おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.11.08column

「フィルムで写真を学ぼう!-小学生のための写真教室-」の振り返り

写真現像ワークショップ チラシ訂正 - コピー

11月3日、フィルムを使って写真を撮るワークショップを開催しました。「文化の日」に相応しいし、フィルムを現像したりするには今の季節が相応しいと思い、晴れの特異日に計画しました。でも、3連休の中日で、祝日だからこそ各地で様々な催しが繰り広げられているとあって、申し込みが当日までなくて、正直焦っていました。でも、近所の子どもたちが来てくれて大助かり。仲良し三人組のけいご君、りんた君、みっちゃんの小学6年生。連れ合いは京都市立芸術大学生時代に写真家のアーネスト・サトウ先生に教わっているのですが、私は自分で現像したこともないので、「丁度良い機会」と、一緒に教えて貰いました。

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36枚撮りのネオパン100ACROSをカメラに装填します。穴にきちんと嵌めないとフィルムが送れません。蓋を閉め、2回送って新しいところにしたら、決して蓋を開けてはいけません。

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光の量をはかる露出計を最初に100にあわせ、シャッタースピードを撮りたい数字に合わせます。この時は屋外で撮影するので、125分の1秒に合わせました。

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絞り(アイリス)で光の量を調節します。シャッターを切る前に、光の量を決めて当ててやらないと、白くなったり、黒くなったりするからです。左手でピントを合わせます。指導して下さった吉岡映像の社長さんが手にしている棒が、はっきり見えるように調節します。今回は3人だったので、一人10枚ずつお互いを撮ることにしました。

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この日は、ミュージアムに隣接している長野弁財天の秋祭り。そのお下がりの焼きミカンを食べた後に、外でお互いを撮りっこ。レフ板も用いました。仕上がりが全然違うと思います。「撮りますよ」と声を掛け、背景をどう作るか考えて撮ります。吉岡映像のスタッフ、三谷さんが「もっと近付いて撮って良いよ」と声を掛けると、「いや、あの木を入れたいから」と、しっかり構図を考えています。フォーカスが合わないとぼけます。「次、俺撮るわ」と仲良し3人組だからこそ、コミュニケーションがとれて上手くいきました。

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けいご君は、途中で空手着に着替えてきました。自分のお気に入りの写真を撮って残したい気持ちの高ぶり。

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撮影を終え、室内に戻り、現像の用意をします。けいご君が手にしているのがインスタントコーヒー。因みにこの時は、ネスカフェ・エクセラ。豆だと皮があって綺麗にできず、溶かして飲むコーヒーが適しています。20グラムを計って、計量カップに入れます。

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炭酸ナトリウム27グラムを計量カップに加えます。炭酸ナトリウムは、ベーキングパウダーの代替品として、クッキーやパンケーキなどに使う重曹です。

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次にビタミンCを8グラム計り、計量カップに加えます。この3種類は順番を変えても良いです。

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40℃のお湯を用意し、

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計量カップに注いで、溶かします。シュワシュワとする少し酸っぱいコーヒーのような、変なにおいがちょっとします。

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それを20℃まで冷まします。

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冷めるまで時間がかかるので、その間に映写機で16㎜フィルムを上映しました。

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さて、現像の本番です。カメラからフィルムを巻き戻します。

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パトローネ(フィルム・カートリッジ)にフィルムが入り込むと、外す道具が要るので、フィルムが入り込まないように、先を少し残して止めます。

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耳を澄ませて、音と手応えで「カチャン」といったら、フィルムが巻き取れた合図です。

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カメラの蓋を開けます。フィルムを装填した時のように、外せると成功です。このフィルムをこれから現像します。

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蚊取り線香のような形をした道具(35ミリ・タンクロール)に、フィルムの先を留めます。

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後は暗室の作業で、ダークバッグの中に、現像タンクとハサミを入れます。ゆっくりと慌てずに、手探りで、ダークバッグの中でフィルムをタンクロールに巻き取ってゆきます。タンクロールを現像タンクに入れ、蓋を閉めたら、表に出します。

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蓋を閉めた現像タンク(右)とフィルムを巻き取った後のパトローネ(左)

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先ほど作った現像液を蓋を取った現像タンクの中に、泡を立てないように注ぎます。蓋を押さえながら、現像液が全体に回るようにゆっくり揺らします。1分回したら、1分静かに置いておきます。これを15分間繰り返します。20度が基準ですが、温度が高いと15分より短く、低いと長くかかります。時間が来れば、現像液を他のペットボトルに取り出します。次に薄めた停止液を入れます。

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停止液(酢酸)は舐めると、ちょっと酸っぱい。カメラ屋さんで売っています。同じようにタンクに入れ、蓋を閉めて30秒揺すります。そして、液を捨てます。

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 次に、薄めた定着液(チオ硫酸ナトリウム=ハイポ)500ミリリットルをタンクいっぱいに入れます。同じようにゆっくり10分間、揺すりと休みを繰り返します。この定着液もカメラ屋さんで売っています。

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現像が終わると、蓋を開け、フィルムを流水で洗います。時間が長いほど良いです。だいたい5~10分。

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洗水後、フィルムを取り出し、スポンジでそっと水分を拭います。その後、ロープに吊り下げて乾かします。

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本当は一晩吊したまま干すのが良いのでしょうが、この時はドライヤーの熱風を使って乾かしました。この段階では、白いところが黒くなっていて、黒いところが白くなっています。乳剤が塗布されている面はマットな感じ、ベース面はツルッとしています。乳剤面は水分で膨らみますし、乾きにくいのですが、乾くまでに触ると傷がつきますので、丁寧に扱うことが大事。

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次に印画紙用の現像液を作ります。500ミリリットルの原液と500ミリリットルの水で1リットル用意します。使うのは富士フイルムのコレクトールE。これもインスタントコーヒーでできますが、この日は3人なので、コレクトールを使用しました。40度から20度にします。原液:水1:1で、もう1リットル用意して2リットル作り、トレイに入れます。次のトレイに停止液を入れ、もう一つのトレイに定着液を入れます。タンクに入れた時と同じ要領で作ります。

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乾いたフィルムをネガ保存シートに入れます。

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それぞれ自分が撮った作品の中から、印画紙に焼き付けたい3枚を選びました。

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奥の長机にあるのが引き伸ばし機。吉岡さんが高校生の時から用いている道具です。手前のトレイは、左から現像液、停止液、定着液。他に水を張ったバケツも。

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先ずは、試し焼き。上から焼き付け時間を30秒、25秒、22秒と試し、最終的に18秒でやることに。

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焼き付けるネガを引き伸し機に、装填します。

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装填し終わると暗闇の中です。セーフティ・ランプ(赤い灯り)の中で、取りだした印画紙をセットして、18秒を数えながら焼き付けます。その後、現像液、停止液、定着液をくぐりますが、停止液までは真っ暗な中での作業。続く定着液に入ると灯りをつけても大丈夫。最後に水につけて、残留物を洗い除きます。これで焼き付け作業終了。

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そして、ロープに吊り下げて乾かします。

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これが、彼らがお互いを撮影した記念写真。ピントがずれた写真もあるかと思いましたが、さすが写真が身近にある現代っ子らしく、どれもバッチリ。3人は「昭和の写真や!!!」と言って大満足。吉岡さんから貰った台紙に入れて、大切に飾っていることでしょう。

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 ミュージアムにも記念に飾りました。皆さんもここに書いたことを参考になさって、ぜひ試してみて下さい。偶然ですが、ワークショップ翌日に抹茶とビタミンCを使って8㎜フィルムを自家現像した人に出会いました。環境に優しい自然素材を使って、このような美しい写真ができるのです。

11時からワークショップを始めて、終了したのが17時。予定通りの時間でした。デジタルで撮れば、即座に見ることができますが、こうした手間暇を掛けて「どんな風に写っているか」をドキドキワクワクしながら待つその経験も得がたいと思います。モノクロ写真には、カラーで味わうことができない良さもあります。彼らは、全工程に参加して、その体験をとても楽しんでくれました。大人になってもきっと忘れることはないでしょう。吉岡映像さんのおかげで、良いイベントができました。感謝しています!!!!!

 

 

 

 

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