2023.07.10column
四つ葉、五つ葉のクローバーが「ありがとう」の感謝で紡ぐ出会いをもたらしてくれました💗
七夕の日の京都新聞1面コラム「凡語」は、「(略)幸福を招く四つ葉クローバーはどこか▼それになぞらえて、人が幸せを感じるには四つの要素があると説くのは、システム学者の前野隆司だ▼“やってみよう”と挑んだ先の自己実現。“なんとかなる”の前向きさ。“ありのままに”いる自分らしさ。そして“ありがとう”の感謝で紡ぐ人とのつながり▼独自の手法で多くの人の幸福度を測定し、その高みを生み出す四つ葉の正体をあぶり出した。(略)」と続きます。
「そういえば、裏庭に植えたクローバーの中に、先月四つ葉があるのを見つけたっけ」と思い出し、裏庭でしゃがんでクローバーを見ていたら、
ありました!四つ葉のクローバーは真ん中が四角い形になっているので見つけやすいです。当然ながら、普通のクローバーは、真ん中が三角形の模様になっています。
さらに見ていると、何と!五つ葉のクローバーもありました‼ ネットで調べると、クローバーの葉が四つ葉になる確率は、10万分の1とも1万分の1とも言われているそうです。それが五つ葉ともなると、100万分の1の確率になるのだそう。私が見たサイトには、六つ葉や七つ葉のクローバーの写真も載っていてビックリ。記事によれば、ギネス世界記録は、何と56枚だそう。上には上があるものです。五つ葉には、財運、経済的繁栄といった我が家とは縁のない花言葉があるそうですが、だからといって、こっそり五つ葉を持ち続けていると不幸になるとの言い伝えもあるそうなので、摘まずにこのまま置いといて、幸せを写真で皆様におすそ分け。
五つ葉のクローバーを見つけた夜、素敵な京町家(京都市登録有形文化財旧伴家住宅)を会場に無声映画の上映会をしました。
前日の天気予報では雨だったので、お利口なテルテル坊主君に「傘の出番がないよう祈ってて」といつものように祈りました。その効果があって、大雨に遭わずに済んで大助かり。“ありがとう”
早い目に行ってスクリーンやプロジェクター、おもちゃ映画のフィルムを装填した手回し映写機、驚き盤、ソーマトロープ、それに鏡をセット。19時ごろからお客様が次々とお越し下さり、2階の和室へご案内。珈琲、紅茶、緑茶が自由に飲めますので、おやつも少しばかり用意して、畳の上に座ってくつろいだ雰囲気の中、開始の19:30を待ちました。
四つ葉、五つ葉のクローバーのおかげでしょう、滋賀県近江八幡市から参加いただいた千賀伸一様から、伊藤大輔監督・原作『われ幻の魚を見たり』(1950年、大映京都)のポスターと工藤栄一監督、大川橋蔵主演の『仁侠木曽鴉』(1965年、東映京都)の大きな幟を寄贈頂きました。他に「京劇友の会」の版木と日付スタンプも。ありがとうございました‼ 会場が近江八幡出身の伴氏が住んだ家だということで遠路遥々来て下さいました。以前NHK大津放送局の番組取材で当館にお越しいただいて以来続くご縁です。
ポスターは早速額装して飾りました。映画の内容は、もともと一匹の魚もいなかった十和田湖で、ヒメマスの養殖を成功させた和井内貞行をモデルにした一代記です。主演は時代劇スターの大河内傅次郎。
幟『仁侠木曽鴉』は、男の子の無事な成長を祈る鍾馗さんの幟の横に並べました。なかなか良い眺めです。東映の時代劇黄金時代に多くの脚本を手掛けた比佐芳武が原作・脚本を担当し、工藤栄一監督による木曽を舞台にした痛快な股旅物。國定忠治役は大友柳太朗で、挿入歌は三波春夫。
伴家プロジェクトの方にお借りしたスクリーンとプロジェクターで、太田館長の挨拶から開始。最初に当団体理事でもある黒瀬政男さんが作って下さったおもちゃ映画ミュージアムの紹介映像をご覧頂きました。初めてお会いする方も多かったので、どのようなことをしている博物館なのかを判りやすくまとめたものです。参加者の中には立命館大学映像学部の学生さん二人もおられて、ありがたいことに北村先生から「おもちゃ映画」のことも教わったのだそうです。
館長の前にある黒っぽい道具が、家庭用に販売されていた「おもちゃ映写機」で、スクリーンに合うよう当日朝手作りした台の上に乗せています。これから見て頂く「おもちゃ映画」と呼んでいる無声映画の数々は、映画館で上映された後、面白い部分を切って小さな缶に入れてデパートのおもちゃ売り場で販売されていたものです。「おもちゃ」と読んではいますが、時代劇や記録映像など「本物」で、断片とはいえ貴重な映像です。アニメーションに関しては、玩具メーカーが新たにつくって販売していたものもあり、この日ご覧頂いた「おもちゃ映画de玉手箱 そっくりさん篇」は人気キャラクターにあやかって作られたもの。
この日ご覧頂いた作品は、大森くみこさんの活弁と天宮遥さんのピアノ演奏を付けた収録版。海外の宿泊者の参加も想定していたので、様々なちゃんばらが楽しめる「大河内傅次郎剣戟集ー寄らば斬るぞ!」、ハリウッドのサイレントコメディーで大活躍したラリー・シモンの作品で当館で発見された『気弱なドライバー』、大森さんの十八番で何度見ても面白い『ブッシュ家のポンコツ自動車』をお楽しみいただきました。
お客様の中に、「古材文化の会」副会長の中川等先生がおられましたので、突然なお願いで申し訳なかったのですが、簡単にこの伴家住宅について説明をしていただきました。
その後、手回し映写機やフェナキスティコープ(驚き盤)で画が動いて見える体験をしてもらいました。終わった後は茶話会で交流。おかげさまで和やかな良い時間を共有することが出来ました。今後も、この場所を活用して、皆さんに楽しんでいただけることを展開していきたいと思っています。その時は、どうぞいらして下さいね。
四つ葉、五つ葉がもたらしてくれた幸運の良い出会いの場となりました。この催しが、伴家プロジェクトの最初の取り組みでした。もう少しホテルとの連携が深められて、宿泊の人たちにも参加していただけるようになれば良いなぁと、やってみて思いました。「やってみよう」と挑み、「何とかなるさ」と前向きに、「いつものまま」自然に、皆さんと出会えて「ありがとう」の感謝で紡いだ人とのつながりでした。