おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2015.06.01column

思い出のフィルムを見る

新聞で「おもちゃ映画ミュージアム」開館の記事を読んだ方からメールが届き、一昨日実家にあったというフィルムをお持ちいただき、一緒に拝見しました。

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戦前の神戸でマッチ工場を経営されていたおじいさまが所蔵されていた16㍉フィルムで、仕事で訪れたインドや日本の景勝地の様子、テニスやゴルフ、ご家族の様子が写っていました。子ども時代のお父様らしき人物の愛らしい様子も。そのお父様が先年お亡くなりになり、ご実家の整理をされていて見つかったそうです。

これらのフィルムは、トランクに入れられて保管されていましたが、1995 年1月の阪神淡路大震災でトランクごと押しつぶされたらしく、巻いてあるリールごとひしゃげていて、缶も同様の状態でした。被災の証拠品たちでもあります。

紙箱に入っていたものは、上の写真のように見ることができましたが、缶に入っていたものは劣化が激しく、開けた途端酢酸のにおいが広がりました。既にワカメ状になっていましたが、手回しで映像を確認していただきました。空気に触れたら劣化はさらに進みます。今なら修復の可能性がありますが、費用の問題もあり判断が難しいところです。心当たりの人物が写っていないようなので、少なくともご持参者とそのお嬢様の目で内容をご覧になられたことで、記憶に刻まれることと思います。

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