おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.11.06column

海外からのお客様、ポーランドのアニメーション ユニット「kinoMANUAL」との出会い

DSC01130有り難いことに、海外から当館を目的に来てくださる人々もおられます。雑用に追われ、なかなかその都度紹介できずにいますが、写真はイタリアからのお客様。サインをしている女性はボローニャからお越しのFEDERICAさん。映画研究をされていた女性。中央におられるのはピサからお越しのRENELLA BANDINELLIさん、その右はローマからお越しのPAOLO BOTTONIさん。3人とも「また訪れたい」と喜んでくださいました。

写真は撮り損ねましたが、アメリカのClevelandからお越しのジョシー・チャップマンさん、東京都写真美術館の武内学芸員さんと一緒にお越し頂いたアメリカのケンタッキーからアーロン・カープさんも。ドイツのハンブルクからベルリンに移られたJULIUS DETTUERさんは、イラストを書き添えてサイン。ハンブルクの優れた映画環境支援の様子を実見したことは、連れ合いが「映画」をキーワードに人々が交流できる場を設けたいと思う契機になったことでもあり、そんな話もして盛り上がりました。 

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そして、今月3日にお越し頂いたポーランドからのお二人。丁度フィルムを使っての写真教室をしていて、その時は現像中だったこともあり、町家全体を真っ暗にしていました。事情を話すとすっかり理解した様子で、30分ばかり付近で時間つぶしをしてくださって、再び暖簾をくぐって来てくださいました。ひとことふたこと話しているうちに、ポーランドでアニメーション作家として活躍されているとわかりました。展示している光学玩具などもよくご存じ。それならば、といつもの厚かましさで100コマのフィルムをお見せして「シネカリをしてみませんか?」と提案しました。お二人は「OK」と即答。50コマずつ油性ペンで描いて貰うことにしました。

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MACIEKさんは、最初に体験して貰った玩具映写機に装填していたチャンバラに着想を得て、モノクロでサクサクと描き、AGA さんは緑と赤のサインペンで彼女の世界を描きます。

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「どんなもんだいッ!」とドヤ顔のMACIEKさん。完成したフィルムはしっかり乾かしてから装填しないと、せっかくのフィルムに傷がついてしまいます。二人は次の予定があるということでしたので、それならば5日午後に手回し映写機に掛けて見ることにして見送りました。

聞けば、京都市内のルーメン・ギャラリーで4日19時から「The Best of PUNTO y RAYA FESTIVAL」があり、彼らはゲストとして特別にライブアニメーションを披露するとのこと。

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これも出会い、そう思って4日夜ルーメン・ギャラリーに行ってきました。このチラシに書いてあるとおり、形、色、動き、音に焦点を合わせた抽象的な映像の映画祭。2007年から始まり、スペイン、アイスランド、ドイツなどで開催され、今回は2018年ポーランドで開催された第7回の応募作約800作品から100作品を選び、さらに選ばれた13ヵ国の作家による18作品が上映されました。DSC02422

これはkinoMANUALの二人(背中を見せているのがAGAさん、右端の半袖Tシャツ姿がMACIEKさん)の特別ライブ終了後の写真。この時は30分ほどの作品を生のサウンドで披露してくださいました。もちろん二人の作品「25/25」(4分20秒)も18作品の中の一つ。いろんな映像表現があるのだなぁと見入りました。

左端がこの催しの企画者のMICHAEL LYONSさんで、「KATAGAMI」(3分15秒)のタイトルで上映されました。伊勢型紙をスーパー8で撮影し、抹茶を使って自家現像をされたそうです。kinoMANUALと知り合った3日は、インスタントコーヒーを用いて写真現像したので、二日続けて自然素材での現像の話が聞けて面白かったです。真ん中で中腰になっている男性は、鍛冶周作さん。作品タイトルは「The Big Note」(3分)。

大学でアニメーションを教えているという参加者からフレームの質問が出ました。「ヨーロッパでは25フレームでアニメーションを作っているが、日本は違うので、ヨーロッパに出そうとすると問題になる」というものでしたが、鍛冶さんから「この映画祭はパルの変換は要求されなかった」とお答えがありましたから、関心がある方は次回挑戦されては如何でしょう。8分までの短編です。

これが、3日に描いたフィルムを装填して映写した映像です。タイトルを尋ねたら「Samurai and dot」になりました。この頃海外からのお客様にどこからいらしたか世界地図にピンでマーキングして貰っているのですが、彼らはWroctaw(ヴロツワフ)にピンを。お土産に新しいフィルムを購入してくださいましたから、Wroctawに戻られてから、どのような作品を作られるのか楽しみですね。

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記念に写真を撮りました。AGAさんが手にしているのが、彼らのフィルムを装填した玩具映写機。この日は、以前購入したポケトークが初めて活躍し、日本語とポーランド語の会話を繋いでくれました。一番賢かったのは、このポケトークでしょう。楽しい時間でした。いつかお二人と再会できたら嬉しいなぁ。Wroctawをネットで検索すると、ポーランドの中で最も古い都市の一つだとあり、とても美しい街並みです。海外の人と出会う度に、いつか訪れたいと夢見る都市が増えます。

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折しも、今年は日本とポーランドが国交を樹立して100周年の節目。上掲チラシにあるように、9~22日まで様々な作品上映がありますので、私も見に行こうと思います。映像を通して、世界が一つになれることは素晴らしいです。

 

 

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