おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.10.21column

4日間続いたアメリカからのお客さま

偶然なのですが、18日から21日迄毎日アメリカから映画に関心を持つ若者が来訪してくださいました。先ずは18日来館のキャシーさんとジョージさん。NPO法人映画保存協会の石原さんの紹介です。

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とにかくジョージさんの好奇心は凄い!それを見ているキャシーさんは、視聴覚アーキビスト。サンフランシスコ無声映画祭の仕事もされているそうなので、将来連携して何かできたら嬉しい。共通の友人の名前が何人も挙がって、益々親しみを覚えました。

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棚から8㎜映写機を次々見つけては、触って、実に楽しそう。彼らは二人とも8㍉撮影に夢中で、私も聞いたことがあるコーヒーを使っての現像のほか、草木を使ったり、海藻を使ってなど様々な方法で現像をしているのだそう。以前当館で8㎜フィルムで撮影し、現像し、乾燥後に上映会をした時の様子を見せると仲間を見つけたような表情で喜んでくださいました。「アメリカに帰ったら、作る過程を撮影した映像があるので、それを送る」と言ってくださいましたので、それを参考にして、来年気候が良い時に、ぜひ現像ワークショップをやりたいです。

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8㎜に続いて、9.5㎜(パテ・ベビー)のカメラに。見るもの全てが楽しくてたまらない様子。

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パテベビー繋がりで、買ったばかりでまだ見ていないフィルムをパテ・ベビーの映写機で一緒に見ました。イギリスのエリザベス女王の戴冠式の記録映像。一昨日来館された絵本コレクターの男性は英国暮らしの経験があるそうで、同じ映像をお持ちでした。イギリスでは大量に販売されたらしく、それだからか、とてもきれいな状態のフィルムでした。

DSC02895記念写真を撮ろうということになり、ジョージさんが取り出したのが、この可愛らしいカメラ。彼が撮った写真が、どのようか出来上がりか楽しみです。

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そして、いつもの私のカメラで撮った写真。背の高い男性は、当団体正会員でもある新潟大学の羽鳥隆英先生。丁度京都に来ておられたので、通訳をして会話を助けて貰いました。来年は大政奉還150年。彼を講師に、当館の映像を用いた幕末映画祭をしたいと話しています。

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 19日にお越しいただいたアメリカのイエール大学大学院のジェイソンさん(右)とプログラム・ディレクターのリチャードさん。昨年6月1日にご夫妻で来館いただいた同大学のアーロン・ジェロ―先生の教え子だそうです。手にしておられる本は、ジェロ―先生とミシガン大学のマーク・ノーネス教授との共著『日本映画研究へのガイドブック』(2016年6月、ゆまに書房)。この本でミュージアムも紹介していただきました。

彼らは、先生の話だけでなく、この本を読んで、ミュージアム見学を目的にタクシーに乗って来て下さいました。ジェイソンさんは日本語がバッチリなので、リチャードさんへの通訳もして下さって大助かり。

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連れ合いがいたなら、もっと色々ご覧いただけただろうと思うと、それが申し別けなくて。とても感じが良い若者二人でした! また、いつかお会いできたら嬉しいですね。

写真を撮ってくださったのは、京都造形芸術大学情報デザインコースの中村古都子先生。1985年に描かれたアニメーション界のレジェンドたちの驚き盤を見に来て下さいました。

IMG_20170927_0033 - コピー.jpgジョルジュ様中村先生は、驚き盤の中にあった現代を代表するスイスのアニメーション作家の一人、ジョルジュ・シュピッツゲベルさんの作品を見て「昨年の広島国際アニメーションフェスティバルの時、ジョルジュさんは、おもちゃ映画ミュージアムのチラシを手に、『フェスティバルが終わったら、このミュージアムに行く』と言ってらっしゃいましたよ」と教えてくださいました。慌てて芳名帳を見ましたが、残念ながら見つかりませんでした。この映画祭の時は、「映画の復元と保存に関するワークショップ」と重なっていたので、私どもは不在。訪ねてきてくださったのでしたら申し訳ないことでした。

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そして20日は、CHICAGO FILM SOCIETYで活躍する二人(座っている女性ベッカさんと手前の男性ジュリアンさん)、そしてベッカさんの妹のアリソンさん(彼女は日本に留学経験があり、通訳役に)と彼女の恋人のサムさんの4人が来館。アメリカでネット検索をして、当館を見学にやってきてくださいました。写真はパテ・ベビー映写機で9.5㎜フィルムの映像をご覧になっている様子。パテは、アメリカでは日本よりほんの少し遅れて「パテックス」の商品名で販売されましたが、余り見かけることはないそうです。

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彼女たちから、日本でのホームムービーデー(HMD)について質問されましたが、あいにく何か所で開催されているか即答できず、勉強不足露呈。今日21日は、その HMD。もう一日早く気付いていたなら、と後悔。上掲冊子に、10月7日11時~15時にシカゴ歴史博物館で今年のHMDが開催と紹介されていました。16㎜、8㎜、スーパー8のフィルムを持っていけば、皆でそれを上映して見る無料イベント。彼女たちはこのイベントに熱心です。

DSC02944日本のサイレントアニメーションのおもちゃ映画を上映すると、短いながらも1作品終える毎に拍手して下さいました。第2次世界大戦中は、アメリカでも愛国心を鼓舞する子ども向けアニメーションが作られていたそうです。「お互いに映像を交換するなど連携して、こうしたアニメーションが再び作られることがないよう、平和な世の中でいられるように、何かしましょう」と約束しました。

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そして4日目の今日21日は、花街についての研究発表会をしている途中に、ニューヨークから素敵な女性が来館。アメリカでGoogle検索をしてミュージアムを目的に来て下さったそうです。ホールが使用中だったため、映像などを自由にご覧いただけなかったのが残念でした。日本語が全く通じなかったため、グダグダの英語もどきで説明しました。写真はおもちゃ映写機を操作して、装填した手描きアニメーションをご覧いただいている様子。最後にわかったのですが、彼女は有名ファッションブランド「カルバン・クライン」のデザイナーさんでした。そうと知ったとたん、思わず握手を求めました。

こうして今日までの4日間連続して、アメリカから、ミュージアムを目的に来館していただきましたことを、本当に嬉しく思います。以前サイレント映画ピアニストの柳下美恵さんから「京都から世界に向けて発信すれば良い」と励まして貰ったことがありましたが、少しずつ海外の人にも注目して貰えるようになって来ていることがわかり、ネット社会の凄さに驚くとともに、人と人の繋がりの大切さを改めて感じています。

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