おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2025.05.12column

いよいよ次の日曜日18日に“刺青絵師 毛利清二”さんが登場‼

トークイベントのご案内です。次の日曜日5月18日18時から、長い間映画やテレビドラマの世界で、俳優さんに刺青の絵を描いてこられた毛利清二さんをお招きして貴重なお話をお伺いします。

昨年の今頃は、毛利さんの仕事を振り返る展示「毛利清二の世界:映画とテレビドラマを彩る刺青展」を開催中で、7月28日まで3か月に及ぶ珍しい展示を見ようと、全国各地から大勢のお客様にお越しいただきました。改めて、ご来場いただきました皆様に心より御礼を申し上げます。お客様の中には、展覧会初日にお越しくださり、以降も何度もお顔を見せてくださる親切な方もおられ、つい2、3日前にも当館の引っ越しのお祝いを持参してくださいました。 “刺青”と聞くと、身構える方がおられるかもしれませんが、3か月間で感じたことは「刺青は、自分らしさの表現手段のひとつだ」ということ。

多くの時間と決して安くはないお金を費やし、痛みに耐えて彫る(彫ってもらう)のは、自分がどうありたいかを目に見える形で表現する手段。期間中毎日のようにその成果を見せてもらいながら、交わした会話はとても面白くて、皆さんとても生き生きとして楽しそうでした。彫り師さんや彫ってもらっている人たちが、お手本にしたのが、毛利清二さん(95歳)が映画やテレビドラマで俳優さんたちに描いてきた“刺青”です。何度も繰り返しながら見て勉強を重ねてきたので、彼らにとって、毛利さんの存在は神様なのでしょう。

毛利さんご自身の手で多くの下絵を板に挟んで立てて保存されてきたおかげで、奇跡的といっても良いぐらい美しい状態で皆様にご覧いただけることができました。東映剣会のメンバーとして俳優業もしながら、鶴田浩二さん、高倉健さん、若山富三郎さん、藤純子(現・富司純子)さんら実に多くの著名な映画スターさんたちに、龍や唐獅子牡丹などの絵を描いてこられました。場所が狭かったこともあり、昨年の展覧会では、自ら下絵を選び、2期に分けて展示。期間中には、幾度も毛利さんご自身によるギャラリートークの場を設け、映画スターさんたちとの思い出話などをまるで昨日のことのように鮮明に語ってくださいました。ダンディーでスラっとした格好良さだけでなく、記憶力が素晴らしいです。年の重ね方のお手本のような方でもあります。

これまで手掛けられた多くの刺青絵の仕事と毛利さんの人生史に興味を持った二人の研究者によってインタビューが重ねられ、編まれた本『刺青絵師 毛利清二-刺青部屋から覗いた日本映画秘史』が今年3月に青土社から出版されました。著者は前述「毛利清二の世界 映画とテレビドラマを彩る刺青展」を主になって開催してくださった都留文科大学教養学部比較文化学科教授山本芳美さんと、東映太秦映画村・映画図書室学芸員で京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程後期課程で映画の研究をされている原田麻衣さん。

18日は、この本の出版を記念すると同時に、当おもちゃ映画ミュージアム満10周年を記念して「刺青絵師 毛利清二-刺青部屋から覗いた日本映画秘史」を開催します。4月29日に最初にお知らせを書いた時点では、「スペシャルゲスト???」の表現でしたが、正式に毛利清二さんに登壇して頂くことが決まりました‼ 

当の毛利清二さんはすこぶるお元気で、当初から5月18日を楽しみにしてくださっていましたが、生身のからだ故、どなたに対しても言えることですが、万一当日の体調がすぐれない場合は、毛利さんの登壇は見送りになります。その点をご了承くださいませ。

開始は18時からですが、それまでにお越しくださった皆様は、自由に館内をご見学ください。もちろん山本先生と原田さんが執筆された本やグッズの販売もあります。既に本をお買い求めいただいた方はぜひご持参ください。先着順となりますが、毛利さんにサインをしてもらえますので、この機会をどうぞお見逃しなく。

以前の町家と比べ、倍ぐらいの広さがあるのですが、明治後期から増改築を経た古い建物なので、耐震などの安全を考慮して、先着20名と少人数設定にしております。お申込みはgoogle form https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd83H3zvDwT7haub-BbXXQ5KedJbr4KogsrmUvljZ9X5FHKNA/viewformからお願いします。できるだけ18時開始に間に合うよう余裕をもってお越しくださいませ。トーク会場へは、階段で上っていただきますので、そのこともご留意ください。参加費1000円と別に入館料1000円が必要です。

ご来場をお待ちしております‼

【追記】12日付けヤフーニュースで、『週刊新潮』に載った『刺青絵師毛利清二-刺青部屋から覗いた日本映画秘史』の書評が紹介されました‼https://news.yahoo.co.jp/articles/4dc78447993e376aa9de1e88fde3d27e8e37f8e7

「映画は夢の世界。スクリーンに投影される夢こそが映画の本体であって、それを作るための苦労や工夫は隠しておくのがよいという美学もある。だからここには、誰にも知られず消えていくさだめだったことが記されているのだ。貴重な証言が残されてよかった。」と。クリックして、ぜひお読みください。

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