2024.01.31column
寄贈本の紹介と2つの古典技法写真展のご案内
29日に届いた『JOURNAL LUMIERE』創刊準備号(2023年9月10日、メルキド出版)です。昨年4月20日に太田米男が取材を受けた時の記事です。
準備号が何冊発行されたのかはわかりませんが、受け取った冊子には、10月24日に第二版が発行と書いてありますので、先ずは当初の目標数字を達成されたのでしょう。おめでとうございます。ネットで検索したら、昨年9月10日「文学フリマ大阪11」で販売されたよう。
太田本人が語ったままの京都の方言で活字化されているので、正直読みにくいし、写真も暗~い。事実の通りなのですが、もう少し整理してほしかったなぁ、というのが正直な私の感想。とはいえ、地道にこうしたことを進めていくのが文芸や映画ファンを増やすことにもなりますから、今後の活躍を期待しています。創刊号は今年9月の文学フリマ大阪で初売りする計画だそうです。映画館や通販などでも販売しているのかな?メルキド出版noteはこちら。
さて、昨春は念願だった京都国際写真祭の会場になることが出来ました。出展して下さったのは古典写真作家の若林久未来さんとアルマ・シャンツァーさんのお二人。期間中に、いくつものイベントを計画して下さり忘れられない思い出になりました。アルマさんが帰国され、今年の当館での出展はなくなりましたが、若林さんが2月6日~11日、大阪府堺市立文化館内 堺アルフォンス・ミュッシャ館2階ギャラリーで「Classical photograph」を開催されます。当館も協賛に名前を連ねてチラシを作って下さいました。
若林さんにお聞きしたら、堺市にたくさんある古墳をイメージして緑色にデザインしたのだそうです。昨年の当館でのチラシもお洒落ですよ。それはこちらに。映画が誕生する背景に幻燈機、光学玩具、そして写真があるので、来館層は重なるかなぁと思っていましたが、意外にも異なっていました。新たな人々との出会いがあり、その内の一人にアトリエ シャンテーニュ(東京 八丁堀)で古典写真技法の講師をされている大野深美さんがおられます。大野さんからも古典の案内状が届きました。会場は東京表参道のGallery Concept21で、2月12~17日までだそうです。
昨年末に写真芸術学会誌に論文「ルーメンプリントにおける色の考察1」が掲載されたことから、それに関係した個展を開催することになったそうです。
「ルーメンプリント」の写真技法について初めて知りましたが、柔らかい色彩ですね。昨年大野さんが来館された時に、当館所蔵の一見絵画のように見える“オパロタイプ”の写真をご覧に入れ、何かこの技法の情報がないかとお尋ねしたところ、こちらのサイトを教えて下さいました。上掲文書にもあるように、1839年に実用的な写真術が発表されてから様々な技法が考え出されてきたのですね。
若林さんも大野さんも、写真技法の歴史を紹介すると同時に、その魅力を伝える活動を一生懸命されています。お近くに行かれる機会がございましたら、ぜひ会場でご覧下さい。私は遠くから盛況になりますよう祈っております。