2025.06.16column
思いやりが嬉しくて
6月14日「祇園祭と弓矢町-半世紀ぶり武者行列復活!-」を実施した日は、梅雨らしい天候となり、アジサイの花のような傘が満開でした。足元の悪さを心配しましたが、お申込みいただいた方全員に来館いただくことができました。
当日ご多忙の中にもかかわらずご参加いただきました八坂神社の野村宮司様から弓矢町さんに嬉しい連絡があったことを、昨夜弓矢町事務局の岡田様から伝え聞きました。講演会の内容にもあった八坂神社から弓矢町大将に授与される「宣状」を宮司様は復活させたいと仰ったのだそうです。岡田さんはメールに「弓矢町としても大変ありがたいことだと感激しています」と綴っておられました。今回の講演会成功と内容が、少しでもそのことに貢献できたとしたなら、これこそ望外な喜びです。実施に際しては、本当に多くの皆さまにご尽力いただきました。厚く御礼を申し上げます。できるだけ講演の様子を記録に残そうと思っていますが、音声状態が悪く少々困難ですが、できるだけ努力します。
当日会場でお会いした中野貴広さんから3月28日に発行された『京の風流踊データブック2024』を寄贈いただきました。
2022年に全国に41もある「風流(ふりゅう)踊」のひとつとして「京都の六斎念仏」「やすらい花(ばな)」「久多(くた)の花笠踊」がユネスコ無形文化遺産条約の代表一覧表に記載されました。14日の講演で京都市歴史資料館館長下坂守先生は「祇園祭は大変長い歴史を持ち、しかも残された資料から詳しい歴史が分かる唯一の祭りだと思う」と最初に話されましたが、これらの「風流踊」も、上掲冊子によれば、例えば「今宮やすらい花」が記録で登場するのは、後白河法皇(1127-1192)が撰述したとされる「梁塵秘抄口伝集」巻14に「京ちかきもの男女紫野社へふうりやうのあそびをして哥笛たいこすりがねにて神あそびと名づけてむらがりあつまり」とあるのが初見とされ、久寿元年(1154)3月のこととされていて、その歴史も長いです。
この「今宮やすらい花」「上賀茂やすらい花」「川上やすらい花」「玄武やすらい花」▼久多の花笠踊▼「梅津六斎念仏」「円覚寺六斎念仏」「桂六斎念仏」「上鳥羽六斎念仏」「吉祥院六斎念仏」「久世六斎念仏」「小山郷六斎念仏」「西方寺六斎念仏」「西院六斎念仏」「嵯峨野六斎念仏」「千本六斎念仏」「中堂寺六斎念仏」「壬生六斎念仏」「空也踊躍念仏」を、中野さんのカメラで撮った美しい写真に、京都市文化財保護課の福持昌之さんと中野さんが調査して記録された解説を付けて、それぞれの「風流踊」を丁寧に紹介されたのが、上掲の冊子です。
この冊子を参考に、それぞれの「風流踊」を見て回るのも良いですね。この冊子は当館でご覧になれますが、関心があるかたは市立図書館でもご覧になれます。撮影に2年、取材と編集に半年費やした努力の結晶の冊子です。私個人としては、京都の風流踊も良いのですが、昔、京都府南部の木津川市山城町へ見に行った「精霊踊り」や、奈良県大柳生の太鼓踊りのことを思い出します。よければそのことを綴ったブログをクリックして読んでみてください。
さて、今日は5月16日に知り合ったばかりの友禅作家・黒田庄七郎様、奥様の染色家・氣谷麻由子様から小包が届きました。
きっとfacebookで書いた記事を読んでくださったことからでしょう、切手帳3冊と、美しい品のある正絹でできた懐紙入れと数寄屋袋が入っていました。添えられていたお手紙によれば、「断捨離中で整理していて、古い切手が出て来たので、使ってください」とのお心遣いでした。
facebookで書いた記事というのは、6月7日付け次の文章と写真。
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