おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.11.27column

「大阪・関西万博2015」決定!直前でのテレビ報道2つ

休館日の今日、久しぶりに家でテレビを見ながら書き物をしています。今見ているのはMBS毎日放送の「ちちんぷいぷい」。日本時間24日未明に2025年万博開催地に決定した大阪府の松井知事が生出演。決定の瞬間パリにおられた知事さんは、当日の取材に「破れたら、来週の『ちちんぷいぷい』でいじめられる」と言って、この日の番組出演のことを語っておられました。そして、大阪に決定した第一声が「やりました。これで『ちちんぷいぷい』にいじめられんで済む」でした(笑)。何でいじめられると思うのかと言うと、「府民の税金を無駄遣いだと言われやしないか」とお考えだったようで。

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これは、11月12日に「ちちんぷいぷい」で放送された時のもの。11月9日付け産経新聞夕刊一面トップで、11日に開催した映像作家「 髙橋克雄の世界」作品上映会のことをカラー写真4枚を使って記事にしていただき、その大きな扱いに吃驚仰天しました。1970年大阪万博の時に日本政府館で上映されていた『ミセス21世紀』に焦点を当てた記事だったことから、その記事を読まれた松井知事の声掛けもあって、たくさんのお客さまにお越しいただきました。

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録画を大きなスクリーンに映して観ました。連れ合いが手作りした白と青色の看板を11月5日に上げたばかりでしたが、こうしてアップで写していただき大感激。

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これは、11日午前中の様子。髙橋克雄さんのご長女・佳里子さんと愛弟子・千光士義和さんが髙橋さんについて思い出話などをお客さまに披露。ご両親を深く尊敬しておられるので、話し出したら止まらない勢い。午後からの本番と重なってもいけないし、とちょっぴりハラハラ。

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この時は、決定まで11日ということで、「どうなる?」と疑問符がついていますが、大阪に決定したことから「ちちんぷいぷい」では事前に視聴者から松井知事への質問を募集していて、知事さんはそれらに丁寧に返答されていました。

・LINEのアンケートでは、大阪に決まって嬉しいと答えた人が7割、嬉しくないが3割でした。一番多かったのはお金と災害対策。お金の面では、1兆9千億円の経済効果があると試算。会場建設費1250億円で、これは国、大阪府・市、経済界で3等分することになり、既に吉村大阪市長は夢洲の整備費に140億円規模の補正予算を計上。国は開発途上国に対し、参加して貰うための支援に246億円支払うことを約束しています。「1兆9千億円の数字はシンクタンク何社にも依頼した数字で、厳しい目に計上している。建設費は1250億円までに納められると思っている」と松井知事。

・万博の為に税金が上がるのではないか?という問いに「万博の為に府・市民税が上がることはないが、高齢化などによって医療費・社会保障費は毎年伸びているので、このまま何もしないと税の負担をお願いすることはある。でも成長して、その果実として税収が上がれば医療、福祉、教育などに新たな財源を投入することはできる。開発途上国以外はそれぞれが自前でパビリオンに投資して、技術やサービスを世界に売り出すので、税金で負担する話ではない」と知事。

・「70年大阪万博の時は20代後半から30代だった堺屋太一さんや小松左京さんら若い人が取り仕切った。だから2025年の時も若いクリエーター、若い才能の人にどんどん入って来て貰って仕切って貰いたい」と知事。今の若い人はなかなか責任を問われることはしないから手を上げる人は少ないかもしれませんが、「面白い、やってみよう」という人にとっては大きなチャンスですね。

・「70年大阪万博時は高揚感があり、『新しいものを見て楽しむ』展示だったが、2025年は展示型ではなく、体験して貰うものにする」と知事。「どうやって見せてくれるのか?」との問いに、「例えば全自動運転、人を運べるドローン、小さな装置をつければ世界中の人とおしゃべりできるなど。VR(バーチャル・リアリティー)で、手をかざせば触れた感覚が体験できたり、世界80億の人がどこにいても会場にいるような雰囲気を味わえるようなものにする。来場者数の目標は2800万人。今大阪に来る海外の人は1110万人。2020年は1300万人を目標にしている。VRの為にお客さんが減ることは予想していない」と知事。私にとっては、通訳なしで世界中の人とおしゃべりできる装置は今すぐにでも欲しい技術。「2075年の世の中がどうなっているかを見せるのが2025年万博だ」とヤマヒロさん。いったいどのようなものか、見てみたい気はします。

・災害対策については、台風21号での関空の大きな被害が皆さんの記憶にあることから、同様に人工島である夢洲の強風や高潮への対策や南海トラフ地震での津波や液状化を懸念する声が多く寄せられました。また、70年万博の時、終電までに会場から出られなかったこともあったので、今回は大丈夫かという声も。それに対し知事は「津波や高潮の予想される高さは5mだが、夢洲の地盤高は11mあるので、堪えられる設計になっている。それから粘土層でやっているので液状化にも非常に強い土質である。AIを用いて、並ばなくても良いシステム設計にする。各企業が投資して、ここを実験場として、世界中に求められるものを作っていく」。ちなみに万博に対する寄付はオリンピック同様に税金控除になっているそうです。

・万博は半年間のイベント。跡地利用としてIR(カジノを含む統合型リゾート)開業を、万博と合わせて行うことを目指している。なし崩しで色々決まっていくのではないかと不安に思う人の声も寄せられました。宇治原さんの「世論の声でカジノがダメになった場合、他の計画はあるのか?」との問いに、知事は「いろいろあるけれど今ここでお披露目はできない。IRのリスク依存症に対しては、依存症の人も加わった対策本部で具体的プランを考えている」と返答。聞いていて、最初からカジノありきで進められているような嫌な感じがしました。私自身、カジノは反対です。

正式名称は「大阪・関西万博2025」ですが、京都では、余所ごとのような…。決まった以上はオール関西で力を結集して成功するよう進めて行って欲しいです。白血病と戦う友人は「東京オリンピックまでは何とか」と言っていましたが、2025年万博も一緒に見られますように。

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今年、髙橋克雄さんの「ミセス21世紀」が見つかり、当館で展示と上映ができたことと2025年万博開催地決定が重なるタイミングの良さもあって、人気番組「ちちんぷいぷい」で取材・放送していただけて、本当に幸運でした。おかげで、こんなに可愛らしいグッズも貰いました!!!

 DSC08188そして、こちらも11月11日に取材してくださった関西テレビさんの22日夕方放送「報道ランナー」から。記者さんには、3回もお越しいただき熱心に取材していただきました。「人形をコマ撮りする技法でアニメーションを作って世界的に評価された」と髙橋克雄さんを紹介するところから始まります。

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ともかく満員になり、取材していただくにも形になることができて、本当に安堵しました。皆さま熱心に髙橋佳里子さんがお父様の仕事について話されるのをお聞きくださる様子にも感激しました。盛会裏に終えられたことを遅ればせながら、心より御礼申し上げます。

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これが、何度も書いている『ミセス21世紀』。55年も経っているのに色が本当に綺麗です。

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映像は、この日本館で上映されていました。「ミセス21世紀」では、髙橋さんの頭の中にあった「こうなったらいいな、便利だなぁ」という夢が表現されています。ドローンのようなものが出て来たり、お掃除ロボット、テレビ電話のようなものも出て来て、それらは今現実に使われていることに驚きます。

連れ合いに聞きましたら、日本館は8面のマルチ画面で、巨大なスクリーン。映写機もとてつもなく大きなものだったそうで、閉会後、「大阪芸大に引き取ってくれませんか?」とお声がけがあったそうですが、「大きすぎて持ち帰れないから」と断ったそうです。今度の「ミセス21世紀」はそのままの映像ではなく、コピーであろう」と申します。髙橋さんが記念に保存されていたのでしょう。2025年万博開催地が決定する年に映像が見つかったことは本当にタイムリーでした。

番組インタビューに答えた参加者のお一人は「1970年代は未来に対する夢見たいなものがあった時代だったと思うのですが、それが短いアニメションで端的に表現されていて、非常に動きもユニークで面白かったです」とおっしゃっていました。それから55年後の今は、未来に対する希望を持ちにくい状況ではないでしょうか。先行きへの不安を大きく感じる人々が、先のLINEの問いかけに「嬉しくない」と答えたのでしょう。夢が描けない社会は悲しい。人口減少が進み、税収が減り、社会的インフラの劣化は益々進み、高齢化による医療や福祉への支出は増加の一途…。つい、後ろ向きになってしまいます。後々の人が「大阪・関西万博2025をやって良かった」と思えるような内容になることを願うばかりです。

「報道ランナー」では、大阪大学の人型アンドロイド「ibuki」の開発者、石黒浩教授にインタビューしていました。「人間と機械が共生するような関係になるのが未来の社会なのかなぁ」と先生。「ロボットでも家電でもありとあらゆるものが自律化する。そこには意図や欲求がある。将来は人と機械が対等になる。例えば炊飯器は人の健康管理をしたいという欲求を持つ。すると食べ過ぎたらご飯を食べさせてくれないような炊飯器になる」と先生。さらに続けて「作りたい未来像をはっきりみえてくるような単なる技術の展示会というよりも、本当に未来を議論しましょうという、そういう万博になって貰えると良い」とも。

意図や欲求を持つロボットとの共生社会、ってどんなふうかしら?開催まで7年。どこまで近未来を見せられるのか、大阪・関西、日本の力が試されます。

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恒例の集合写真です。新聞を始めテレビ番組でも会場として紹介していただけたので、細々運営の私共としては、ミュージアムの存在を報道を通じて知っていただける機会に恵まれたことを大変嬉しく思っています。ご来場いただいた皆さま、そして、報道にご尽力くださった皆さまに、心より御礼を申し上げます。ありがとうございました!!!!!

 

 

 

 

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