おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2018.01.11column

海外フィルム・アーカイブとの連携

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今日も寒い一日でした、そんな中、韓国からお越しくださった李和眞(lee Hwa-jinさん、右)とCha,Seung-kiさんのご夫妻。李さんは、占領下の韓国の映像に関心をお持ちでした。お話をしていると、丁度1年前の1月16日に韓国フィルム・アーカイブで仕事されている金弘潤さんがお友達と来館されたときに、お土産にいただいた『授業料』(1940)のDVDに入っていた冊子に原稿を書いておられた女性だとわかりました。

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彼女の文章の最初の部分です。この作品DVDにつきましては、こちらで書いています。このフィルム復元に尽力されたチョン・ジョンファ韓国フィルム・アーカイブ専任研究員共々京都大学人文科学研究所への留学経験がありますので、日本語を全て理解していただけて助かっただけでなく、拙い話をとても熱心に聞いてくださいました。韓国で資料調査をしている中で、当館のことを知り「どうしても訪ねてみたかった」と話して下さいました。ご主人は、朝鮮大学校助教授で、韓国文学を研究されている方。やさしくて、すばらしく日本語がお上手でした。

今も、この『授業料』を活用して、広くご覧いただける場を設けたいと思っていますので、昨年7月8日に再来館いただいたチョン・ジョンファさんにも依頼したことですが、なんとか研究発表会という形で上映を実現させたいです。

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こちらは11月10日に来館いただいた韓国の延世大学校教授の辛珠柏さん。所蔵するニュース映像『京城だより』が資料的にお役にたてたようです。辛先生も流暢な日本語を話されたので、会話がスムーズに運び大助かりでした。

そして、2日前の9日にオーストラリアのフィルム・アーカイブで活躍されているロブ・デイヴィスさんから突然メールが届きました。「35㎜の『Rascality Beast Hunting』を2Kでスキャンしました。作者はKaimura Hakusanで30秒のアニメ―ション(スプライスなし)。それを所有者の許可を得て送ろうと思いますが、関心はございますか?」という内容のように読めました。おそらく日本の初期アニメ―ション作家、木村白山のことと思われましたが、作品名が良くわからないので、昨年国産アニメ誕生100年ということで大変お世話になった新美ぬゑさんに、木村白山に該当する作品名があるか尋ねました。彼の推察では『凸坊の猛獣狩』(1929年)ではないかとの返事でした。

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当館には木村白山の作品が10本あり、上掲はその中の1本『凸坊の猛獣狩』の一部分。40秒あり、復元に際しての編集過程での長さの違いかもしれず、ひょっとしたら30秒とはいえ、当館にはない部分が含まれている別編集のものかもしれず興味津々です。早速送ってくださるよう依頼しました。明日には、果たして『凸坊の猛獣狩』と同じものか、さてまた別のアニメーションか、判明します。

当館のホームページをご覧になってお声がけいただいたようです。ありがたいことです。大量データ受信に際し、一人留守番でメカ音痴の私では不安に思い、昨年8月5日に著作権について講演していただいた松山ひとみさんに助っ人してもらいました。感謝しています。

1月28日の「新野敏也のレーザーポインター映画教室Part3」で上映するチャーリー・チェイスの『Why Men Work』(邦題『キゲキ・カメラマン』、1924年。53秒)は、これまでロスト・フィルムとされていましたが、日本でおもちゃ映画として見つかりました。今度は、木村白山による初期国産アニメーションがオーストラリアに渡っていて、おもちゃ映画として見つかった可能性があります。この巡りあわせも、なかなかに面白いです。

以上は民間でのささやかな出来事ではありますが、こうしたことが広がって各国のフィルム・アーカイブと相互連携が進めば、もっといろんな映像が発掘されて、それぞれにとって豊かなものとして後世に伝えられますね。

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