おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2021.10.14column

被爆前の浦上天主堂が記録されていたホームムービー

7月末頃、ワクワクしながら到着を待ち望んでいたフィルムスキャン機が届きました。以来、使い勝手が良いように、足りない部品を手作りしたり、部品に手を加えたりして手元にあるフィルムでデジタル化のテストを繰り返しています。

35㎜、17.5㎜、16㎜、9.5㎜、8㎜とどのフィルムも取り込みができましたが、今のところは600フィートまでで、もう一工夫が必要です。

これは、寄贈を受けた段階で相当劣化していたパテ・ベビー・フィルム(9.5㎜)で、これまで行っていた実際のパテ・ベビー映写機を使ってのテレシネ作業では、フイルムを映写機に掛けることができず、断念していました。幸いにも、このスキャン機で無事に映像を残すことができ、良かったです(^_^)

そして、これもパテ・ベビー・フィルムのデジタル化作業中を撮ったもの。こちらは寄贈を受けた段階でパテの映写機を使ってテレシネをしていましたが、新しいスキャン機が入ったことで、再度デジタル化に取り組みました。より一層クリアになったその映像には、戦前の美しい浦上天主堂(長崎県長崎市本尾町)が映っていました。

おそらく昭和10年頃に撮影されたホームムービー。寄贈者は長崎県雲仙市にお住まいのお医者様。着物姿の女性や、教会学校が開かれていたのでしょうか、子どもたちがたくさん映っていて、穏やかな日常が映っています。浦上教会は、1895年にフレノ神父の設計で建設が開始され、1914年東洋一のロマネスク様式大聖堂として献堂式があげられました。映像には、フレノ神父自ら彫刻された使徒ヨハネ像も映っていますが、1945年8月9日アメリカが投下した原子爆弾で建物は破壊されてしまいました。

長崎市公式観光サイト「あっ!とながさき」によれば、「現在の建物は1959年に鉄筋コンクリートで再建されたもので、1980年にレンガタイルで改装し、当時の姿に似せて復元されました」そうですが、そっくりそのままではないことが、見比べるとわかります。

いずれにしろ、被爆前の浦上天主堂の映像は貴重だと思います。

 

 

 

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