おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2020.12.14column

京都市民映画祭→京都映画祭→京都国際映画祭

今日の京都新聞夕刊に、映画に関する連載が2つ載っていました。

「私の町のちいさな映画館」は、先日来気が付いて読んでいますが、「ニッポン娯楽映画縦断」は今頃気付き(汗) 森繁さんて「満州」からの引き揚げ経験者だったんだ、とか、映画初主演の相手役は轟夕起子さんだったんだとか、思いながら読みました。

「私の町の小さな映画館」の文章に、「高崎映画祭は、市民映画祭の草分け」と書いてありますが、映画記者会と京都市の二人三脚で1954年に始まった京都市民映画祭のことを思いました。京都に撮影所があった松竹、大映、東映でつくられる作品と映画人を受賞の対象に選び、市民が選ぶ市民賞、裏方さんにスポットライトをあてた特別功労賞もありました。保存と活用を訴えている『京都ニュース』には、その受賞風景が記録され、中には今放送中のNHK朝ドラ『おちょやん』のモデル浪花千栄子さんも映っています。

京都市民映画祭より早く、自治体主催や後援の映画祭として1947年にスタートした東京都民映画コンクールや川崎市民映画コンクールもあったそうです。

京都市、映画関係者、市民の三位一体となった京都市民映画祭は、京都での映画製作本数の減退により1977年に終え、1998年に日本映画100年を記念して再び京都映画祭がスタートしましたが、そのプレイベントとしてロシアで発見された傑作『何が彼女をそうさせたか』(鈴木重吉監督、1930年)を復元版完成披露上映しました。

その後、2012年伊藤大輔監督『一殺多生剣』短縮版の復元上映を最後に、隔年開催された京都映画祭も、第8回で終わり、

2014年から現在毎年開催している京都国際映画祭に引き継がれました。

両作品とも傾向映画の代表作で、連れ合いが復元に携わったことで、「貴重な無声映画を何とか次世代に残さねば」と強く思うようになり、その拠点になればと2015年「おもちゃ映画ミュージアム」を構えることになりました。

ともあれ、インターネットで「京都映画祭」を検索してもなかなか見つからないことを、当時部外者だった私は、とても残念に思っています。

因みに、今年10月に故・大林宣彦監督に贈られた「牧野省三賞」は、1958年の第5回京都市民映画祭にはじまり、京都映画祭にも続き、京都国際映画祭でも引き継がれて、日本映画の発展に貢献した人に贈られる名誉ある賞として継承されています。

 

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