おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2024.02.04column

2月2日の日記

四条大宮と千本三条を結ぶ斜めの通り「後院通」沿いに、2月2日オリジナル幟を掲げました(通りの向こうに見えている白い立派な建物は立命館大学朱雀キャンパスです)。

デザインは、昨年9月29日に来館して下さった平工欣悟さん(V82)。来館の時、おしゃべりをしていたらとても良いお人柄でしたので、つい「幟を立てる道具一式があるので、来館の人が道に迷わないよう目印になる幟を作りたい。デザインをしてもらえませんか?」と依頼してみたら、有難いことに引き受けて下さり、1月16日にデザインを送ってくださいました💝それを印刷屋さんに発注したのが、これ。「おもちゃ映画ミュージアム」の文字は、昨年8月にも上映した『八月の万華鏡』(1979年)のいのうえきよたか監督(V5)から受け取った手紙の宛名文字。手紙には、映画を観に来て下さった方にお配りする文章が同封されていました。その文字がとってもお洒落だったので、気に入って残していたのを参考にお見せしたら、そのまま使用して下さいました。連れ合いが作ったシンボルマークの下のシルエットはどなたか、もう皆さんお分かりですよね。

玄関の奥から覗いているのは喜劇王チャップリンと子役のジャッキー・クーガン。有名な『キッド』(1921年)の一場面を連れ合いが合板で手作りしました。平工さんは、これを念頭に「サスペンスの巨匠」アルフレッド・ヒッチコックを選ばれたのかもしれません。チャップリンはイギリス出身、ヒッチコック監督もイギリス人ですね。どうぞ、皆様、迷子にならないよう来館の際は幟と立て看板、そして『キッド』を目印になさってください‼

そして、2日来館いただいたのは「第1回きみの海南映画祭準備委員会」の榊原由美子さん。映画祭は、先月21日から始まり、2月25日まで開催中です。詳しくは公式サイトをご覧下さい。https://kiminokainan-film.jp/

昨年11月17日にメンバーの方と来館され、当館もわずかながらご協力させていただくことになりました。かつての和歌山県海南市には、いくつもの映画館があったそうで、第1回目は会場のひとつ「黒江tettote~岩崎邸」で昔の様子を再現し、『茶目子の一日』他無声映画の数々を上映されることに。いずれは生の活弁と演奏でご覧頂きたいですが、今回は活弁:坂本頼光さんと大森くみこさん、演奏:天宮遥さんによる収録版でお楽しみいただきます。

19~25日の「懐かしのきみの海南映画館~資料展~」では、海南市と紀美野町に往時あった映画館についての資料や再現地図が展示されるそうなので、時間に余裕があれば見に行きたいです。

榊原さんに上映する作品について説明をしているうちに、「おもちゃ映画」のフィルムやパテ・ベビーフィルムにも触れたので、「具体的にどういうものかお見せした方が分かりやすいし、ひょっとしたら『家にある!』という話になるかもしれないから」と提案して、少しばかり「玩具フィルム」やフィルム缶の現物を持って帰って貰いました。資料展会場に並べて下さる見込みです。気が早いですが、来年の映画祭の参考になればと思い、和歌山市出身で日本のアニメーションのパイオニアの一人、北山清太郎の話もしました。きみの海南映画祭を通じて、北山清太郎についても郷土の誇りとして多くの方に知って貰える機会になれば良いですね。

上掲写真を撮って下さったのは、中国海南省にある海口経済学院映画学科准教授高橋伸彰さん(V02)。大学の休みを利用して帰国されている中、顔を見せて下さいました。日本の若者が小津安二郎監督や黒澤明監督の名前を知らないことを嘆いたところ、「中国の若者もゲームに夢中で昔の名画を見ていないから、なるべく授業で見せるようにしている」と仰っていました。余り変わらないのだなぁと思うと同時に、二人して、フランスでは幼稚園から高校までの子どもたちに世界の名作を映画館で鑑賞する取り組みをしていることを羨ましく思いました。

アメリカのカリフォルニア州ウェストレイからお越しのゴードンさん。日本が大好きで何度も来ておられるそうですが、「通りを歩いていて気になったので覗いて見たら、大変面白かった!」と凄く興味を持って見学して下さって満面の笑み。榊原さんと「次は高野山へどうぞ」と観光アピールしました。

その間に京都新聞の記者さんが取材にお越し下さって(いずれ記事になったらお知らせしますね)、2日はおしゃべりが途切れることなくずっと賑やかでした。志子田勇監督(V00)監督の『映画の朝ごはん』がアップリンク京都で公開されるので、高橋さんを誘って一緒に閉館後見に行こうと思って上映時間を調べたら、ガーン‼朝の9:55で初日に見ること叶わず😢 で、私は3日に観に行くことにしました。

写真は1月27日チラシを持って訪ねて来て下さった志子田監督。大きなポスターには昨年10月21日ご家族と一緒に訪ねて下さった折に“人生初のサイン”を書いて貰い、パネルにしました。『映画の朝ごはん』には、当館にも来て下さったことがある樋口真嗣監督のほか、山下敦弘監督(V95)ほかも登場し、映画撮影の裏方さんらの思いや仕事をロケに必要な朝食を手作りしている「ポパイ」の仕事ぶりと絡めながら描いていました。「ポパイ」は映画で仕事されている人々の間で知らぬ人はいないというほど皆さんがお世話になっているお弁当屋さん。といっても関東での話。それぞれ準備して新宿のバス待機所に早朝に集合してロケに行くので朝食弁当が必要ですが、関西はそれぞれ食べてからスタジオに集合して撮影するので、朝食弁当は今もないのでは。

「食べること」がどんなに欠かせない大切なことかを改めて思いながら、突拍子もないのですが、12月までやっていた南方に抑留されていた降伏日本兵(JSP)らが、空腹を抱えて厳しい強制労働に従事させられていた過酷さを思い出しておりました。「食べること」「食べられること」は「生きること」「生き延びられること」そのもの。

アップリンク京都での上映は2月8日まで。間に合う方は、どうぞお出かけください。その後も各地の映画館で順次公開されますので、お近くで上映の際はぜひご覧下さい。詳しくは公式サイトをどうぞ。

ともあれ、連れ合いが大阪芸大映像学科を定年退職してから4年が経とうとしていますが、卒業生の方々が今もこのように会いに来てくださることを本当に嬉しく思っています。皆さん、ありがとうございます‼皆さんの活躍が、連れ合いの喜びです!!!!!

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