おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.07.18column

第12回「祇園天幕映画祭」無事開催‼

今は雨。ここしばらく梅雨空が続き、昨日の祇園祭山鉾巡行も雨が降りはしないかと心配していましたが、巡行の時には傘の出番がなくて幸いでした。宵々山の15日も朝からどんより曇っていましたが、幸いにも第12回「祇園天幕映画祭」の時にも傘の出番がなくて何よりでした。「晴れの特異日」という言葉がありますが、主になって活躍しておられる岡本建志さんの強運もあって、これまで一度も雨に降られていないそうです。同じくこの催しを後押しして下さっている祇園の老舗「鍵善」の今西善也さんは「岡本さんの運を使い切っている」と笑いながらお話くださいましたが、岡本さんさまさまで今年も野外上映が無事開催できたことを嬉しく思っています。私も、お利口なテルテル坊主さんにいつものように好天を祈ったご利益もあると思いますので、付け加えさせてもらいますね。ありがとう、テルちゃん。DSC00412 (2)18時から、歩行者天国が始まり、大勢の人が四条通をそぞろ歩いて行き交います。この写真左手が八坂神社方面で、右が四条河原町へ。八坂神社のお膝元である祇園には、17日前祭で巡行した豪華絢爛な山や鉾は一基もありません。けれども、この祇園、弥栄地域に住んでおられる人々は、古い時代から熱心に神社にご奉仕されていたご縁を持っておられ、祇園祭で祭事を取り仕切るのは、この地域の人々からなる「宮本組」です。余談ですが、9月にNHKで、宮本組を特集した特別番組があるということですので、その折はぜひご覧ください。私も楽しみにしています。

日が暮れ始めた19時半、スクリーン1では、京都国際映画祭による「私のきょうと記録」、20時20分からヨーロッパ企画の『タクシードライバー祇園太郎THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐ』を無料上映。そして、この写真スクリーン2では、19時半から京都国際子ども映画祭による『12歳の女の子についての入門書』を子どもスタッフたちによる日本語吹き替えで上映しました。開始前に、八坂神社でご神体を神輿3基に遷す神事があると教えて貰ったので、私はしばし抜けてフィールドワークに。

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スクリーン2の東側に祇園篠笛倶楽部の演奏披露。篠笛は、やってみたいことの一つでしたが、今の私には「遅かりし」ということで、羨まし気に足を止めて耳を傾けました。今も、山鉾巡行に女性が上ることはできないでしょうから、こうした形で参加されているのですね。

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宵宵宮の八坂神社。いつもにも増して大勢の人出。

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押すな押すなの屋台の人混みに、フランクフルトを売っておられる林海象監督の姿も。

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20時から、宵宮祭。大勢の観光客が静かに見守る中、境内の灯りが全て消され、真っ暗になった舞殿に奉安された3基の神輿に、ご神霊を遷す神事が厳かに行われました。撮影は一切禁止で、携帯電話の電源もoffで。久しぶりに「オー、オー、オー」という警蹕(けいひつ)の声を聞いて、かつて夢中になって各地を調査していた頃を思い出し、感慨にふけりました。暗闇の中で、かすかに感じる人の動きに耳をそばだてました。

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神霊を神輿に遷し終わった後、灯りが点り、関係者が玉串を順に奉納します。黒羽織袴姿の 手前側の人々は宮本組の人々。

DSC00436 (2)実際には、このような暗さの中での玉串奉納。宮本組の方々です。今西さんが「24日夜の還幸祭の時、真っ暗な中でご神霊を本社に遷される神事も厳かで良いものです」と教えてくださいましたが、同じような光景が見られるのでしょうか。頑張って、それも見られたらと思っています。

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神事が終わったので、急ぎスクリーン2に戻ったら、20時05分からの当館プログラム「京都ニュース」は既に終わっていました。後で心優しい大森くみこさんから写真を送ってもらいましたので、それを貼ります。最近連れ合いは、口を開けば「京都ニュース」なので、私は・・・ですが、いろんな研究者の方から「意義ある取り組みだ」と言われ、ありがたいことに手伝いを申し出てくださっている学生さんがおられます。今回も祇園天幕映画祭学生ボランティアの人たちが、デジタル化を終えた作品の中からいくつかを選んで解説をつけて上映して下さいました。上映した中には、映画祭のクラウドファンディングによって復元した作品も含まれていました。お力添えをいただいた皆さまに、この場をお借りして熱く御礼を申し上げます。

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20時50分から、大森くみこさんの活弁上映に。浴衣姿にベレー帽の可愛いいでたち。この一年の間に、時代劇の活弁もレパートリーに加わり、ますます巧みな話術で観客を惹き付けます。

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通りがかりの国内外の人々が足を止めて、楽しんでご覧になっている様子。当館所蔵おもちゃ映画のアニメーションを集めた作品集『おもちゃ映画de玉手箱』、パテ・ベビー映画として販売されていた時代劇『血煙高田の馬場』、そして喜劇映画研究会のご協力で「特選ギャグ集~世界三大喜劇王編~」。高田の馬場のお話は、忠臣蔵外伝として、かつては誰でも知っていましたし、大河内伝次郎は走る走る。カメラも動く動く。〝イドーダイスキ”の伊藤大輔監督の映画は流動感あふれる映像で、一世風靡しました。今ではそのことすらも知らない人が多くなりました。活弁の台本を作るにも大変ですね。先に述べたように大森さんは時代劇も上手くこなし、聴きごたえがありました。男性が女性の声色をするよりも、ひょっとしたら女性が男性の声色をする方が聞きやすいのかもしれない、と思いました。

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そして、チャップリン、ロイド、キートンの世界三大喜劇王の作品集は、通り行く海外の人にもわかりやすいので、ゲラゲラ笑いながらご覧になっていました。活弁をつけて音楽と一緒に無声映画を見ていた日本独特の文化を知ってもらえる良い機会になったと思います。

DSC00467 (2)最前列でご覧いただいていた米国ハミルトン大学の大森恭子准教授が、祇園天幕映画祭学生ボランティアさんのインタビューに答えておられます。左端で奥さまを撮影しておられるのは、スチィーヴン ヤオ・ハミルトン大学教授。恭子先生は、弁士デジタル・アーカイブを構築中。コンピュータープログラムで、映画上映中の映画館の内部空間を再現しようと取り組んでおられます。当館正会員にもなってくださいましたので、いつか研究発表してもらえる日がくると良いなぁと願っています。

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チャーミングな大森さん二人と一緒に記念写真を。

2019年7月15日祇園天幕映画祭

連れ合いも、大森くみこさんと一緒に。良い思い出になります。DSC00477 (2)

大森恭子先生ご夫妻と別れた後、岡本さんから貰ったビール券で綺麗どころの傍へ。

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ほろ酔い加減になり、調子に乗って次々写真を撮ってもらいました。DSC00480 (2)

こんな機会は滅多にないので、懲りずに掲載、すみません。

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葛きりで有名な祇園「鍵善」の今西善也さま。24日の還幸祭神輿渡御について、親切に教えていただき感謝でいっぱいです。今度は、24日の好天をテルテル坊主さんに祈ります。

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22時に閉めるということで、皆さんで乾杯‼ 浴衣姿の舞妓さんが地毛で結っておられるのがわかりますね。芸妓になるとカツラOKになります。傘の出番がないまま、無事に「祇園天幕映画祭」が終了して何よりでした。主催者の皆さま、学生スタッフの皆さま、出演者の皆さま、足を止めて見て下さった皆さま、本当にありがとうございました。また、来年もこの素敵な映画祭ができますように!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

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