おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.01.22column

NBC長崎放送で『正ちゃんの動物地獄』が放送されたことなど

先日来、立命館大学の学生さんが次々見学に来館してくださり、賑やかなミュージアムでした。どうやら授業の課題に施設見学があり、その仲間に加えていただいようです。若い人たちに見ていただくことで勉強の役に立てることは大きな喜びです。見学をして、一番喜んでくださるのは驚き盤を動かして見たときと、おもちゃ映写機を自分で操作してフィルムを投影し、その映像を見たときでしょうか。「カタカタ鳴る音、フィルムの手触りをぜひ覚えて帰ってほしい」といつも言っています。光学玩具類は人気があります。

DSC09680 (2)実は昨日新たに光学玩具の仲間入りしたものがあります。「PICTURE STORY VIEWER」。日本製でアメリカへ輸出用に作られた子ども向けのおもちゃでしょうか?丸いディスクには可愛らしい絵が描かれていて、その1枚を中にセット。赤くて丸いつまみを回し、ハンドルのスイッチを押し、丸い覘き穴から見ると、オルゴールが鳴りながらディスクが回転して絵が楽しめます。次に来館いただいたときにご覧いただきましょう。

戦前のアニメーションも楽しそうにご覧いただきました。今年は国産アニメーションができて100年。1917(大正6)年、下川凹天(おうてん)、北山清太郎、幸内純一(こううちすみかず)が、それぞれ同じ年にアニメーションを製作。3人のパイオニアの活躍があって日本のアニメーションの土台が築かれました。

また横にそれますが、1月12、13日NBC長崎放送の夕方の番組「Nスタプラス長崎」で二日間に亘って「挿絵画家 椛島勝一の世界」が放送されました。長崎県諫早市出身の椛島(1888-1965)は、1913(大正2)年に上京し、独学で鍛えたペン画や水彩画で少年雑誌などの表紙や挿絵を手掛ける一方、1923(大正12)年1月から「東風人」のペンネームで『正ちゃんの冒険』の連載を開始します(文案は織田小星)。日本の漫画として初めて吹き出しが用いられ、正ちゃんは国民的人気漫画になり、正ちゃん帽が大流行しました。下掲は当館所蔵の掌サイズの薄い漫画本。

DSC09683 (3)12日の番組では、絶大な正ちゃん人気にあやかったアニメーション『正ちゃんの動物地獄』(当館所蔵)も放送されました。この作品は学生さんたちにもご覧いただいた『怒涛のおもちゃ映画特集』の中に含まれています。少年雑誌『少年倶楽部』に描いた挿絵は白と黒の2色による水彩画。「黒は1色じゃない。黒でもいろんな色があるという考え方は、親しくしていただいた名キャメラマン宮川一夫先生の考えとも共通するなぁ」と思いながら番組を見ました。4月9日まで、長崎県美術館で回顧展「椛島勝一の世界」が開催。

学生さんたちには、1912年「明治天皇御大葬」と「乃木大将葬儀」、1923年「関東大震災」など約100年前のフィルムに記録されたニュース映像も見てもらいました。デジタル全盛の今、「果たして100年後にデジタルで撮られたものが同じように見ることができるだろうか」という懸念を若い人たちも抱いたのではないでしょうか?デジタル一辺倒ではなく、フィルムの良さも見直して欲しいし、貴重な映像はフィルムで保存が当たり前になって欲しいと思います。

折しも、19日にコダックから届いたメールマガジンVOL.064 によれば、1950年代に設立されたハンガリー政府所有「ハンガリアン・フィルムラボ」は今もフィルム現像をしていて、映画『サウルの息子』はコダックの35㎜フィルムを用いて最初から最後までフィルムによる全行程の仕上げがなされました。グランプリを受賞したカンヌ映画祭2016では、35㎜で上映。他に世界中の映画祭で46の賞を受賞した作品です。同ラボは、フィルム修復とフィルム保存でも知られ、1914年に作られたマイケル・カーティス監督『The Undesirable(原題)』は着色されたプリントを受け入れ、映像を修復した後、長期保存のためにフィルムに戻す作業をされました。デジタルでの保存がゴールではなく、フィルムでの長期保存が適しているとのあり方を日本でも取り入れて欲しいと願います。

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