おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2024.04.14column

4月14日、依田義賢先生生誕115年記念日

今日4月14日は依田義賢先生の生誕115年の記念日。
午後から、ご子息義右さんご夫妻といろんな思い出話をしながら先生のことを偲びました。
 
今回の展示を契機に、ご子息夫人は、すっかり探し物が上手になられ、今日は新たに見つかった16㎜フィルムを持参されました。少し酸っぱいにおいを放って劣化していますが、なんとかデジタル化できそうです。フィルム繋ぎに難があったので繋ぎ直ししながら、癖をとるために巻き直し。その作業の合間合間に、ご夫妻と連れ合いの3人がライトボックスに置いたフィルムを覗き見ながら何が映っているかをアーダコーダと賑やか。義右先生ご兄弟の子どもの頃が映っていたほか、在りし日の依田先生のお母さま、つるさんが映っていました。依田先生は、お父様亡きあと末っ子の自分を育てて下さったお母様には絶対服従だったそうです。
 
山中貞雄監督『街の入墨者』(1935年)を観た後で、おつるさんは溝口健二監督に「義賢にあのような立派な作品を書けるでしょうか?」と尋ねたところ、監督は「お母さん、依田君はシナリオの天才ですよ」と言われたそうです。
とても厳しかったおつるさんですが、この監督の言葉が嬉しくて何度も何度も話しておられたと義右先生。
詩集『ろーま』の題字はおつるさんの筆。1953年ヴェニスの映画祭に『雨月物語』が出品され溝口監督と出かけられた折り、体が弱い依田先生の身を案じて痩せるほど心配されたので、そのお母様への敬愛の気持ちで依頼されたのだそうです。
 
きっと昨日は依田先生の魂も一緒にいて、私どもの会話をニコニコ聞いておられたことでしょう。良い一日でした💗依田義賢展も残り10日になりました。今の日本人は溝口健二監督の名前すらご存知じゃない人が多く、シナリオ作家の名前は尚更でしょうが、たくさんの名作を残された人ですから、ぜひこの機会に知っていただきたいです。そういえば、依田先生のところにはセメントでのフィルム接合機があったそうです。今日持参くださった16㎜フィルムも依田先生が接合されたのかもしれませんね。その様子を想像してみるだけで微笑ましく思えます。

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