おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.07.30column

8月企画展「『満州国』って、知っていますか?」に関連する、映画『日本人の忘れもの』が8月7日から、京都シネマで上映‼

「日本人の忘れもの」

8月の企画展「『満州国』って、知っていますか?」を始めた29日の京都新聞文化面に、「国は、民を切り捨てる」の見出しで、太田隆文監督のドキュメンタリー映画『沖縄戦~知られざる悲しみの記憶~』と小原浩靖監督の『日本人の忘れもの~フィリピンと中国の残留邦人~』が紹介されていました。前者は明日7月31日から、後者は8月7日から、いずれも京都シネマで上映されます。

前者の映画『沖縄戦~知られざる悲しみの記憶~』のナレーションを務められた宝田明さんも、満州からの引き揚げ者。私は劇場で観ようと思っているのですが、一足先に試写会でご覧になった武部好伸さんは「宝田明さんの最後の言葉(メッセージ)は涙なくして聞けませんでした。この史実、絶対に風化させたらあきません」とメッセージを書いてくださいました。明日からの上映が待ち遠しいです。

後者の『日本人の忘れもの~フィリピンと中国の残留邦人~』を撮った小原浩靖監督は、大阪芸術大学映像学科卒業で、連れ合いの教え子。こうして頑張っている様子を、とても嬉しく、誇らしく思います。この作品について、連絡を受けた2月初め、8月の企画展のことが頭にあったので、内容から見ても何か連携できないかと考えました。そのうちCOVID-19が感染拡大し、二進も三進もいかない状態が続いていましたが、いよいよ近場で上映が決まり、我がことのように喜んでいます。

少しでも映画館に足を運んで貰えるよう、毎朝上映している大阪芸大映像学科歴代学生映画「THE FIRST PICTURES SHOW1971-2020」上映の前や日常の来館者の皆さんに予告編を上映してお勧めしています。評判になって、こうした問題に関心を寄せて頂けるようになれば良いです。

まだ小原さんの映像を観ていない段階の2月、京都新聞で寺岡カルロスさんの記事を読んで直ぐに、何かの参考になればとスクラップをお送りしたところ、監督は先刻ご承知で、「昨年10月28日に来日し、日本政府への陳情団長として政府への問題解決を訴えられました」と教えて貰いました。このドキュメンタリー映画では、その様子も描いています。

「カルロスさんは、フィリピン残留日本人2世の中で唯一と言って良いほど商才と胆力に恵まれた方で、成功者としての責任のもと、フィリピン日系人連合会を率いて残留2世の国籍回復に尽力されています」と小原さん。

小原浩靖監督チラシ表jpg

また、キャッチコピーを「戦後75年目の残留-生き別れた者が伝える、日本という国の今。」としたのは、「過去の問題ではなく、私達が生きる今の問題なのだ」という思いを込めたからだとも。今もフィリピンには、日本国籍を得られず、フィリピン国籍も認められていない無国籍の残留日系2世が約千人もおられて苦労されているそうです。こういった事実を、先ずは知って貰うことが必要ですね。ぜひお知り合いにもご紹介いただければありがたいです。

小原浩靖監督チラシ裏jpg

今回は、ミュージアム近くの京都シネマでの上映について書きましたが、お住まいの近くで上映の折りには、ぜひご覧下さい。よろしくお願いいたします‼

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