おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.08.18column

今日上映する地蔵盆の記録映像について

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近所の朱雀第一小学校に通う6年生5人が遊びに来てくれました。もう顔馴染みになっている男児たち。「やぁ、」とこちらも大歓迎。しっかりものの彼らは「中学生になったらお金がいるから、今のうちに遊ぼうと思って」と友達を誘って来てくれました。どうして静止画が動いて見えるのか、こうして遊びながら理解してくれたことが、将来彼らの活躍に何らかの役に立てば良いなぁと思います。

今日はこの子たちみんなが、地域の地蔵盆。ゲームやおやつの時間があったり、そしてクジ引きもあるので、とても楽しみな夏休みのイベントです。当館も町内会の地蔵盆に協力を申し出て、子どもたち約20人と大人たちが来て下さることに。「18日10時半から11時半ぐらいまで、16㎜映写機で、アニメーションを上映するよ」と彼らに声を掛けましたら、このうちの何人かは、別の町内会の地蔵盆と重なることがわかり、残念。おそらく京都市内の地蔵盆の多くが昨日か、今日行われるのでしょう。でも、「終わったら、またおいで」と声かけをしました。館内で子どもたちの姿を見ることは、私どもの喜びの一つです。

さて、昨日上映するフィルムと映像の点検をしました。フィルムは劣化していますので、上映中に不測の事態が発生するかもしれませんが、それも含めて、少し前まで普通に見られていたフィルム上映の世界を味わってもらえたら 、と思っています。

当団体の正会員である立命館大学の竹田章作先生から、以前寄贈いただいた8㎜映像の中に1961(昭和36)年8月26~27日に行われた「大日会地蔵盆」の映像がありましたので、最初にそれをご覧いただきます。撮影者はお父様の竹田耕作さん。当時竹田先生は6歳で、一緒に映っているお兄さんは9歳でした。戦後のベビーブームの少し後ですが、それでも子どもの数は多く、1クラス40人程度で6クラスあったそうです。

「大日地蔵盆は、二条通川東の路地にあった大日如来のお地蔵さんを囲んでの行事で、町内会とは別の行事でした。通常の地蔵盆が8月22~23日であるのに対し、27~28日の日程で行われていました。地蔵盆に来ていた小学生の子どもたちは外からの子も入れて10人程度。でも少子化が進んだ今は、お詣りだけしかやっていないそうです。

当時は高度成長の真只中で寄付金もたくさん集まり、映像に出てくる行事表に書いてある通り、初日は大津のレークセンターというレジャー施設で1日遊び、翌日はおやつ、金魚すくい、福引(これも大人用と子ども用に分かれていました)という子どもたちにとっては、夏の一大イベントでした。

この路地には、当時15、6軒の世帯があり、子どもの数もかなり多かったようで、大人も子どもも総出で楽しみました。特にこの大日会では、数年前から行事の様子を8㎜フィルムで撮影しており、1日目の夜には、その上映会が行われました。当時、動画の撮影は珍しく、スクリーンの中の自分の姿を見て、大変盛り上がっていたそうです。おまけで1本のフィルムを上映した後、巻き戻しの際に逆再生をやると、大爆笑だったそうです。

二日目の早朝からは、女性陣が総出で、全員分のバラ寿司を作るのですが、その手際の良さもさることながら、口数の多さもかなりのものだったと思います。

テレビゲームもスマホも無い時代、近所の人たちが集まって、子どもと一緒に夏の終わりを惜しんで、精一杯楽しんだ二日間でした」と当時を振り返ってくださいました。

今回の上映が契機になって、他にも昔の記録映像が京都市内から出てくると良いなぁと思います。地域映像を観ることが毎年恒例行事になれば、と夢見ています。

この映像に続いて、16㎜映写機でアニメーションを何本かご覧いただいたあと、2枚の紙でアニメ―ションが楽しめるマジックロールの簡単なワークショップをして、お終い。

子どもたちに少しでも、楽しい夏休みの思い出になってくれたら幸いです。地域外の人も参加できますので、暑い最中ではありますが、どうぞおいでください。小学生以下は無料です。

 

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