おもちゃ映画ミュージアム
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2020.12.03column

大阪芸大映像学科卒の小原浩靖監督(V82)『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』が第26回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞‼

嬉しい便りが届きました。この夏何度か書いたドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』(2020年、Kプロジェクト)が第26回平和・協同ジャーナリスト基金賞 奨励賞を受賞しました。監督の小原浩靖さんは、大阪芸大映像学科卒のV82。

今年8月に当館で開催した「『満州国』て、知っていますか?」の折りには、ずっと予告編を上映していました。ミュージアム近くの京都シネマで8月7~13日まで上映されましたし、皆様のお近くの映画館でも上映されていたので、ご覧になった方も多いでしょう。今年は戦後75年ということで、日頃読んでいる京都新聞は、戦争体験者の貴重な証言を随時掲載しています。過去に学び、再び同じ過ちを犯すことがないよう、私どもはその証言にしっかり耳目を傾けねばなりません。

「『満州国』って、知っていますか?」の開催中は、中国大陸からの大変な引き上げ体験を幾人もの人から聞くことができました。昨日も少年義勇軍として満州にわたったお兄さんを彼の地で亡くした妹さんが来館され、どのように亡くなったのか知りたいと、お母様が必死で状況を知る人を探そうとされていた話を伺いました。残念ながらフィリピンに残された日本人孤児の話は一度も聞かなかったですが、このドキュメンタリーでそうした人々がおられることを知ることができました。

この「平和・協同ジャーナリスト基金賞」は、反核・平和、協同・連帯、人権擁護等を推進するための報道に寄与したジャーナリスト等を顕彰するものです。一昨日、友達がFacebookで竹内良男さん(元教員)がされている「ヒロシマ連続講座」と通信「ヒロシマへ ヒロシマから」発行を評価されて、「平和・協同ジャーナリスト基金」奨励賞を受賞されたことを書いていたので、それはおめでたいと私も書きました。

けれども、リンクを貼った「平和・協同ジャーナリスト基金賞」についての記事に、同じく奨励賞に輝いたドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』についても書いてあったのを、うっかり見逃していました。今、頭をかきながらこのブログを書いています。竹内良男さんのことは、この友人が書いたFacebookで知り、早速連絡をして、送ってもらった資料は8月の展示でも紹介しました。以降もほぼ毎日の様に「ヒロシマ通信」が届きます。今日はその№520(在任2822日 虚偽答弁139回)と№521(チェルノブイリ救援カレンダー)でした。もの凄いエネルギーと行動力です。

映像部門で選ばれた小原監督の作品は、「敗戦後のフィリピンで日本人の父と生き別れたことから差別と貧困の中に生きることになったフィリピン残留日本人2世のことは殆ど知られていません。彼ら彼女らを棄民した日本政府に鋭いアピールを突きつけた作品として評価する」とあります。

受賞の知らせを送ってくださったのは、小原監督ご自身。本当におめでとうございます!!!!! いただいたメールからご紹介すると、「問題解決のための映画が注目される良い機会をいただきました。10月から自主上映会の募集を始めました。大学の授業で上映できる短縮版(82分、無料貸し)が好評で、すでに4校がオンライン授業で上映し、7校から申し込みが来ています。さらに映画を広める努力をしてゆきますので、引き続きご注目よろしくお願いいたします」とあります。

学生さんから山のように届いた感想レポートを読むと、テーマがしっかり伝わっている手応えを感じるそうです。当館でもいずれ小原さんをお招きして、トークと上映のイベントをしたいと伝えています。皆様も自主上映会などをご検討いただければ、国を動かし、この問題解決への力になります。お力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。

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