おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.04.15column

いよいよ明日「無声映画の昼べ」

つい5日前に、熊本在住のフィルム寄贈者とそのご家族の方々とお会いしたばかりですので、今回の大地震にはとっても驚きました。幸い皆さん大丈夫だとわかり、心底安堵しました。来館時一緒に、昭和3~6年ごろに若い頃のお父様が撮影された熊本城の映像を見ましたが、その瓦が落ち、頑丈な石垣が崩れ落ち、自然の驚異に今更ながらおののいています。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げますとともに、ナマズが鎮まり、平穏になることをただ祈るばかりです。

そんな大変な時期に上映するのもちょっと気が引けるのですが、いよいよ明日午後3時から、「無声映画の昼べ」を開催します。今日の京都新聞、毎日新聞にお知らせ記事が掲載されました。マスコミの力は大きくて、早速お読みいただいた方から問い合わせをいただきました。ありがたいことです。

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上映作品に林長二郎(後の長谷川一夫)が出演する「黒手組助六」が含まれることから、京都市内の岩本さんが貴重なコレクションを展示協力してくださいました。

林長二郎は、歌舞伎界から松竹に入り、二枚目の時代劇スターとして阪東妻三郎、大河内傳次郎、嵐寛寿郎、片岡千恵蔵、市川右太衛門とともに「時代劇六大スター」と呼ばれて人気を博しました。1937(昭和12)年に東宝に移籍した時に顔を斬られる事件に遭い、それを機に本名の長谷川一夫に。今回上映するのは、林長二郎時代の作品です。

岩本さんは、彼の1927(昭和2)年の映画デビュー作を含む多くのポスターを所蔵されていますが、今回はその中から幾枚かをパネル展示。他にもデビュー当時の雑誌、プログラム、スチール写真や、メンコ、くじ引き、栞などのグッズ、また、本名に戻してからの東宝、大映黄金時代に至るまでのものも展示してくださいます。

「ミーハー」という言葉は、私の形容詞でもありますが、もともとは林長二郎ファンのために作られた言葉だそうです。若い女性が大好きな「ミツマメ」と「林長二郎」の頭文字をとって、そうした人物を揶揄する言葉としてできたとか。言葉の由来も知らずに、これまで気軽に用いていましたが、明日は熱狂した当時の若い女性たちの気持ちになって、映画を観ようと思います。

岩本さんは、今も骨董市やオークションなどで集めておられますが、今では「義務感のようなもの」だと話してくださいました。古いフィルムを見つけると放っておけない連れ合いと共通するような…。そのおかげで、貴重な資料を間近で見ることができるまたとない機会です。

「かえるの発生」「床屋のココさん」「ランプの魔人」につきましては、以前書きましたので、ここでは省きますが、チャンバラあり、科学映画の活弁上映アリ、戦前の日本で公開されたアメリカのアニメーションありと、バラエティに富んだ内容です。

明日は、一人でも多くの方に足をお運びいただいて、いろんな形の無声映画の楽しみ方があることを知っていただきたいと願っています。終演後には、頼光さんを囲んで茶話会もします。こちらも、どうぞ、お楽しみに‼

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