おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.08.17column

海外からのお客様と

日本海に抜けて北上した台風7号では、京都の被害状況が報道されて心配してメールをくださった方が幾人もおられました。気にかけてくださったこと御礼を申し上げます。町家では玄関前に掲げていた催し案内の額2枚が強風で吹き飛ばされたぐらいで済みました。自宅も無事です。前後しましたが、皆様もご無事でしょうか?被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げます。

昨日の京都は青空も広がって、実施が懸念されていた五山の送り火は、予定通り午後8時に大文字が点火。その後5分おきに、妙法、船形、左大文字、鳥居形の順に灯がともりました。お盆に迎えたご先祖さんの霊も迷わずに帰って行かれたことでしょう。

さて、昨日も海外からのお客様と良い出会いがありましたので、11日に遡って嬉しい出会いをご紹介。

11日台湾からお越しの高任翔さん(右)と張筱さんは、展示している道具たち一つ一つに興味津々。お友達が以前訪ねてきてくださっていたこと、そして手にしておられる台湾で今春発行された写真雑誌『VOICES of PHOTOGRAPHY』34号で当館が紹介されている(54~57頁)のをご覧になって訪ねてくださいました。この本『VOICES of PHOTOGRAPHY』34号については、こちらでも書いていますが、今回は光学玩具特集です。現在世界中に読者がおられる急成長のお洒落な雑誌でご紹介頂けたことを光栄に思っていますし、こうして写真のお二人を繋いでもくれました。

台湾からは、2015年台北映画祭でおもちゃ映画の特集をして下さって以来、多くの方に来館いただいていますので、既にピンでマーキングされていますが、新たなピンが加わりました。

そこにフランスのパリ出身のご主人THIERRYさんとオーストリアのビエナ出身の奥様HELGAさんが、ドイツのベルリンから来館。お二人にも地図にマークして貰いました。

優しいご夫妻でした。館内に飾っている『何が彼女をそうさせたか』(1930年)を1998年4月24日と1999年9月8日の2回にわたってドイツ国内で、作曲したギュンターA・ヴーフヴァルトさんが指揮するオーケストラ生演奏付きで上映した折のポスターに、既に目が留まっていたらしく、「あの映画は見たことがある」と仰ってびっくり。

「映画がお好きなんだなぁ」と思ってお話をしたら、ベルリン郊外のポツダム=バベルスベルクにある映画スタジオ「バベルスベルク スタジオ」でお仕事をされている方でした。

バベルスベルクは、後のハリウッドと同様、20 世紀初頭のヨーロッパ映画産業の代名詞となった古い歴史を有す大きな映画スタジオです。サイトはこちら。後で連れ合いに聞いたら、以前見学したことがあるそうです。機会があればヴーフヴァルトさんの作曲・指揮による演奏付きで上映したい夢がありますので、その時はぜひ見学してお二人にも再会したいものです。

THIERRYさんは、木下惠介監督の作品をご覧になったことがあるそうで、展示を興味深くご覧になっていたことも、嬉しいことでした。

そして16日は、スイスのジュネーブから。左端のソニアさんは、8月1日からジュネーブ大学でリサーチアシスタントとティーチングアシスタントの仕事を始められたばかり。ジュネーブのお友達お二人と、久しぶりの再会となった京都市内のお友達と一緒にお越しくださいました。

「活弁」に興味がおありで、ネットで検索して当館へ。ありがたいお話です。映画を研究されているので、木下惠介監督のこともご存じでした。展示を見て頂けたのもタイムリーでした。活弁と音楽付きバージョンのアニメーション、デジタル化して音も付けたバージョンの紙フィルム作品、それから、それからというわけでNHKワールドテレビ「J-FLICKS」で今年2月に当館を紹介して頂いた部分もお見せしました。これは当館を海外の方に紹介するのにぴったり。ソニアさんはこの番組「J-FLICKS」のことをご存じで、スイスでもご覧頂いているそうです。

そこに映っていた『突貫小僧』を見て、以前から考えていたことを提案しました。小津安二郎監督の初期喜劇映画『突貫小僧』は言葉が分からなくても、面白さが伝わります。これをいろんな国の言葉で「活弁」してくだされば面白いのではないかと思うのです。

いつまでも戦争をしていないで、面白い作品を観ながら国境を越えて楽しく笑い合えば平和で良いのに、とまるで子どものようですが真面目に思っています。それで、「活弁」に興味があるソニアさんに、フランス語で活弁を付けてみないかと持ち掛けました。お手本にアメリカのランドルフメーコン大学のジム・ドーリング先生とカイル・マクラクランさんによる英語バージョンをお見せしました。「1人だけでなくても、登場する役に応じて他の人も『活弁』を付け、音楽だって自分たちの思うような曲を付ければ良い」と提案しました。

さて、この提案実るかしら。演劇を勉強していた中央の男性は恥ずかしがり屋さんだそうですが、勇気を出して挑戦して下さった良いのですが。「活弁」研究繋がりでソニアさんには、ハミルトン大学の大森恭子先生をお繋ぎしました。「ひろがれ、活弁文化!」は、私の夢でもあります。

「初めてジュネーブ大学と書くので緊張する」とソニアさん。そして、3人で世界地図にマーキングしていただきました。

小さな私設ミュージアムですが、こうして世界中の人と繋がれることを嬉しく思います。次はどこの国の人と出会えるでしょうか。楽しみです💗

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