おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2020.02.04column

出町座で、映画鑑賞

随分と遅い初訪問となりましたが、京都市上京区出町枡形商店街にある出町座に行ってきました。

IMG_20200204_0002余り映画の知識がない私でも「ゴーモン・カメラは、リュミエールと同じ1897年に日本に輸入された」ということで聞き覚えがある「ゴーモン」の名称。そのゴーモン作品の中から選び抜かれた18作品を一挙上映するというプログラム「ゴーモン 珠玉のフランス映画史 京都編」とあったので、休館日を利用してその中の2作品を観てきました。

タイトルは1月28日夜『とらんぷ譚』(1936年)と『怪盗ルパン』(1957年)。受け取った映画評論家・山田宏一さんの解説付き特製ポスターによると、1895年に写真と映画の機材屋として出発したレオン・ゴーモンが映画製作に乗り出したのは、シネフィルの母親、マルグリット・ゴーモンと社長秘書のアリス・ギー(世界最初の女性監督)の二人の女性によってなのだそうです。ゴーモン社の象徴である花びらのマークは、母親の名前「マルグリット」からデザインされたもので、マルグリットはフランスで語でマーガレットを意味し、少しずつデザインを変えながら、今も継承されています。このプログラムは6日まで。関心がある方は、お出かけ下さい。

DSC_1377

DSC_1376

出町座。そして今日2月4日に観に行ったら、周防正行監督の『カツベン!』ポスターが飾ってありました。

DSC_1411

チラシの裏面は、こちら。

IMG_20200204_0003

話題を集めたこの作品、まだご覧頂いていない方は、ぜひこの機会にお見逃しなく‼ 日本の映画草創期のことを知って貰いたいだけでなく、エンタテインメントとして良くできているので、お勧め。

さて、 今日観てきたのは、監督・編集・撮影:広瀬奈々子さんの『つつんで、ひらいて』。

IMG_20200204_0001

 

実は、最近本の装丁をされている方とFacebookで繋がり、16日にお会いできることになったので、どのようなお仕事をされているのか事前に勉強しようと思って観に行きました。このドキュメンタリー映画で密着取材されているのは、1万5千冊もの本をデザインされた菊地信義さん。

一人の男性が、机の前で紙をクシャクシャしては丸めて、伸ばし、それを繰り返す場面から始まり、「何だろう」と引き込まれます。その紙には「酒と戦後派」の文字が印刷されていて、クシャクシャを繰り返すことによって、印刷された文字が掠れ、ひびが入ります。その塩梅が狙いに嵌まったようで、「お、行けそうだ」と男性は頷きます。菊地さんのデザインは全て手作業で、阿吽の呼吸のアシスタントの女性が、それをデジタル化して、次の工程に入ります。

丁度12月10日~15日、親しくしている森安正さんら京都絵葉書研究会の展覧会「祝祭の京都20世紀」が、老舗の便利堂コロタイプギャラリーで行われていて、会場隣の作業場で職人さんらが印刷をされているのを眺めることができました。普段見ることができない作業工程に興味を持ったばかりだったこともあり、印刷会社で本が印刷される工程を観ることができたのも興をそそりました。これまで何気なく眺めていた書店に並ぶ本の背景に、こうした人々の手間暇と苦労、苦心、技術があるのだと知れば、これから本を見る目も変ろうというもの。

菊地さんが話されたたくさんの言葉の中で、印象に残ったのは「デザインは『拵える』『こさえる』に当てはめるべきで、設計ではない。『こさえる』ってのは、誰かのために何かを作ること。デザインは他者のためのものだから」。お母様がよく「今こさえてあげるからね」と仰っていたそうですが、富山弁でも「ちょっと待っとってや、今拵えてあげっちゃ」というのを思い出しました。相手をいつも思い、そのために尽力する、その言葉が『拵える』『こさえる』なのだなぁと、観ていて思いました。

この映画は、本の装丁をする人に焦点をあてていますが、もの作りをする人それぞれに、ドキュメンタリーが1本作れるなぁと思いました。ネットで金融取引をして「上がった、下がった」と一喜一憂している人々とは異なる、愚直に額に汗して『こさえる』人々がもっと評価される時代になって欲しいなぁと思います。

京都では、書店大手のジュンク堂京都店が今月末で閉店するとのニュースが衝撃を持って報じられたばかり。名古屋にあるロフト名古屋店も同時に閉店となるそうです。出版不況やネット通販の攻勢で、書店経営は益々厳しくなるばかり。この報道がされた1月12日の京都新聞は「長引く出版不況の影響で書籍と雑誌の販売額は減少傾向が続く。出版科学研究所(東京)によると、2018年の推定販売額は約1兆2900億円で14年連続の前年割れ。ピークだった1996年の半分を下回る」と書いています。

活字離れが叫ばれて久しいですが、本が売れないと、こうした出版に関わる人々の技の継承が危ぶまれます。「気分転換に、本屋をぶらりと訪れ、目に留まった本を手にとってみるのも良いですよ」と言ってはみたものの、雑務をこなすので精一杯で、私も本がなかなか読めないでいます。あぁ。

それはそうと、出町座は良い雰囲気でした。観る前に空腹を満たそうと入った餃子の王将にこんな張り紙が、

DSC_1379

学生さんが多い町らしい心遣い。帰りに入ったパン屋さんも焼きたてのパンが、税抜き112円と美味しくて、安い‼ これから、マメに出町座をチェックして観に行き、周辺も楽しみたいです。

記事検索

最新記事

カテゴリー

月別一覧