画を取り上げているのは、かつて「日本のハリウッド」と呼ばれた京都に、唯一残っている原板フィルムがこの『祇園祭』のみであること。しかもその音声フィルムは劣化しかけているのです。この作品は、当時の蜷川知事が府政100年記念と位置付け、多くの府・市民が協力し、出演者も主演の中村錦之助の呼びかけに応じて五社協定の垣根を超えて一流スターが参集して成ったもので、国内はもとより、海外各国でも上映されました。一刻も早くマスターポジフィルムで修復して保存し、デジタル化した作品を世界中の人がご覧になれる環境にして欲しいという願いからです。現在、映画『祇園祭』を見られるのは7月の祇園祭山鉾巡行が行われるとき限定で、フィルムを保管している京都文化博物館に於いてのみです。「唯一その場で」というのも付加価値があって良いのでしょうが、もっと気軽にアクセスできる環境が整えば良いなぁと思っています。先日小耳に挟んだところでは、業界の人々の間で今、『祇園祭』を残そうという話に向いているようで、実際にそうなれば、京樂先生と共にこれまで活動してきたことの意義も反映されるので本当に嬉しいです。

京樂先生の本も館内においておきますので、お気軽に手に取ってお読みください。ちょっと高額なので、ぜひ最寄りの図書館にリクエストをなさって下さい。そうすれば、より多くの人がこの本に接する機会が増えましょう。そのことも宜しくお願いいたします。

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