おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2025.07.14column

お知恵拝借のお願い

6月3日に北海道からお送りいただいた4本のおもちゃ映画。劣化が酷かったのですが、何とかデジタル化して所蔵者様にデータをお送りすることができました。

昨日連絡があって、フィルムも寄贈いただくということになりました。稲田博様のご遺族の皆様、そして取り次いで下さった松山明憲様に心より御礼を申し上げます。

①右上が『人柱四勇士』(1932年、松竹蒲田の作品で、佐々木恒次郎と佐々木康共同監督、岩田祐吉主演)。

4人の兵隊さんが、仲間の兵たちが渡河できるよう懸命に板を支えている場面。おもちゃ映画に残った断片ですが、ほんの僅かでもどんな作品か見ることができます。

②中央下が時代劇でタイトル不詳。中央の旅姿の若侍が「龍之丞」らしく、右の男が、字幕では「僧籍のものに姿をかりては居れど実は大目付松平美濃守定義」と名乗っています。

その男の前からみた画像。どなたか、タイトルや役者さんのお名前をご存じではありませんか?

③中央上の長筒に入っていたのが『冒険ダン吉 外人征伐の巻』。島田恵三原作、片岡芳太郎作画。

タイトルだけを見ると、今の参院選で声高に叫んでいる困った党の主張を連想し、使われている単語も今では御法度のものがあって💦上映会などで積極的に使うことはまずありませんが、1930年代当時のお茶の間で見られていたことが分かる映像。

④左下に写っているフィルムは、上海事変を伝える新聞社のニュース映画か、同盟通信社のニュース映画の一部と思われます。

銀の部分に色を付けて調色したフィルム。中国へ出兵した海軍陸戦隊が戦う様子を、おそらく演出も交えながら記録しています。

以上の4作品ですが、②で紹介した作品について、何かおわかりでしたらお教えくださいませ。

同じように、6月29日骨董市で入手した、下掲の極小さい布切れですが、facebookで情報を求めたところ、着物に描かれた作品のタイトルが分かりました。

教えてくださったのは、ふじもとなおきさん。添付してくださった上掲の『キネマ旬報』昭和2年9月中旬号に同じ構図の広告が掲載されていました‼ 面白柄着物の端切れに描かれていたのは、主演の嵐長三郎(後の嵐寛寿郎)で、作品名は『鬼薊(おにあざみ)』(1927年、マキノ特作品、全七巻)と判明しました。監督:曽根純三、脚色:椎名良太、撮影:三木稔。助演に荒木忍、三保松子、松尾文人、尾上松緑、嵐冠吉郎、都賀一司、中村東之助、大林梅子と、助演の人たちの名前が着物柄に残って読むことができましたが、残念ながらタイトルが切れていたので、お知恵拝借を呼び掛けました。結果このように、映画の作品名が判明して大助かりでした。
 
今度も、どなたかお知恵拝借したいです。おもちゃ映画として、お茶の間に売られていたのですから、結構人気があった作品ではないかと思うのですが……。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

 

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