おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.02.24column

海外の方からの寄贈品(1)

昨年末から海外の方から寄贈いただいたものがあるのですが、なかなか紹介できないままにしておりました。今振り返りながら、簡単にそれぞれをご紹介。

IMG_20170118_0003 (2)IMG_20170118_0004 (2)

これは、昨年12月28日に、台湾国家電影中心を訪問した時に受け取ったDVD。国立台湾歴史博物館所蔵のフィルムを台南芸術大学音像芸術学院と連携して修復した日本統治下で作られた記録映画が収録されています。修復完成は2008年2月。『南進台湾』(全7巻、1940年)の日本語で書かれた台本の冒頭には梗概として「大日本帝国が南に伸びんとする為めの礎石とも云うべき台湾の存在を深く再認識せよとの立場より計画製作せられたるものであり、従て産業と経済の生活線を詳細に研究記録せるものであります。」と書かれています。台本の他、復元過程の記録、内容についての論考もあり、貴重な資料です。

DSC09388 (2)

大歓迎して下さった台湾国家電影中心の皆さん。貴重なフィルムの修復と保存に尽力されています。館内をくまなく案内していただきました。右から2人目の劉さんに確認したところ、上記のDVDは教育や研究のために作られたそうですので、いずれ講演と上映会をして役立てたいと考えています。

館内の見学の中で、とりわけ興味深かったのは、酸化を防ぐために真空で保存を試みられていること。連れ合いも以前から「酸化を防ぎ、長期保存が可能なレトルト・パックが出回っている世の中なのに、フィルムを長持ちさせるためになぜ真空にしないのか」とずっと言っていたことでしたので、彼らの挑戦を大変興味深く拝見しました。ただ、実際に真空のままなのか、1か月ごとにチェックをしているそうです。

IMG_20170216_0001 (3)

そしてこれは2月16日に台北の許さん(前掲向かって左から3人目の女性)から届いた1945~1970年の台湾映画史の本。2003年に行政院文化建設委員会、財団法人国家電影資料館によって刊行された立派な本です。編著の林贊庭さんは台湾で有名な映像監督さんで、詳しくはこちらをご覧ください。企画編集の薛惠玲さん(前掲写真の左端の女性)は、大学卒業後からずっとこのフィルムセンターで働き、台湾語映画の保存と収集を担当してこられたそうです。今は、アーカイブが所蔵するノンフィルム資料に一番詳しい大ベテラン。私たちが訪問した時、連れ合いに熱心に『何が彼女をそうさせたか』復元について質問をされていたのが印象に残っています。

もう一人の編集者、唐明珠さんは、フィルムセンターの職員ではなく映画製作のスタッフとして、特にお金がない若い監督の作品で活躍。この本では、昔の監督や俳優さんへのインタビューを担当されています。本の編集のほか、昨年は台湾語映画60周年の展覧会などで活躍されました。薛さん、劉さん、許さんほか幾人もの人々が、おもちゃ映画ミュージアムのサポーターになってくださっています。ありがたいことです。この本も、資料本として活用させていただきます。

それにしても、台湾旅行から早や2か月が過ぎようとしています。日々の雑事に終われ、まだ紀行文が書けずにいますが、必ず書きますので、台湾でお世話になった皆さま、もうしばらくお待ちください。

IMG_20170118_0002 (2)IMG_20170118_0001 (2)

これは、今年1月16日に来館された韓国映像資料院にお勤めの金弘潤さんからいただきました。同じく日本統治下の1940年に作られた作品で、監督はチェ・インギュさんとパン・ハンギュンさんの共同。脚本は八木保太郎さん、韓国語の台詞はユ・チジンさん。原作は公募で朝鮮総督府学務局長賞に輝いた小学4年生ウ・スヨン君の作文。木村荘十二監督、依田義賢脚本『末っ子大将』をふと思い浮かべながら観ました。

DVDに添付されていたブックレットを拝見して、この作品がDVD化された経緯がわかりました。2013年11月に中国電影資料館から入手した「韓国映画目録」に「学費」という項目があり、それが『授業料』であると確認した韓国映画資料院は、この作品プリントが中国電影資料院に所蔵されていることを知ります。翌年、韓国映像資料院は、中国電影資料院からそのプリントの複製を輸入しました。このDVDは韓国映像資料院「発掘された過去5」となり、103番目のデジタル映像版として製作されたということです。ブックレットを翻訳されたものを読んで、尽力された一人が、チョン・ジョンファ韓国映像資料院専任研究員だったとわかり、とても驚きました。彼には、2015年夏に開催した第10回「映画の復元と保存に関するワークショップ」で、研究発表していただきました。開館して間もないころにミュージアムに見学しに来てくださった縁から依頼したものです。当時は京都大学人文科学研究所に留学しておられました。まったく世の中は広いようで狭く、どこで、どうつながるかわからないから面白いです。

いずれ、この作品も講演と上映会をして、広く役立てたいと思っています。両方の作品とも1940年の作品。9月に日独伊三国同盟を締結し、10月に大政翼賛会発足、11月には紀元2600年祭式典が挙行された年です。

DSC09650 (2)

2017年1月16日来館いただいた金弘潤さん(向かって右端)と友人3人。あいにく休館日で暖簾を出していなかったのですが、「どうしても、ここを見学したいと思って韓国から来ました」と言っていただいて。とっても嬉しい一言でした。

最新記事

カテゴリー

月別一覧