おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.09.14column

大阪芸大映像学科卒業生たちの活躍‼

林けんじろうさん(V93)さんから9月3日付け手紙と一緒に届いた『星屑すぴりっと』です。2003年に大阪芸大大学院修士課程を修了されましたが、卒業制作『アップル・スプリット』で豊かな才能を発揮し、3部作ができることを周囲に期待されつつ、小説家の道へ。『ろくぶんの、ナナ』で第17回ジュニア冒険小説大賞受賞、そして『星屑すぴりっと』で第62回講談社児童文学新人賞佳作に入選されました。

同封されていた手紙から引用しますと

…………すべては二年前、先生(太田米男)から頂いたFPS(First Pictures Show)企画のお電話から始まりました。当初は(おそらく他の製作者の方々の心境と同様)昔の作品の上映に若干戸惑いを覚えたのですが、実際に上映して頂き、それをおもちゃ映画ミュージアムへ自身が鑑賞しに行ったことをきっかけに、この本が誕生しました。あの日の、先生と松本壮一郎との邂逅にインスピレーションを受けたのです。まさに天から物語のアイデアが降りてくるような感覚でした。太田先生の弟子(?笑)でよかったと、つくづく思います。

本の内容は、中学生の主人公イルキを中心にめぐる、大切な人の願いを叶えるための旅物語ですが、すべての映画を愛する人たち、映画づくりに身を捧げる人たちへ贈る物語でもあります。

映画の志も道半ばで挫し、昔からいい加減な性格で先生を困らせたぼくでございましたが、こういった別のかたちで創作をつづけ、先生や奥様、過去から関係される方々に楽しんで頂き、ほんの少しでも恩を返せればと願ってやみません。…………

「第9章おもちゃ映画ミュージア」に連れ合いが「米田館長」として登場します。ほんの少し、私も年配の女性として出てきました。小説には『わがままスピリット』の監督として、水落康平の名前が登場しますが、この名前のモデルとなったのが、下掲『私を判ってくれない』を近藤有希さんと共同脚本・監督・編集した水落拓平さん。

彼からも9月8日付けでフライヤーが届きました。手紙には「大阪芸大大学院の修士作品『車輪の上』の延長にある部分、『車輪の上』には無かった度胸のようなものが芽生えた作品になっていると思います」と書いてあります。16日(金)京都市内の出町座、大阪では17日(土)から十三のシアターセブンで公開されます。16日11時45分からの出町座での上映の回で、本作出演の鈴木卓爾さんと、近藤監督と水落監督が登壇され、舞台挨拶されるそうです。

そして、こちらは小原浩靖監督の『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』上映のお知らせです。9月23日(金/祝)から京都シネマで公開され、翌24日10時からの上映会後に、樋口英明元裁判長と小原監督(V82)が登壇され、舞台挨拶されるそうです。詳しくは公式サイトをご覧ください。

小原監督には、昨夏の「戦後76年、戦争パネル展『戦争の真実』をした折に、『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』(42分版)版を今回の作品と同じKプロジェクトさんのご協力で毎日上映させていただきました。今もなお日本人である証明ができずに日本に戻れないでいる人々の苦悩を知って貰いたいと願ってのことでした。

8月25日岸田首相は3.11後、初の原発新増設を明言して世間を驚かせました。首相はこれまで原発への依存度を下げると訴えていたので、あまりにも唐突な政策変換です。原発の運転期間の延長や新増設のみならず建て替えも検討するとの発言に唖然とします。故郷を奪われた被災者や、原発の安全性に不安を抱いている多くの国民の理解を得ないまま、数の力で前のめりに進めずに、先ずは広く国民の意見を聞いてもらいたいです。

今回は、大阪芸大映像学科卒業生たちの活躍の一端を紹介しました 。ご都合よければ是非映画館でご覧になったり、本を手にして読んでみて下さい。宜しくお願いいたします。

 

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