おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2020.09.07column

開催中の「パテ・ベビーと小型映画の資料展」で、珍しい紙フィルムも展示しています‼

小型映画A - コピー

9月2日~10月25日開催の「パテ・ベビーと小型映画資料展」では、今年3月21日に京都市内の方から寄贈を受けた貴重な紙フィルムとレコードの3セットも展示しています。そのうちの1作品のうち『特急忠臣蔵』(1935〈昭和10〉年発売)上巻を映写機にかけ、蓄音機にレコードを掛けて同期する実験をしてみました。

戦争の影響もあって、短命に終わってしまった日本独特の紙フィルムの世界をお楽しみ下さい。寄贈して貰ったのはアニメーションですが、当館には別のアニメーションや実写版といろいろな作品を所蔵していますし、1933(昭和8)東京で最初に紙フィルムを開発した「レフシー」の映写機と紙フィルムもあります。

家庭トーキー紙フィルム補修

紙フィルムの補修をしています。そのおかげで気付いたことがありました。

家庭トーキーフィルム裏面

レコードと同期させるための合図「スタート」の文字があったのです。映写機のハンドルを回して、紙フィルムをこの合図まで送り、レコードと同期させます。その後はレコードに合わせて、コマを送るスピードを微調整しながら手回し。先発のレフシーは、パーフォレーションにあたる穴がコマとコマの間に1コでしたが、家庭トーキーの場合はそれを改良して2つ穴にしていますので、より安定して紙フィルムを送ることが出来ました。

紙フィルム「特急忠臣蔵」上巻巻き終わり

家庭トーキー『特急忠臣蔵』の巻き終わりに貴重な情報が印刷してありました。

家庭トーキー『軍国祭』下巻巻き終わり

上掲は同じく『軍国祭』下巻の巻き終わりの印刷部分。先行研究の稲葉千容さんによれば、「岩田酉介は、初期の松竹美術部に所属した人で、大阪の深田商会映画部でアニメを製作していたこともある人」だそうです。3セット6巻のうち、このような印刷があったのは、この2巻だけでした。

昨夜SNSでこの動画を公開したところ「初期手塚漫画のようなナンセンスが光っていますね。大阪市西区にそんなハイカラなアニメ製作所があったとは…驚きです」や「これは素晴らしい動画。レフシーやカテイトーキーはアニメ大国日本の誇るべき初期アニメとして国際映画祭等で紹介すべきだと思っている。絶対にウケるのに」といったコメントが寄せられました。取りあえずは、レコードとセットの3作品を時間的余裕があるときに動画にし、レコードがない作品につきましても、活弁と生演奏で見て貰えるようにしたいです。

DSC04003補修した紙フィルムを映写機に装填。通常のフィルムは透過しますが、紙フィルムの場合は反射させて見るので光源のランプが前にあります。この家庭トーキーの映写機の場合は100ワットの光源が2コもありますから、レフシーよりはよく見えたでしょう。電球は熱くならないようLED電球に替えました。

家庭トーキーの紙フィルムの上映テスト

DSC_2004

 今ではご存じない方も多いかもしれません。これが蓄音機で、そこに家庭トーキーのレコードをセットした写真です。公開した動画に早速多くの人が関心を示してくださり、8月29日Twitterで書いた「届いたばかりのフィルムが製作から50年ほど経って初めて空気に触れ、鼻がもげそうなくらい強烈なニオイで充満している」にも597人もの人が「いいね」、273人がリツィートしてくださったのにも驚きました。アナログなものに関心を示してくださっていることは、細々ながら映画フィルムの保存と活用をしている私どもにとって、何よりの応援、励みになります‼

DSC_1998A - コピー

この2壁面には、16ミリ規格、9.5ミリ規格、8ミリ規格の国内外の映写機とパテ・ベビー版名作をパネルで紹介しています。

小型映画展示

こちらの棚には、上述家庭トーキーの展示と、今年3月20日に名古屋の小林貞弘さんから寄贈を受けた故・横井湖南氏旧蔵『パテーシネ』など49冊を展示しています。お声がけいただければ、館内でお手にとってご覧いただけます。他に16ミリ規格、9.5ミリ規格、8ミリ規格のカメラも展示しています。

コロナ禍でお出かけにくい時期ではありますが、事情が許せば、実際にご覧いただければ幸いに存じます。よろしくお願いいたします。

 

 

 

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