おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.12.30column

年の瀬に読んだ、731 部隊の少年隊員だった人の証言

今年もあと僅かな時間に迫り、慌てて年賀状の準備をしています。近くに和菓子職人の名人がおられ、今はお正月用のお餅作りに精を出しておられます。写真は伏見稲荷のお火焚きの日に撮った「お火焚きまんじゅう」です。

我慢できずに、先ほど搗きたての小餅を買い求めて、それをほおばっています。カメラを取り出すのも断念した寒い夕暮れ。みぞれも降ってきた年の瀬。コロナで職を失った人、住む家を失った人も、等しく時が過ぎ、もうすぐ新しい年がやってきます。どうぞ、恵まれない人に優しい世の中でありますように。

今年は、コロナウィルスに振り回されたトンデモな一年でした。それでも4月~5月の営業自粛要請を受けて休んだ以外は、自分たちにできることを細々とでもやろうと決めて、「没後30年アニメーション作家岡本忠成ミニ資料展」、「第四の巨匠成瀬巳喜男資料展」、「映画『祇園祭』資料展」、資料展「『満州国』って知っていますか?」、「パテ・ベビーと小型映画資料展」そして、終わったばかりの「米寿記念福住富雄名作映画ポスター展」とやってきました。10月には、京都国際映画祭で初めてのネット配信を経験しました。「ピンチをチャンスに」と海外の人にも見て貰えるよう沢山のプログラムを組みました。大きなスクリーンで生の舞台を見て貰いたかったのですが、それぞれが工夫を凝らして、こうした見せ方もあるんだと経験させて貰いました。

そんなことなどを思い出し、振り返りながら、昨日の夕刊をめくっていて、手が止まりました。

731部隊については、2月8日聴講した満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会が主催した「731部隊と京都大学ー研究者が戦争に協力する時 731部隊の生体実験をめぐって 人道に反した『過去』から学ぶ『軍学共同』の行きつく先」(西山勝夫先生)などの資料を、8月の「『満州国』って、知っていますか?」で展示しました。

1993年から全国規模で始まった「731部隊展」を、子どもを連れて大阪まで見に行った記憶があり、その時「マルタ」という言葉を知り、何て酷いことをしたものかと思いましたが、それから随分経って、当時住んでいた京都府南部の郷土史会で上層の方の祝賀会に参加した折り、「731部隊にいた」という人(記憶では3名)と同じテーブルになったことがありました。ヒソヒソと仲間内でしゃべっておられましたが、その時は仏教書の仕事をしていると話されたのが印象に残りました。大阪での展示を見て知っていたことも影響したのでしょう。

貴重な証言をされた清水さんの文章に「三つの誓い」を心に刻んだとあります。「隊員相互の連絡をとらない」というのが、その一つですが、ヒソヒソと聞いた話では、毎年集まりの会があるとおっしゃっていたような気もします。

ところで、この記事の何に驚いたかといえば、この清水さんが、長野県宮田村の方だったこと‼ 昨年11月22日、私は、この宮田村教育委員会を訪問して、ブラジル移民と満州移民を促進するための「社会活動」を精力的にしていた岸本與がその活動の為に用いていた幻灯機とガラス種板、そして行く先々で書いて貰っていた芳名帳などの資料を見せて貰ったからです。岸本與の名前は、長野県下と周辺で知れ渡っていました。長野県からは、日本で最も多くの人々が渡満しています。

長野フィールドワークの報告は昨年12月8日にさせて貰いました。その時のことはこちらこちらで書きました。それから1年経った12月7日、たまたま目にした記事から「満蒙開拓移民の父」と呼ばれ、満州移住計画発案者で、その中心人物であった東宮鐵男(張作霖爆殺事件の実行者)の親戚の方と電話で話すことができました。群馬県で「群馬満蒙開拓歴史研究会」を主宰されています。12月12日に続き、新春1月23日にも研究会が予定されています。コロナ禍で身動きできませんが、いずれ鎮まれば、一度訪ねてみたいです。

 

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