おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2024.05.21column

5月18日満9周年の日に社員(正会員)総会をしました

京都に映画アーカイブの施設を作って欲しいという希望は、2014年8月に、太田米男が多くの資料を用意して当時の市長さんに直訴しましたが「お金がない」という一言で片付けられました。もっとも、つい先日の5月14日相談に行った“府よろず支援拠点”コーディネーター中小企業診断士・社会保険労務士の先生は「市長に言ってもねぇ」と苦笑いをされていましたが、当時も、実は今も、一体誰に言えば実現に向けて耳を傾けて頂けるのかわかりません。

そういう現実ではありましたが、何とかそうした施設ができるまで、お金がない中でも工夫してやっていかねば、その間にも貴重な映像や映画関係の資料が失われてしまうかもしれないという危機感で2015年1月9日に一般社団法人京都映画芸術文化研究所を設立し、5月18日「国際博物館の日」を選んで開館しました。いろんな方から助言を得ながら見よう見まねで設立に漕ぎつけましたが、こうしたことに不慣れなこともあり戸惑うことばかりで、毎年の社員(正会員)総会開催がつい遅れがちになっていますこと申し訳なく思っています。今年も諸々の事情で遅くなり、開館満9年、10年目スタートの日にようやく社員(正会員)総会をすることが出来ました。

この年月の間に、映画アーカイブの大切さを知って頂き、施設設置の動きに状況が好転していることをひたすら願って活動してきましたが、現実にはそうはならず、です。まだまだいくつものハードルを越えなければ実現は難しそうですが、一番のネックはお金です。私どもは赤字の運営で青息吐息。今の博物館がある京町家は10年の賃貸借契約が来年3月で満期を迎え、春からの大幅な値上げを通達されましたので、継続を断念しました。この総会でのフリートークも、このことについての説明に多くの時間を割きました。

総会は、Zoomでの開催で18時から19時半まで開催しました。

今現在の正会員在籍数44名、総会決議は“賛成・議長に委任”の合計37名。定款第18条により総正会員数44名のうち、その過半数をもって総会が成立しました。zoom参加者は10名でした。

代表理事の太田米男の挨拶から開始。

第1号議案:令和5年度の事業報告 会計報告と活動報告をしました。活動報告につきましては随時ホームページで記録しています。/news/important/4933.html

第2号議案:令和6年度の事業計画 5月まで実施済み事業と年内の行事計画を説明しました。年内は現在地で今まで通り活動をする予定です。今の借家の原状回復費用、移転先の耐震・改修費用、引越し代などの見積もりを急ぎ、収支計画を立てます。

5月11日「京都国際映画祭が昨年10月を最後に終了していた」とマスコミ報道されました。これまでサイレント映画/クラシック映画部門担当ということで京都映画祭から引き継ぎ、古い映画フィルムの発掘と修復、保存、活用の成果を広く見て頂ける場として頑張ってきましたが、そうした場がなくなったことは大変残念でなりません。そしてこの部門を担当させていただいたことで得ていた業務委託費が得られなくなったことは、家賃の補いにしていただけに大きなダメージで、うすうす予感していただけに財務計画書が立てられずにいました。このことを指摘された正会員の方が1名おられました。会員を増やす、入館者・参加者を増やす、財団や企業からの応援をお願いするなどが喫緊の努力項目であることは重々承知しています。この困難を乗り越えるために、クラウドファンディングも頭をかすめますが、取りあえずやれることからと、ホームページに窮状を訴え、寄付金を広く募るバナーを貼りました。18日時点で6名の方から291,000円のご寄付を頂きました。尊いお志、誠にありがとうございました。

第1号議案、第2号議案とも、特に異議がなく、賛成して頂きました。

5月14日京都新聞に大きな記事を書いて頂き、多くの方が関心を寄せて下さいました。2日付けWEBサイトでの先行報道の時と内容は同じだったのですが、見出しが異なっていました。大きな見出し「映画アーカイブ施設必要」が私どもの最も言いたいことですので、ありがたい記事でした。その後、あちこちで「記事を読んだ」という声をかけて頂きます。家の情報も1軒お寄せいただきました。いろんなことを考えると、目下検討して前向きに進めている上京区内の物件が良いだろうと思っています。

フリートークではそのことについて話をしました。その家はざっくり言えば晴明神社の西側。一帯は千利休の屋敷跡だったところで、どこをみても歴史の宝庫。“さすが京都”を実感する地域です。まだ正式に取り決めたわけではないのですが、正会員の皆様には周辺の地図と間取り図も総会資料に加えて配布しました。

明日22日はNHK京都放送局の方が取材にみえます。15日打ち合わせに来館の折に、所蔵する映像の数々をご覧頂きました。京都新聞の記事も事前にお読みいただいていたこともあり、アーカイブ施設が必要だということを別枠で報道できないか考えてくださるそうです。実現すれば嬉しいです。4月28日日にはNHKのワールドテレビ番組「J-FLICKS」で、活弁に関連して当館を紹介して下さいました。世界160カ国と地域に放送される番組です。今なら見逃し配信でご覧になれます。一昨日もアメリカのUCLAの映画研究者の先生が訪ねて来て下さいましたし、昨年9月にはアメリカのコロンビア大学にご招待いただき、発表の場では、私どもがアーカイブした映像の数々を興味深くご覧頂き、大きな拍手を頂戴しました。私どもは小さな団体に過ぎませんが、映像のアーカイブに取り組む活動を海外の映画関係者、研究者の人々が評価して下さっています。

欧州の非営利活動機関INEDITの窓口アンナ・ブリッグスさんから私どもの窮状を心配して5月15日メッセージが届きました。「私にお手伝いできることがありましたら、お知らせください。様々な大陸やAMIA(動的映像アーキビスト協会)やFIAF(国際フィルムアーカイブ連盟)などに連絡先を持っています。ユネスコや様々な国際遺産団体も支援することが出来ます。私はクラウドファンディングやキャンペーンのコースをたくさん受講しているので、必要に応じて支援や資金を集めるための提案を共有できます」という温かい言葉です。共感を持って私どもの行く末を心配して下さっています。そのアンナさんたちから寄せて頂いている信頼に応えて、今後も自分たちにできる限りの映像のアーカイブ活動に取り組みます。そのための支援を広く求めています。

閉会:総会は総正会員議決権44名の3分の2以上の多数決(実際には反対意見が全くなく、全員の賛成)で承認を得て、太田の挨拶で閉会になりました。

以上、総会の報告に代えさせていただきます。今後とも私どもの活動に応援を賜りますよう、心よりお願いいたします。

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