おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2024.06.10column

海外の映画関係者の来訪が続きます💗

5月28日と6月1日にアメリカのバックネル大学エリック・ファーデン教授とエリザベス・アームストロング教授が来館され、1年ぶりの再会を喜び合いました。

1日は、来日中最後の紙フィルムのデジタル化作業をされ、その後今後の紙フィルムの展開について話しました。私自身、他の紙フィルムコレクターさんの存在を知っていますし、他にもおられると風の噂で聞いておりますから、おそらく来年もこのデジタル化作業は継続することでしょう。エリック先生は「ライフワークになって取り組み続けるでしょう」と笑いながら話しておられましたが、先生の並々ならぬ紙フィルムへの関心から、創意工夫をされて貴重な紙フィルムが損傷することなく綺麗にデジタル化できるようになりました。しかも昨年より格段に速いスピードでできることが、とにかく素晴らしいです。もしも、お手元に紙フィルムをお持ちでしたら、ぜひお声がけください。エリック先生たちのプロジェクトは、全米芸術基金、バックネル大学研究基金、バックネル・ヒュマネティーズ・センターのハイインパクト研究グラントより助成金を得て実施されています。

さて、4月11日ニューヨーク映画博物館でエリック先生たちが発表された紙フィルムについての内容は大きな反響を呼び、講演依頼が多く寄せられているそうで、今後各地で「紙フィルムツアー」が行われる見通しです。映画祭での披露も視野に入れつつ、この珍しい日本独自のメディアを世界中の人々に知ってもらい、楽しんでもらえるよう育てていけたら何よりです。

先日過去記事を検索していて今頃気が付いたのですが、お二人と出会ったのは2015年6月4日のことでした。その時のことは、こちらで書いています。開館がその年の5月18日ですから、オープンして間もなくのこと。今でさえ当館の存在を知らない人が圧倒的多数なのに、はるか遠く離れたペンシルバニア州の大学の先生たちがどうやって当館のことを、そんなに早くから知っておられたのかが不思議になって、3日帰り支度で忙しくされているエリザベス先生に、迷惑を顧みもせず尋ねてみました。

頂いた返事によれば、エリザベス先生のご主人様もバックネル大学の教授で、日本文学や日本語教育に携わっておられるそうです。お名前を初めて知りましたが、エリック・ロフグレン先生。エリック・ファーデン先生と同じ名前なのにびっくり。エリザベス先生は10代で日本に留学。きっと受け入れ先は上流家庭だったのでしょう、話される日本語は本当に丁寧で美しいです。いつか機会があれば同じように日本に関心を寄せて下さっているロフグレン先生にもぜひお会いしたいです。

と言いますのも、今から9年前にお越し頂いたきっかけは、ロフグレン教授がたまたまインターネットで、当館のことを見つけて、「こういうところがあるよ」と情報共有して下さったのだそうです。小さな小さなミュージアム開館のニュースを遠い異国の人が目にとめて下さったのだと知って、本当にびっくりしています。2015年当時、エリザベス先生の日本訪問の目的は、新しい日本語教材を製作したいということで、その時に初めてエリック・ファーデン教授とコラボすることになったのだそうです。お二人の協力関係は当館の歩みと重なるのですね。

エリザベス先生によれば、初めて私どもに会った時に、エリック先生は感激して、何らかの形で協力、あるいはコラボができたらどんなに素敵かと考えたそうです。そして「それは、確かに何かのご縁だったように思いますね。今後ともよろしくお願いします」とエリザベス先生の言葉は続きます。そんな思いで私たちに接して下さったのだと知って、改めて感激しています‼9月にエリザベス先生は同志社大学で4か月間ほど教えられるそうですので、じきに再会できます。

そして8日にエリック先生からもメールが届き、「私も初めてお会いした時のことを思い返しましたが、来年で10年になるなんて信じられません。その間、私はあなたやミュージアムから多くのことを学ばせていただいたような気がします。皆さんと分かち合ってきたこと全てに感謝しています。私はこの新しい紙フィルムの処理を始めることを楽しみにしていますし、アメリカでの紙フィルムの上映の企画を計画し始めたら、またご報告します。感謝を込めて」と綴ってありました。これを書き写しながら熱いものが込み上げてきて、胸がいっぱいです。

昨日のアメリカからお越しの姉弟さんのことも紹介します。世の中は広いようで全く“It's a smoll warld”だなぁと思いましたから。

アメリカのロサンゼルスからお越しのお姉さん、イザベルさんはUCLAの大学院生で、時には教えてもいるそうです。映像メディアを研究されていると知り、1月5日に講演して下さったUCLAのエルキ・フータモ先生の似顔絵を見せながらフータモ先生のお話をしたら、フータモ先生のことをご存知でした。授業を受けたこともあるそうで驚いておられました。弟のレオンさんはシカゴ大学で勉強をされていて、NASAでロケットのコンピューター研究をされているそうです。とても気さくなお二人は、私が示すいろんなことに関心を持って見聞きして下さいました。メディア考古学繋がりで、エリック先生がデジタル化して送って下さった紙フィルムの映像もご覧にいれました。

いつものように出身地にピンでマーキングして貰って、連絡先を書いて貰おうとノートを出したら、その3日前にオランダのアムステルダムからお越しになったJesse van der kolkさんのお名前が目に入って、またビックリされていました。知り合いなのだそうです。

左端の男性が、Jesseさん。アムステルダムで映画のディレクターをされていると伺いました。「いつか行ってみたい施設にアイ・フィルムミュージアムがあるので、もし訪問が実現する時は連絡を入れるから」とアドレスの交換をさせて貰った素敵な男性でした。一緒に来館の美しい女性はロサンゼルスでテキスタイルデザインをされているそうです。

そのJesseさんがここに来られたのは、彼等よりも少し早い時期に来館された人から聞いて足を運んで下さったそうです。あいにく芳名帳にその方の名前を見つけることが出来ずとても申し訳ない気持ちです。遠く離れたところから、こんな小さな点でしかないミュージアムに繋がって来て下さることの幸せを思います。皆さん、本当にありがとうございます。

他にも、2日にカナダの大学で映画関係の教授をされているColin Barnett先生(上掲)やフィンランドのアールト大学から京都工芸繊維大学に留学されていたJonna Martikainenさん、

ロサンゼルスのカリフォルニアから来てくれたキム兄妹とオニール君の仲良し3人組も。見るもの触るモノ全てを興味深く受け止めてくれ、弾ける若さがまぶしく感じた出会いでした。もちろん、この間にも、珍しい「刺青」の展示を観るために日本人だけでなく、外国の方で刺青に関心がある方たちもたくさん来て下さっています。狭い空間ではありますが、小さな国際交流の場となっていることを嬉しく思っています。

その刺青展の第1期はいよいよ次の16日までです。まだご覧になっていない方はどうぞ今のうちにいらして下さい。第2期は19日(水)からですが、飾り付けの都合で19日は午後から開場になるかもしれません。この点は、はっきり次第、改めてご案内します。

【6月11日追記】

Josseさんたちが、どなたの紹介で来て下さったのかが知りたくてメールを差し上げたら、夕方返事がきて、また嬉しくなってルンルン気分です♪

………So nice to hear from you after our wonderful visit to the Toy Film Museum. I just read the blogpost and I can't believe that Isabel and Leon visited right after us, we didn't know they were in town. We just saw Isabel in Tokyo a few weeks back.

They were also sent there by our mutual friend Gabriel Jandali-Appel, and he heard about the museum through Alexander Zahlten.

Thank you so much for dedicating your blog to our visit and we'll make sure to visit again in the future - or see you one day soon in Amsterdam at the EYE museum.

All the best,
Jesse

おもちゃ映画博物館への素晴らしい訪問の後で、あなたから連絡をいただけてとても嬉しいです。ブログ記事を読んだばかりですが、イザベルとレオンが私たちのすぐ後に訪問したなんて信じられません。彼らが街にいるとは知りませんでした。数週間前に東京でイザベルに会ったばかりです。

彼らは私たちの共通の友人であるガブリエル・ジャンダリ・アペルから紹介され、彼はアレクサンダー・ザールテンを通じて博物館のことを知りました。

私たちの訪問についてブログを書いてくださって本当にありがとうございます。将来また必ず訪問します。または近いうちにアムステルダムの EYE 博物館でお会いしましょう。

………

思い出しました。5月9日、私が別の用事で出かけないといけなくてバタバタしていた日、ひとりの若者が、ハーバード大学のアレックス・ザールテン教授の紹介で訪ねて来てくれました。余裕があれば、お名前を書いて貰って地図にマーキングして貰っていたのに、本当に惜しいことでした。お名前を知りたくて翌日アレックスさんに教え子さんが訪ねて来て下さったお礼とお名前を教えて欲しいと問い合わせましたところ、確かにGabrielさんだと書いてありました。以下はアレックスさんからのメール。

………この間彼が日本に行くと聞いて、京都に行ったら絶対おもちゃ映画博物館に行った方がいいと勧めました。本当に行ったんですね。よかったです!………

何てこの世は善意で満ち溢れているのでしょう。確かに戦争など嫌なニュースもありますが、小さいけれども国境を越えて善意の輪が広がっていることを感じないではおれません。本当に、皆様のやさしさで繋がっています、嬉しいです💗

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