おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2017.10.25column

京都国際映画祭2017、私の見聞録~10月14日編(その2)

10月14日(土)午後、私共が元・立誠小学校へ移動した後も、大江能楽堂ではサイレント・クラシック部門が展開されていました。

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このチラシは、映画祭最終日朝に入手したもの。もう少し早く手に入れられていたなら良かったのに…と思っても、せんない話。とにかく、とっても充実したプログラムばかりでしたから、たくさんの人に古くて新しい無声映画の楽しさを知っていただく良い機会でもあり、それゆえに広報が遅かったことを惜しく思っています。

さて、14日午後のプログラムは以下の通り。

☆伝説のコメディエンヌ~喜劇の女王メ―ベル・ノーマンドPart1(14日15時~16時15分、大江能楽堂)

上映作品:『恋は泥沼』(1913、アメリカ)、『強敵』(1913、アメリカ)、『デブと海什嘯(ファッティとメ―ベルの漂流)』(1916、アメリカ)。

出演:活弁・澤登翠、演奏・柳下美恵、解説・いいをじゅんこ。

この時の映画祭レポートは、こちらをご覧ください。初めてクラシック喜劇研究家いいをさんに解説をお願いしましたが、これが大正解でした。なぜなら、この次のプログラムで上映した作品の中の一つ『キゲキ・キャメラマン』が、これまで失われているとされていたチャーリー・チェイスの『Why Men Work』(1924、監督:レオ・マッケリー、主演:チャーリー・チェイス)の一部だと気付かれたからです。この発見は世界発信され、大きな反響を呼ぶことに。このことについては、新着情報で書いていますので、ぜひお読みください。

☆芸人・活弁グランプリ(14日18時~19時半、大江能楽堂)

指導と審査:片岡一郎、山内奈々子、よしもと芸人

第1回目の時、COWCOWとサバンナの2組に、ほぼ即興で短い無声映画に活弁を付けてもらったところ、その面白さを芸人さん自ら語ってくださいました。以降恒例になった人気企画です。回を重ねるごとに芸人さんたちは工夫を重ねて、とても上手になっておられます。このプログラムのレポートはこちらをご覧ください。とても詳しく載っていて、楽しさが伝わってきます。

さて、元・立誠小学校から戻ったおもちゃ映画ミュージアムには、日本アニメ―ション界のレジェンドたち10人で結成する「G9+1プロジェクト」のメンバーのうち8人が東京から来館。前もって告知していたこともあり、レジェンドたちを慕う人たちも集って、楽しい宴の真っ最中でした。

アニメ誕生2017 - コピー

アニメ部門2017 - コピー

国産アニメ誕生100年を記念して、今年アニメ部門が新設され、「G9+1プロジェクト」の作品も上映されることになりました。翌15日10時、よしもと祇園花月での上映に備え、8人の皆さんが、早い目に京都入りしてくださいました。

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 前列左から、きらけいぞう先生、ひこねのりお先生、一色あづる先生、鈴木伸一先生、福島治先生

後列左から、大井文雄先生、和田敏克先生、古川タク先生、西岡りきさん、館長。錚々たる顔ぶれですが、中でも鈴木先生はトキワ荘の住人だった経験あり!現在杉並アニメーションミュージアム館長です。

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福島先生は立体カメラを、一色先生はゾーイトロープを体験。

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左から、西岡さん、古川先生、奥に鈴木先生、一色先生、奥の後ろ姿は和田先生、右端に福島先生。

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1903年にニコラス・パワー社が作った映写機の心臓部を手回しハンドルで体験しておられる鈴木先生。錚々たる先生方に体験していただけて光栄です。

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「第1回国際アニメーションフェスティバルin広島大会」(第8回から「広島国際アニメーションフェスティバルに改称)からずっと参加しておられる小谷佳津志さんから1994年と1996年の時の様子を記録した映像をお借りしましたので、それをご覧いただきました。当然のことながら皆さんお若くて、懐かしそうに映像に見入っておられました。

DSC03061 (2)他にも、第1回目の時のカタログやプログラム、新聞スクラップ帳などもお借りして展示しているのをご覧いただきました(写真は一部)。

既に何度も紹介している77枚の「驚き盤」について、この日レジェンドたちに会いに来てくださった小谷さんによれば、第1回フェスティバルの時に、一般の方対象にワークショップの講師をしておられた秋山好正さん(当団体サポーター)が、ワークショップ会場を訪れた作家の方に描いていただいたり、会場内などで描いてもらったもので、当時は秋山さんの手元に集められていたそうです。写真中央下部分に、驚き盤制作のために紙の裏に墨を塗っている若き日の秋山さんが写っています。今も毎回広島大会会場のロビーなどで個人的に驚き盤の制作を進められていて、6月25日に当館で開催した古川タク先生作品上映会後の交流会でも同様の光景が見られました。驚き盤展示に際して、何度も連絡を取ろうとしましたが、おそらく海外に行っておられるらしく、残念ながらまだ取れていません。

古川タク先生に解説を書いてもらい、展示している著名なアニメーション作家30人の作品に音楽をつけて動画にしたものを大きなスクリーンでご覧いただくと、古川先生は、それぞれの作家さんについて改めて解説してくださったそうで、小谷さん曰く「豪華絢爛上映で、たまたま居合わせた人ラッキー!」という状況だったそうです。

もちろん、この日まで展示していた「G9+1のナントカ天国原画展」もご覧いただきました。先生方には、どのように映ったか気がかりではありますが…。そして、10作品を快くお貸しくださった岡山県真庭市の勝山文化往来館ひしおの方々に心より御礼申し上げます。

ミュージアムに集ってくださったレジェンド8人は、この後いそいそと祇園へ繰り出し、京都の夜を満喫されたようです。

 

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