おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.02.10column

Tagui 展「てぶくろ」

Taguiの作品展があるとお知らせを頂いていたので、出かけてきました。どの子もみ~んな可愛い💖最終日ギリギリになってようやく行けたので、どの子もほぼ貰い先が決まっていました。

作品展テーマの「てぶくろ」は、ウクライナの民話で、ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めた昨年2月24日以降に、私はSNSを通じてこの絵本について知りました。人形たちの生みの親さんは、この作品に幼い頃から親しんでおられたのですね。いつか機会があれば読んでみたいと思いつつ、いつの間にか頭の隅っこに置き忘れていました。それが、ギャラリーに置かれていたピアノの譜面台に置かれていて、初めてページを繰って読みました。

一日も早くこの戦争が終わり、平和が戻って欲しいという願いを込めて、作品展のタイトルにされたのでしょう。

手前にあるのが大きな手袋。

おじいさんと子犬が森を歩いていきました。おじいさんは手袋を片方落としましたが、そのまま行ってしまいます。手袋にネズミが潜り込んで「ここで暮らすことにするわ」と言います。

そこへカエルが跳ねてきて、「誰?手袋に住んでいるのは?」と尋ねます。すると「喰いしんぼネズミ。で、あなたは?」とネズミが尋ねると「ピョンピョンガエルよ。私も入れて」とカエル。「どうぞ」とカエルも手袋の中に入ります。その後、ウサギ、キツネ、オオカミ、イノシシもやってきて手袋がギューギュー詰めになったところにクマもやってきて、満員だと言っても「どうしても入って見せる」とクマがいうので「仕方がない、でもほんの端っこにして下さいよ」と。クマも入ったので、手袋は今にも弾けそう。

おじいさんはようやく手袋がないのに気付いて引き返します。先に駆けていった子犬がムクムク動く手袋を見つけます。子犬が吠えると、動物たちはビックリして這い出して逃げていきました。そこへお爺さんがやってきて、手袋を拾いました。

絵本の世界をぬいぐるみで、本当に可愛く表現されています。

これは一昨年暮れに我が家に迎え入れたオオカミ君。昨年10月29日に山村浩二先生に「スタレヴィッチとショヴォー『狐物語』の動物寓話」の演題で講演をしていただいた時にも飾っていましたし、会場にTaguiさんもお見えでした。『狐物語』の狡賢いキツネのルナールに、オオカミのイザングランはいつも嘘をつかれたり、でたらめをやられていました。オオカミだけでなく、いろんな動物が散々な目に遭っていましたーというお話なので、本当はキツネが良かったのですが、この子の方が可愛くて💗

今回も、可愛いぬいぐるみがいっぱい。手前の赤いたてがみのライオン君。『狐物語』でも、ライオンは王様です。

作曲家・劇伴奏家として活動されている平井真美子さんのお知り合いだというAtelier Pianopiaさんからお借りされた可愛らしいトイピアノやオルガンが幾種類も置いてありました。上掲楽器の説明書きには「19世の教会の鐘の音がするトイピアノ。展示品は、ドイツ人のシェーンハットが発明した初期のトイピアノですが、1904年にアメリカでトリニティチャイムという名前で特許を取得し販売された。この鐘の音を聴くと瞬時にヴィトリア時代にタイムスリップできる」とあります。映画が発明されたころの教会の鐘の音なのですね。

小ぶりの足踏み式オルガンで昭和35年日本製。フィゴが内蔵されていて、ペダル操作で発音します。製作したラブリーオルガンは、戦後に折り畳みオルガンなどを製作し、イギリスやスウェーデンなど欧州に輸出していたそうです。

被り物を被ったウサギさんとイヌ君はこのオルガンに合わせて一緒に歌いたいのかしら。イロハと日本語音階が記されていることから「イロハオルガン」の愛称で呼ばれていたそうです。昭和8年日本製。昭和初期の子どもたちは、こうしたオルガンで音楽を勉強していました。

面白かったのは、このタイプライター型のトイピアノ。「宮廷速記者だったアレクサンダーローズが、玩具メーカーの娘と結婚したことにより誕生した楽器。タイパチューン(Typatune)はローズ自身が編曲した楽しい楽譜が付属しており、病院の理学療法治療にも使われました。小型ながらも32の音を持ち、神秘的で独特な音色が魅力的」と説明文にあります。スイス製で1939年製。

2月11日には、平井さんによるトイピアノ演奏会があるそうですが、既に満席。当館でも3月19日にイマイアキさんにお越しいただいて、幻燈機実演の折にトイピアノで演奏していただきますので、どうぞお楽しみになさって下さい。

 

 

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