おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2021.11.06column

国際日本文化研究センターから届いた新刊『運動としての大衆文化』に渡辺泰先生の研究活動についての論考が載っていました‼

今日私宛に届いたばかりの真新しく分厚い立派な本。差出人は大学共同利用機関法人人間文化研究機構国際日本文化研究センター出版編集係。編者の大塚英志さんのお名前に面識がなく、「はて?」と首をかしげながら、ページを繰ると、佐野明子・同志社大学准教授のお名前と論考「戦後日本におけるアニメーションのファン文化の興隆と意義-渡辺泰のディズニー・クラブ関連資料とファン/研究活動を手がかりに-」に目が留りました。

これから、ゆっくりと拝見しますが、その最後に載っていた文章を紹介しますと、

……筆者が大学院生の時から二十余年にわたって研究資料や助言をくださった故渡辺泰氏に、心から感謝申し上げます。ご著作はもちろんのこと、人々に献身的に研究協力する姿勢や細やかな気遣い、ご逝去の直前まで執筆活動を続けられた飽くなき情熱から、多くのことを学ばせていただきました。また、2018年の「渡辺泰展」およびトークイベントを共同企画した森下豊美氏と北波英幸氏、主催のおもちゃ映画ミュージアムの太田米男氏と太田文代氏に厚く御礼申し上げます。そして、佐野の大衆文化研究の意義を認め、研究発表の場をくださった大塚英志氏に重ねて御礼申し上げます。……

読みながら、2018年9月5日~10月14日まで前期と後期の2回に分けて、先生の貴重なコレクションを展示させていただいたときのことを懐かしく思い出しております。。

その準備風景。途中から北波英幸さん(左端)も加わって。その隣が森下豊美さん、お元気な頃の渡辺先生、そして佐野さん。今では皆さん大学で教鞭をとっておられます。

後期の展示風景の様子。

9月9日には先生にも登壇していただいて、謎が多い木村白山について研究発表と作品上映会をしました。とても内容が濃い、貴重な催しになり大好評だったのですが、結果的に先生にご負担をおかけしてしまったことになり、今も、このことがずっと私の中での心残りです。

展示をご覧頂いた方から「もっと渡辺先生の話が聞きたい」という声があったことから、急遽思い付き、10月6日(9月30日は台風接延のため延期)にトークイベントも実施しました。その都度のことはホームページでも書いていますので、「渡辺泰」と入力して検索してみてください。

私どものアニメーションに関する取組みは、渡辺先生からの幾多の助言なくばあり得ず、その豊富な知識だけでなく、アニメーション関係の人々とも繋いでいただきました。折に触れ、頂いたお手紙は今も大切な宝物です。

お客様に書いて貰った感想文の1ページです。たくさんのページにわたって書かれていて、その文章を嬉しそうに読んでおられた先生を思い出します。「僕なんかの展覧会に誰も来てくれやしませんよ」と控えめに仰っていましたが、とんでもない!遠くからもたくさん見に来て下さいました。そして、それだけで終わらず、今回のように佐野さんや森下さんが先生の活動を学会などで紹介し、活字で残して下さっています。さらに、先生の研究に対する姿勢を目の当たりにされた北波さんに、来年3月27日当館で研究発表をして頂くことになりました。先生が撒かれた種は確実に大きく育っています。

今夜は、この本を持ち帰り、先生のお顔や交わした言葉を思い出しながら、ゆっくり読みましょう。日文研様、貴重な本のご恵贈を誠にありがとうございました!!!!!

館内でお手にとってお読みいただけるようにしますので、お気軽にお声がけ下さい。

 

 

 

 

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