おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2021.01.22column

塩澤昻一さん遺愛品を寄贈いただきました

このブログで、幾度も塩澤一さんのお名前を書いてきました。それぐらい私どものことをいつも気に掛けて、応援してくださっていました。暖かくなったらまたお会いできるかもしれないと思っていましたので、昨年9月24日に88歳米寿のお祝い直前でお亡くなりになったと知ったとき、とても驚きました。その淋しさは今も引きずっています。

遺品を整理されている奥様から、12月17日にパテ・ベビー関係の道具たちを寄贈していただきました。その時のことは、こちらで書いています。そして、今月17日にも下掲写真に写っている道具たちが届きました。

それぞれに黄色の小さい札が付いています。生前私どもに寄贈しようと仕分けされていたのではないかと思います。

録音・再生機。手回しのゼンマイ式なので、電源のない所でも使用できるタイプ。テープレコーダーとして初期のもの。

Sankyo・ 8ミリサウンド・シンクロ機。アロー8ミリ映写機か、ベルハウエル8ミリ映写機とサウンド・シンクロするための機械で、詳細は専門家に尋ねてみます。

Standard Radio 社製の小型テープレコーダー。カセットテープレコーダーが出る前のもので電池式。

撮影用ランプ(予備ランプ)。LPL社のBROM CINE LIGHT。簡易の照明器です。

映写機用予備ランプとベルト。

右はパテのスプライサー。アセトン(フィルム・セメント)で、編集の時にフィルムを繋いだり、切ったりする道具。左はフジカラーのスライド3箱(各20枚)。入場行進する各国の先頭が記録されています。ドイツが東西合同で参加していて、東西統一国旗は現在の国旗の中央に五輪が描かれています。

丁度正会員の先生にオリンピックなどのスポーツを研究されている方がおられますので、スライドが役立つのではないかと思っています。

レンズ用のアイリス。横にワイプする形式のもの。

パテ・ベビーのレンズ用アイリス。丸く画面が開いたり(アイリス・イン)、狭くなったり(アイリス・アウト)します。

手前左箱にレンズ用アイリスが収納されています。その右が、有限会社中村パテー商会の4×5のネガケース。その上の木箱には、撮影用のパテ・ベビーフィルムのマガジンが8個入っています。マガジンに連なって「寺尾中学校創立5周年」のタイトルがあるフィルム5feetが入った缶と、空っぽの缶も。

木箱蓋の上に置いたのは、中村パテ-商会の現像依頼袋。「創業大正拾四年 小型映画の店 有限会社中村パテ-商会 東京都千代田区飯田町一ノ七 電話九段(33)1756番」と書いてあります。

どれも皆、貴重な資料ですので、小型映画研究に役立てます。一さんがこれまで大切に保存しておいて下さったおかげです。改めて、塩澤様ご夫妻に、心より御礼を申し上げます。

小型映画繋がりで、昨年再放送されたNHK「ラジオ深夜便」をお聴き下さった方から寄贈を受けた9.5ミリフィルム缶を空けました。どれもこれも大変な錆びで、慎重に金槌で軽く叩きながら開けましたが、残念ながらフィルムは全てダメでした。

ASKフィルム缶

gevaert(ゲバルト)のフィルム缶

パテ社のフィルム缶。以上3種類のフィルム缶がありました。

このような状態になる前に救出できていたら良かったのですが、残念です。もし、これをお読みになって、「うちにもあったなぁ」と思われる方が居られましたら、ぜひ早い目にご相談ください。貴重な映像が次世代に継承できるかもしれませんから。

【1月23日追記】

Twitterで塩澤さんから寄贈を受けた機材について紹介しましたら、8ミリ映写機とテープレコーダーを電気的に結合させて同期させるトーキー装置、サンキョウ・サウンドシンクに興味をお持ちの方がおられました。少しでも参考になればと思いましたので、同封されていた資料の一部を載せますね。

Facebookでも同様に紹介しましたら、「当時はめちゃめちゃ高価だったので、映画好きの医師とか弁護士が自慢気に所有してました」とか「サンキョウのFTSシンクロボックスは初めて見ました。ありがとうございます」というコメントが寄せられました。

塩澤さんが撮られた8ミリ映像もたくさんあるそうなので、この機材を用いて、録音した音声と同期させて楽しんでおられた姿を想像しています。

 

 

 

 

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