2014.10.04column
早稲田大学演劇博物館「寄らば斬るぞ!新国劇と剣劇の世界」
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館「寄らば斬るぞ!新国劇と剣劇の世界」(2014年10月1日(水)―2015年2月4日(水))が始まりました。「坪内逍遥門下の俳優澤田正二郎を中心に、劇団「新国劇」(1917年―87年)に新たな光を投じつつ、演劇と映画にまたがる剣劇の魅力と芸術的意義を再検証」することがテーマです。
1920年から30年代は、日本映画史的に見ても、歌舞伎劇から映画へ、様式美から写実主義へと脱皮し、剣戟映画の全盛を迎えます。その中で、澤田正二郎が活躍したのは、ほんのわずかな期間でしたが、たいへん重要な役割を果たしました。マキノ省三監督『国定忠治』と直木三十五が提唱した「聯合映画芸術家協会」の『月形半平太』のたった二作にしか出演していませんが、澤田の登場は時代を変革し、剣戟映画の時代をもたらしました。
今回、当ミュージアム(準備室)が編集した『ちゃんばら時代』(1924年版)を提供しました。30本の剣劇映画(玩具映画)の断片をまとめたものですが、時代順に並べて見ると、澤田前、澤田後の剣戟映画の変遷が見えてきます。ぜひ、ご覧いただきたいと思います。