おもちゃ映画ミュージアム
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2019.07.21column

神戸人形と錦影絵

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6月29日京都アンティークフェアで、初めて「神戸人形」を見たことを30日付けで書いたばかりなのですが、それから1か月も経たない昨日20日11時から、ABCテレビ「LIFE~夢のカタチ~」という番組で、神戸人形の魅力について紹介する番組が放送されました。

明治時代中期に、神戸の長田神社参道で野口百鬼堂という人物が作ったのが始まりだと言われています。首が伸びたり、目玉が飛び出たりするお化けを題材にしていたので「お化け人形」と呼ばれていました。神戸と聞くと、ハイカラというイメージがありますが、今で言えば「キモ可愛い」という形容が当てはまる人形でしょうか。

その後、漆器をイメージして黒く塗られていましたが、戦後まもなく途絶えたそうです。昭和30年代の頃、人形作家の数岡雅敦さんが、神戸人形を復活させようと取り組まれ、そのおかげで市内で神戸人形を作る人が現れました。ところが、平成7年の阪神淡路大震災の影響で再び製作が途絶えてしまいました。

小学生の時に初めて神戸人形を見て以来、神戸人形が大好きだった人形作家の吉田太郎さんは、同じく人形作家の奥様に背中を押されて、平成27年から製作を開始。神戸市東灘区にある工房「ウズモリ屋」で日本でただ一人、「神戸人形」を作っておられます。

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これは、明治の頃から伝わる神戸人形の「西瓜喰い」の復刻版。ピープショー作家の吉田稔美さんが今朝送って下さった写真です。彼女も神戸人形に魅せられた一人で、大切なコレクションの一つ。昨日の番組は、偶然にもこの「西瓜食いの映像から始まりました。

吉田太郎さんは、明治時代の作品の復刻に際して、なるべく長く遊んで貰えるよう糸の本数を少なくするなど工夫を凝らしておられます。オリジナル作品も作っておられ、お客様の要望に沿って製作や修理にも対応してくださいます。先代が大切に残しておられた人形が、糸が切れて動かなくなっていたのを、吉田太郎さんの手で甦った時の嬉しそうな表情が印象的です。

まだ49歳の吉田太郎さんですが、「いっぱい興味を持ってもらって、親しみ楽しんで貰いたい。神戸人形を残し、未来に繋げていきたい。そのためにも誰かにバトンを」ともう未来を見据えておられます。2度の復活を経て、「怖いけれど、面白い」神戸人形が、これからも作り続けられ、愛され続ける平和な世の中であってほしいと願います。

もう一つの錦影絵について、錦影繪池田組の主宰者池田光惠先生から、公演のご案内が昨日届きましたのでお知らせします。

江戸時代の明和年間(1764-72)に西洋幻燈機が伝わると、すぐに座敷用幻燈機が製作・販売され、座敷で演じられる幻燈が流行しました。その後、この座敷影絵が興行用に改良されて、寛政年間(1789-1801)にはすでに上方一帯に木製幻燈機芸能の形式が確立されていました。手漉き和紙を貼り合わせたワイドスクリーンの裏側から、数台の「風呂」と呼ばれる幻燈機と仕掛けスライド「種板」を操作して映す、リヤプロジェクション方式の影絵芝居です。鳴り物や口上に合わせて、物語が展開します。幻燈師の身体性が生む「気配」が、和紙スクリーンを介して観客に優しく伝わる、玄妙な物語り世界を創り上げています(錦影繪池田組チラシから)。

池田先生たちは、江戸時代から親しまれていた芸能「錦影絵」を知ってもらい、今後に継承するために、創作演目で公演活動を展開されています。その池田先生の新たな取り組みが以下に。「風呂」用桐材の調達から始まり、製材、そして製作、物語創作、種板作りとこの春からコツコツ取り組んでおられた先生の成果を、ぜひご覧いただければと思います。

 ………

国立文楽劇場(7/20~8/5)夏休み特別公演に錦影繪池田組が参加します。

第一部・親子劇場「かみなり太鼓」のラストシーンで錦影絵の花火を打ち上げます。 わずかな時間ですが、新たに制作した錦影繪池田組オリジナル花火が夜空に輝きます。空の幕に前面から映すので錦影絵本来の映写スタイルではありませんが、 文楽の物語空間をより華やかにする新たな試みです。この回の演目は「日高川入相花王・渡し場の段」・文楽解説・「かみなり太鼓」です。https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2019/3008.html

 

【追記】ABCテレビの「LIFE~夢のカタチ~」は、27日迄、
https://tver.jp/episode/60598913でご覧になれます。

 

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