おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2024.10.29column

アーティスト田中佐弥さんの「トリックスターズ 愚かなるものたち」展、無事終了

10月2~27日まで開催していたアーティスト田中佐弥さんの「トリックスターズ 愚かなるものたち」展は無事終了しました。期間中は国内外のお客様、団体のお客様にご覧頂きありがとうございました。

このところ事務処理などに追われてずっと振り返りを書けずにいましたが、せめて10月9日にAssocated Kyoto Program(AKP)の一行15人の様子をご紹介。

AKPには、全米各地の大学から参加。紙フィルムでコラボしているバックネル大学のエリック・フェーデン先生や日本語がとっても美しいエリザベス・アームストロング先生に最初にお会いしたのも、このツアーでした。その後もお二人には、幾度もお会いし、昨年と今年はCOVID-19の所為で来日が叶わなかった間に、エリック先生が仲間の先生や大学院生たちと作り上げたデジタル化マシーン「きょうりんりん」を持参して、約200本の紙フィルムをデジタル化され、X(旧Twitter)のThe Japanese Paper Film Project で公開されています。この日の学生さんの中に、バックネル大学から参加の女子大生さんがおられました。Brooke Corpuzさん。皆さんと一緒に田中さんの作品のキョンとヒツジの一部も写り込んでいます。

エリザベス・アームストロング先生に日本語を習ったそうで、先生譲りの綺麗な日本語を話しておられました。参加した学生さんたちは、大学も日本語の習熟度もそれぞれなので一概には言えませんが、皆さん随分と私どもの話を聞いて理解して下さっていました。Brooke Corpuzさんは、ここでエリザベス先生とエリック先生のお名前を聞くとは思ってもおられず、ビックリされていました。彼女の右に写っているのが、世界的に知られている映画キャメラマン宮川一夫先生のタペストリー。

最初にミュージアムを紹介する英語字幕付き映像、劣化したフィルムをデジタル化して保存している様子、戦前の日本のアニメーションを編集したものを見て貰ってから、おもちゃ映写機の体験、展示品に触って体験もして貰いました。写真はエリック先生たちが紙フィルムをデジタル化して下さった映像です。スクリーン手前卓上にあるのが、古い蓄音機の上に様態が変化した3羽のヒヨコが回るメリーゴーランド。輪廻転生を表現。

昨日は田中さんの作品の搬出でしたが、入れ替わるようにアメリカから来て下さったDUO YUMENOのお二人。右がチェロ奏者の玉木光さん、中央が筝奏者の木村伶香能さんのご夫妻。奈良県吉野町でのイベントに出演されたの帰りにお越しくださいました。エリック・フェーデン教授らによる紙フィルム上映会の折にお二人が演奏して下さっています。お会いするのは初めてですが、またお会いできる機会もあるように思います。

少し前後しますが、最終日の27日に台湾からお越し下さった林定佑さん。何と身長203㎝!目下、大谷翔平選手がいるロサンゼルスを拠点とするドジャースとニューヨークが拠点のヤンキースのワールドシリーズが注目を集めていますが、そのヤンキースのジャッジ選手は公式で201㎝だそうですから、それよりも2㎝高い‼

田中さんの作品で、最も高さのあるシカ紳士を見下ろす高身長。滅多にお目にかかれない高さなのでワオー、ワオーと私は大騒ぎ。手前のイノシシの女の子も同様の心境のようで。子どもたち3匹も、しかり。

チビの私は林さんと並ぶとこんなに小さい。何を食べたらこんなに大きくなれるのかしら、ね?

展示室の天井が低いので、頭を打たないかと心配しつつも、一生懸命説明している私。林さんは、知り合いたちがやっているYouTubeチャンネル【フェイクドキュメンタリー「Q」】で4か月前に公開されたテイク100をご覧になって聖地巡りにやってきてくださったのだそうです。あの映像でも、連れ合いにそっくりな館長役の役者さんが、この場所で、ソーマトロープを回しながら絵が動いて見える仕組みを話している場面がありましたから、林さんは、「同じだ」と面白がってくださいました。流暢な日本語は、全てマンガで勉強したそうです。マンガも大したものです。

ほとんどの人は腰をかがめるようにして鏡を覗き込みながら、フェナキスティスコープを見るのですが、林さんは膝をついて、絵が動いて見える様子を体験。

うっかりしていましたが、田中さんもフェナキスティスコープを初めて体験。いつもおしゃべりばかりしていて、これまで気が付かないでいたことを本当に申し訳なく思いました。田中さんがつくり出す独特の世界観に惹かれるファンは大勢おられ、そうした人々に、展覧会を通して当館のことを知って頂ける機会となったことをとても嬉しく思い、感謝しています。

そうしたうちのお一人、東野 太様が撮影された写真をいくらか拝借して、「トリックスターズ 愚かなるものたち」の作品をもう一度。

搬出の時、右奥に見えているヒツジの頭部を持たせて貰いました。メリノウールを人間に提供してくれるヒツジの生えているまんまの毛の手触りを知りました。このヒツジさんの右口元が少し笑っているようにも見えて。背が高いキョンのダイヤ柄のワンピースは帯を工夫して用いられています。田中さんは「引き取ってくれ」と依頼された剥製そのものだけでなく、こうした布地なども含め、できるだけ切ったりしないで、ありのままを用いるようにしていると話して下さいました。左のキョンを中心にした「カーニバル」は京都で初公開でした。フワフワした冬毛のタヌキと、スッキリした夏毛のタヌキ、腹子と思われるバンビ、鎖で繋がれたカメ、ワニ、リスなどで構成されています。みんな、元はどこかの家で室内装飾として飾られていた剥製たちです。「愚かなるものたち」は誰に向けてのタイトルなのでしょう。

 

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