おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.10.30column

京都市動物園ワークショップの振り返り

動物園チラシ - コピー9月16日(土)、17日(日)に「京都国際マンガ・アニメフェア2017(京まふ)」のファミリーイベントとして、京都市動物園で「動物を見て、描いて、動かす『アニメ玩具』を作ろう!」を開催しました。

京まふは、西日本最大級のマンガ・アニメイベントで、本来なら二日間とも大勢の人で賑わったのでしょうが、あいにく台風18号が襲来。16日は京都市内はまだ大丈夫でしたが、全国ニュースで台風に備えて不急な外出を控えるよう盛んに放送されていたこともあり、お客さまは疎ら。当初の予定では、1日5回(各回先着30人、所要45分)で、それに参加希望の人が列を成すであろうから、と整理券も用意したのに、捕らぬらぬ狸のナントカでした。

17日は、どうにか最終回の3時15分までお天気が持てばいいと祈っていたのですが、10時58分に京都市に暴風警報が発令されたため、動物園が閉館を決定。そのためワークショップは10時半の回で終了になりました。たくさん用意して、子どもたちに楽しんで貰おうと努力したのに、残念無念。でも、結果的に最終回になったこの回の参加者は47人。テーブルが足りなくなって急遽増やして対応するほどの大盛況でした。

その時の様子を事務局の方が撮影して下さっていたので、許可を得てUPします。

 

楽しそうな様子がご覧いただけると思います。この日9時半の回と併せて82人が参加して下さったので、台風さえ来なければ、目標の1日150人は達成できたかも。大人も子どもも、参加した人は口々に「面白かった、楽しかった!」と言ってくださり、本当に嬉しかったです。

DSC02261 - コピー

今回のワークショップ講師は、イラストレーターの西岡りきさん(当団体理事)と、NHKプチプチアニメ「ニャッキ!」制作スタッフの中西亮介さんにお願いしました。西岡さんには、二つ折りした紙で作るマジックロールを、中西さんには、円盤の裏と表を使って作るソーマトロープを担当して貰いました。お二人には、それぞれ可愛らしい動物絵のサンプルを3種類ずつ用意していただき、絵を描くのが苦手な人も楽しく体験できるように工夫しました。

前もって、黒瀬政男さん(当団体理事)には、そのサンプルを使って、とっても素敵なマジックロールとソーマトロープの作り方の映像を作って貰いました。

DSC02287 (2) - コピー会場では最初にその映像をご覧いただきながら、西岡さんが説明し、そのあと早速制作に取り掛かります。30分間で2種類ともできた人もいれば、1種類しかできなかった人もいましたが、それらは2種類ともお土産に持ち帰って貰いました。

早くできた人は、35㎜フィルムを装填したおもちゃ映写機を動かして映写体験も。昔、経済的に豊かな家では、この映写機を用いて家庭で映画を楽しんでいたのです。そのフィルムは、映画館で上映が終わった後、切り売りされていたもので、おもちゃ映画フィルムといえども、本物。フィルム自体が高いので、30秒から3分程度の短いものですが、それでも欠落した日本映画史を埋める役に立つと、私どもはこうしたフィルムを発掘し、修復、保存して次世代に継承しようと活動をしています。その一端を体験して貰いました。他にもアニメーションの原理がわかる「驚き盤」も体験して貰いました。

DSC02192 (2) - コピー

続いて、親しくしさせてもらっている活動写真弁士の大森くみこさんに登壇していただいて、動物がたくさん出てくる無声映画のアニメーションの数々(15分)をご覧いただきました。彼女が登場すると、パッと花が咲いたように華やぎます。彼女の可愛らしい声で繰り広げられるアニメーションの世界に、子どもも大人も惹きつけられて、食い入るようにスクリーンに見入っておられました。

DSC02237 (3) - コピーおそらく、活弁付で無声映画の上映をご覧になるのは初めての人がほとんどだったでしょう。子どもの頃に、スペシャルな体験ができたことは、きっと子どもたちの記憶に刻まれることだろうと思います。

2日間の催しには、NPO法人キンダーフィルムフェスト・きょうとの子どもスタッフ3人と大人スタッフ2人にも手伝って貰いました。映画に関心がある子どもたちが育っているのは、何とも心強い限りです。

今年は7月、8月にも出前ワークショップを開催する機会に恵まれました。11月にも同様に兵庫県内でのワークショップを依頼されています。マジックロールは不思議なことに映画史の中に出てきませんが、ソーマトロープ同様に、アニメーションのごく最初期のものでしょう。近いうちにもう少し発展したゾーイトロープの作り方映像も用意したいと思っています。デジタル全盛の世の中ですが、「どうして静止画が動いて見えるのか?」というデジタルではわからないアニメーションの仕組みを、簡単な工作を通して理解してもらう取り組みは、これからも、どんどん展開していきたいと思っています。

このようなワークショップをお考えなら、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。ご希望に応じて提案させていただきます。

動物園B - コピー

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