おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.09.30column

充実の9月振り返り②超新星ファン来訪、ヤン・ケスタ―監督作品上映会ほか

9月16~19日に京都劇場で開催されたダンスヴォーカルグループ「超新星」のミュージカル「INTERVIEW」を観に全国各地から来京。その公演の前後にたくさんのファンの方々が、ミュージアムにも足を運んでくださいました。その様子は18日付けでも書きました。その日最後にいらした神奈川県の女性は、後日ソンジェさんのCDを送ってくださいました。今もそのCD 「It ´s Time」を聴きながら書いています。素敵な手紙が添えられていました。

…「(略)映画の歴史は今まで知らなかったのですが、すごくわかりやすい説明でしっかり理解することができましたし、日本の映画に対する価値観がもっともっと上がって、大切な文化だということを国が気付けばいいなぁと思います。ソンモがきっかけで訪問させていただきましたが、とても有意義な時間でした(略)」…

と綴られていて、とても嬉しく思いました。昨年ソンモさんが取材場所として来館されなければ、ひょっとしたら来館いただく機会がないままだったファンの方々も多かったのかもしれません。そういう意味で良き出会いとなったことを喜んでいます。そして、24日には、もう一人のファンの方が来館。彼女は18日も来館され、映画好きでもあったことから、24日に開催したパテ・ベビー・イベントをお誘いしました。その彼女も友人から託けられた超新星のCD&DVD「またキミと…」を持参してくださいました。ジャケットに写る兵役を終えたユナクさん以外の4人が今兵役中なのだそうです。右のアルバムジャケットのソンジェさんは兵役を終えたばかり。ファンの方たちから「兵役」という言葉を幾度となく聞くまで、何か遠い単語のように思っていましたが、今の日本政府の危なっかしい舵取りを思うと、このままずっと遠い単語のままでいて欲しいと切望するばかりです。

dsc07169-2一気にミュージアムに超新星のアルバムが増えました。先にいただいたソンモさんの「Sungmo」と「The future with U」、ユナクさんの「REAL」、そして、写真の2枚を加えて計5枚を、とっかえひっかえ聴きながら仕事しています。4人の兵役2年間を終えるまで辛抱強く応援し続けるファンの熱さと、それに応えて活動を続けるユナクさんとソンジェさんのことを知って、私も超新星のことを今までよりも身近に感じ始めています。

22日は、大阪ドイツ文化センター主催で、ベルリン在住のアニメ―ション作家ヤン・ケスタ―さんをお招きして、作品上映会をしました。12人の作家さんで作るアニメーションスタジオ「Talking Animals」を拠点に活躍されています。最初に大学の卒業作品として制作された「ニルヴァーナのスター」(2006)、中毒性がある麻薬に対する葛藤を描いた「松の館」(2016)、14年前に2週間で作った鍋とフライパンが朝、何を食べたいかケンカして、最後に健康食が来たというオチのアニメーション、スタジオのスタッフ8人が3カ月かけて制作したベルリンで人気があるレゲエグループSEEEDのミュージックビデオ、ブルガリア出身のスタッフが、ジプシーの民話をもとに作った作品、スタッフ2人が作った「コロンブス」などショートフィルムの数々も上映していただきました。

当日上映した作品情報は以下の通りです。

①松の館 (Eine Villa mit Pinien):ヤン・ケスター/ドイツ/12:58 /アニメーション/2016 /ドイツ語(日本語字幕)

②ニルヴァーナのスター (Unser Mann in Nirvana):ヤン・ケスター/ドイツ/10:27/アニメーション/2005/ドイツ語

③Müsli:ヤン・ケスター/ドイツ/1:17/アニメーション/2002/ドイツ語 

④Beautiful (music video for SEEED):ヤン・ケスター/ドイツ/3:27/ミュージックビデオ/2012

⑤Bango Vassil:ミレン・ビタノフ/ドイツ&ブルガリア/アニメーション/2014/ブルガリア語

⑥Dame mit Hunde (犬を連れた女性):ソニヤ・ローレンダー/ドイツ&イタリア/3:00/アニメーション/2014

⑥Kolumbus (コロンブス):ソニヤ・ローレンダー/ドイツ/4:30/ミュージックビデオ/2012

会場からは、いくつもの監督への質問が出ました。一例をあげると、最初からどういう目的で作ったのか?に対しては、「生活のためにCMなどを作るが、①表現者として、人に見せる目的、②グラフィックの中で、どういうことができるのか試みるために。」また、影響を受けた人は誰か?に対しては、宮崎駿監督や、『バベル』を作ったメキシコ人のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の名前を挙げておられました。

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先にお帰りになられた方も数人おられますが、最後に残った皆さんでいつもの記念撮影。 前列右から2人目がヤン・ケスタ―映画監督。1度撮って1コマごとに水彩絵の具で着色してから、また撮影していく方法や、紙で作った人形を用いたアナログとデジタル技術の3Dを融合させた作品など様々な手法を用いた魅力的なアニメーションの数々を見せていただきました。最新作「松の館」は、ハンブルク国際短編映画祭でARTE短編作品賞と観客賞を受賞し、トロント国際映画祭で上映され、シカゴのフェスティバルでも上映されるそうです。益々のご活躍を期待しております。

27日も追加取材があった関西テレビ「よ~いドン!」は、10月4日(火)9時50分~11時15分に放送されるそうです。降ってわいたような話で面食らっていますが、どうしても昔の写真が必要だと言われ、月曜日に押し入れからアルバムを取り出しました。出会った頃は、当然ではありますが、まだ若かった‼そして、番組で映し出されるのは、これまた当然ではありますが、ジジババのあるがままの私共二人。経年劣化は、何もフィルムに限った話ではありません。きっとお見苦しいと思いますので、テレビ局には内緒ですが、できれば見ないでください。

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23日閉館間際にお越しくださったのは、溌剌としたお若いご夫婦。スイスにお住いの映画関係で活躍のご主人さまと、台北出身の新聞記者の美しい奥さま。二人が指さしているのは、国内外で活躍中の活動写真弁士・片岡一郎さん。イタリアとスイスで彼の公演を見たことがあるそうです。このお二人、24日のパテ・ベビー・イベントの申し込みのために駆け込みで来館くださいました(そのイベントについては、③で書きます)。昨日、その奥様・陳雅雯さんから、素敵なメールが届きました。

We thank you very much for your warm greetings. Visiting your museum is the best thing in our Kyoto trip.

We didn't understand Japanese but we enjoyed much with the film screening and your amazing collections.

It is great to see so many people with same passion can meet and exchange ideas. Truly wonderful!

We thank you again for the infos of film titles. We will keep our attention to the next showing of 小津安二郎 films.

I really hope someday we can meet again, may it be in Kyoto, Europe or Taiwan.

Please keep in touch.

Best wishes to you and to the museum.

All the best,

陳雅雯

日本語でのイベントなので、お分かりにならないのではないかと心配していました。実際その通りで申し訳なかったのですが、映像は世界共通なので興味深くご覧いただけたようでホッとしています。特にうれしいのは「It is…」で始まる文です。とりわけ今回の上映会は専門家が多く集ってくださったこともあり、参考意見が多く出て充実した内容でした。小津安二郎「突貫小僧」を持って、またどこかでご夫婦に再会できる日が来るのを楽しみにしています。

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